2030年、あなたはビジネスパーソンとして生き残れますか?:30代からの「次の働き方」(2/3 ページ)
将来に漠然とした不安を抱き、「このままでは仕事人として生き残れない」と考えるビジネスマンが約7割。これから16年後の2030年、私たちの働き方はどうなっているのでしょうか?
2030年:人口は1割減、IT化や機械化、グローバル化が加速
最近では働き方について興味のある人、また不安のある人が多いことを象徴するかのように、それに関する書籍が注目を集めています。
『ワーク・シフト−孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>』(リンダ・グラットン著)、『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』(ちきりん著)、『10年後に食える仕事、食えない仕事』(渡邉正裕著)など、みなさんも手に取ったことがあるかもしれません。
このような書籍では、これからの環境変化として、「国内人口減少」「少子高齢化」「IT化・機械化」「グローバル化」というキーワードがちりばめられています。
例えば、2010年に1億2806万人だった日本の総人口は、2030年には1億1662万人と1140万人程度減少すると予測されています。日本の人口は2005年から減少に転じ、2010年ころから年間20万ずつと減少スピードが速まり、それが今後さらに速まる見通しです(出典:『日本の将来推計人口(平成24年1月推計)』)。
平均年齢は45歳から50歳になり、65歳以上の割合は23.0%から31.6%に上がると予測されています。これに関連し、2030年の15歳以上64歳以下の生産年齢人口は、総人口の減少数を上回り、1400万人程度減少する見通しです。このような数字を見ると、人口減少、少子高齢化がかなりのスピードで進むということがイメージできるのではないでしょうか?
「IT化・機械化」もこれまで同様、もしくはそれ以上のスピードで進展することが十分に考えられます。例えば、ロボット産業市場は、製造分野で3倍、ロボテク製品、農林水産分野、サービス分野ではそれぞれ実に10倍前後の成長が見込まれています(出典:『2012年 ロボット産業の市場動向 調査結果概要』)。
「グローバル化」はどうでしょうか。「グローバルJAPAN-2050年シミュレーションと総合戦略-」では、各国のGDPはすでに日本を上回っている米国、中国に加えインドも上位になるとしています。また、「平成23年度アジア産業基盤強化等事業 (新中間層獲得戦略に関する基礎的調査−調査報告書−」によると、中国やインド、また南アフリカなどを含む新興国の高所得層・中間層は、2010年野の17.4億人から、2030年には29.5億人程度に増加すると予想されています。
「国内人口減少」「少子高齢化」「IT化・機械化」「グローバル化」――これらは“すでに進行しつつある”未来に向けた変化です。しかし、その具体的な数字を見てみると、変化のスピードに驚かされます。このような変化は、私たちの働き方にどのような影響を与えていくのでしょうか。
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