3人に2人が老後の備えに不安――具体的な設計が立ち向かう鍵に:世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる(2/2 ページ)
内閣府の調査では、約67%の人が老後の備えに不安を持っているとのことです。不安はそのままにしておいても消えません。漠然とした不安に立ち向かうため、今、何ができるでしょうか。
不安に立ち向かうには具体的な家計設計を
確かに、平均的な暮らしをするなら、1000万円くらいの貯蓄で足りるかもしれませんが、「2000万円〜3000万円は必要」という人は、「旅行などしてゆとりある老後にしたい」と考るのでしょう。また「自分たちが老後を迎えるころには高齢化と少子化が進み、年金や経済状況などは変わっているのでは?」「インフレや消費税率アップのため、支出が増えるのでは?」「夫婦のどちらかが病気になるかも」という不安があるのかもしれません。
老後のことに限らず、先のことがどうなるかなんて誰にも分かりません。でも、だからといって何もしなければ、いつまでたっても不安のままです。このような不安には前向きに立ち向かわなければいけません。
そのために、老後の家計設計を具体的に考える必要があります。ただ、老後といえど、60歳代と80歳代では生活が違うため、ぼんやりと「老後」とするのではなく、年代を区切って計画するといいと思います。
1. 今から60歳まで
60歳といえば、多くの人が仕事の節目を迎えます。それまで、毎月の積立や退職金も含めて、いくら貯蓄をするのか、目標を決めましょう。
たどり着かなくても、60歳を迎えてなお働けるのであれば、すぐさま足りなくなる、ということはありませんので、目標額はいくらでもかまいません。
金額より、「まず目標を決めて準備する」ということが大事なのです。
準備については、銀行の積立預金や積立型投資信託、個人型確定拠出年金や個人年金保険などでも良いでしょう。老後資金は元金を減らさないことが重要です。それで、できるだけ安全なものを選びましょう。
個人的には、老後資金の準備には銀行の預金よりは利率の良い返戻金があって、途中解約も可能で、保険料に応じた所得控除の受けられる個人年金保険がお勧めです。
それをベースにして、少しリスクの覚悟が必要ですが株の運用もするなど、バランスよく老後資金づくりをしていきましょう。
2. 60歳から65歳まで
働けるうちは働きましょう。働きながら余裕があれば積立も続けましょう。
65歳までは年金は支給されませんが、どうしても生活が厳しくなったら年金の繰り上げ支給を受けることもできます(ただし減額はされます)。
3. 65歳から75歳まで
65歳から年金受給が開始されます。個人年金保険を受け取るのもこのタイミングがいいでしょう。
もし年金が月15万円くらいしかないとしても、年金保険と合わせて25万円くらいの収入は確保したいところです。もしまだ働けていて、給与収入などがあると生活はとても楽になります。旅行などを楽しむこともできますね。
4. 75歳以降
75歳を過ぎると、働くのは難しく、収入も減るかもしれませんが、生活費も60代と比べて平均5万円ほど減ります。
住居さえ確保しておけば生活費はあまりかからないので、年金と積立の取り崩しの範囲内で十分生活していくことができるでしょう。
老後は誰でも不安
確かに老後のことを考え始めたら誰でも不安になります。どんどん老いていきますし、若いころのような元気もなくなっていきます。しかも、世間のニュースは不安をあおるようなものばかりです。そんな時に「老後に不安はありませんか?」と聞かれたら、ほとんどの人は「不安です」と答えるでしょう。
でも、私たち日本人は少し不安になりすぎているのではないでしょうか。確かに年金制度は今のままではないかもしれませんが、無くなることはありません。「健康でさえいれば生活はなんとかなる」くらいにもっと楽に考えてもいいかもしれません。
老後について考え過ぎ、不安から健康を損なっては元も子もありません。老後としっかり向き合って準備をし、気持ちを前向きに保ち、健やかに暮らしたいものです。
※この記事は、誠ブログの『老後の備え不足 67% あなたの場合は大丈夫?』〜老後の不安に立ち向かうにはどうすればいいか?〜より転載、編集しています。
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