そのセール品、本当に“買い”なのか――マッキンゼー流“衝動買い防止法”:マッキンゼー流入社1年目 ロジカルシンキングの教科書(2/2 ページ)
耳に入ってきたニュースの裏を考えること、たまたま通りかかった店の前で購入前に考えること――深い思考(クリティカルシンキング)を鍛える場面は日常のいろんなところに潜んでいます。
[習慣その4]衝動買いの前に考える
「これ、安いよね。買っちゃおうかな」
たまたま通りかかったお店で、ほかのお店では割引していない商品に「本日限り40%OFF!」なんていう表示がされていると、思わず「今、買わないと」という気になってしまうことがありませんか。
中には、本当に価値あるものが、何らかの理由で安くなっていることもありますが、自分にとって、それは本当に“買い”なのかどうか、衝動買いの前に一度、立ち止まってクリティカルに考えてみましょう。
もともと「本当に必要」なものなら、価格に関係なくすでに買っているかもしれません。もし、たまたま割引されている店を通りかかることがなければ買っていないとしたら、これから先も買っていない可能性だってあるわけです。
そう考えると、衝動買いの本質は、実は、その「もの」自体を手に入れるのが目的なのではなく、「安く買えた(といっても支出はあるわけですが)」という満足感が得られることが目的にすり替わっているのかもしれないわけです。
心理学には「アンカリング効果」と呼ばれるものがあります。これは特定の情報や条件が印象に残ることで、その後の判断や行動に影響を及ぼす心理効果のこと。
例えば、まったく同じ3500円のクッキーの詰め合わせがA店とB店に置いてあったとします。
A店では、1000円前後のクッキーが中心なので、3500円の商品を見たお客は「高く」感じます。ところがB店では、5000円前後の価格のクッキーが多く、3500円のクッキーの詰め合わせを見ると「安く」感じられるのです。
よく考えると、A店とB店どちらで買っても3500円のクッキーの価格も価値も変わらないはず。それなのに、「アンカリング効果」によって、B店のほうが「お買い得」のように思えてしまうわけです。
日常の買い物という行為1つでも、割引価格に惑わされずに、自分の本当の目的と照らし合わせて「これは本当に買いなの?」と、ちょっと深く考えることを習慣づけてみてください。
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