「リバースモーゲージ」は高齢化社会の救世主になれるか?:世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる(1/3 ページ)
最近よく見聞きする「リバースモーゲージ」。リバースモーゲージとは、自宅などの不動産を担保に入れ、その評価相当額を一括、もしくは毎月一定額を年金のように受け取るローンのこと。年金不安の中、高齢化社会の救世主となれるのでしょうか? その課題と留意点を考えてみました。
最近よく見聞きする「リバースモーゲージ」。リバースモーゲージとは、自宅などの不動産を担保に入れ、その評価相当額を一括もしくは毎月一定額を年金のように受け取るローンのこと。ローンの返済は、契約者が亡くなったときに、担保となっている不動産を売却して回収する仕組みです。年金不安の中、高齢化社会の救世主となれるのでしょうか?
高齢化社会の救世主「リバースモーゲージ」とは?
高齢化社会が到来しています。日々の生活費や医療費、介護費、老人ホームの入居費用など、今後ますます老後の生活資金への不安は大きくなっていきそうです。そんな中、自宅を担保にして老後資金の融資を受ける「リバースモーゲージ」が注目されています。さて、リバースモーゲージは、高齢化社会の救世主となれるのでしょうか?
みずほ銀、リバースモーゲージに参入 メガ銀で初
みずほ銀行は7月から、戸建住宅の土地を担保に融資するリバースモーゲージの取り扱いを始める。高齢化の進展で高齢者の生活資金への不安が高まっているのに対応する。メガ銀行が参入するのは初めて。顧客数の多いみずほ銀の参入で、普及に弾みがつく可能性がある。
(2013年5月20日付 日本経済新聞)
老後資金が必要になったときに、ローンが終わった自宅を売却すれば資金は得られますが、住むところがなくなってしまいますよね。でも、リバースモーゲージなら自宅に住み続けながら老後の資金を受け取ることができる、というのがメリットです。
みずほ銀行はリバースモーゲージの潜在需要を5兆円規模とみて、「そのうち1〜2割のシェアを目指す。当初はまとまった資産のある層を念頭に置いている」とのことです。
では、どれくらいのローンになるのかイメージしてみます。
例えば、都内一戸建てに住む60歳の人がいるとします。土地の評価が4000万円あるとすると、元金と利息込みで評価の50%相当である2000万円の融資が受けられます。平均金利を2%弱程度とすると、おおよそ元金1600万円+利息400万円になります。その元金1600万円を85歳まで(25年間)毎月受け取るとすると、月々およそ5万円程度になります。年金に加えて、月5万円あれば何とかやっていける、というところでしょうか。
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