僕らは確率の世界に生きて、確率の世界で死ぬ:ナレッジワーキング!!(2/2 ページ)
最近、飛行機の墜落事故が連続して発生しました。ある統計によれば飛行機に乗って事故にあい、死亡する確率は0.009%だといいます。
何事も等しく起こるわけではない
ビジネスも同じです。新しいビジネスを始めて成功する確率を知ったところで、それは「その人次第」ということになります。確率がどうであれ、うまく行く場合はうまく行くし、そうでないときはしょうがないのです。
失敗する確率は、誰もに等しく同じであることはありません。しっかり計画を立て、経験を積んだ人や洞察力の優れた人は、そうでない人の何倍、何十倍も成功する確率が高いことでしょう。
そして、1度成功した人は2度目も成功する確率が高く、金持ちの家系やその周囲の人もまた金持ちになる確率が高くなるのです。貧富の差が激しくなるのはむしろ自然の流れなのかもしれません。
最近は、私たちの身体も確率論で判断を迫られることが増えてきました。DNA検査をすれば「胃がんになる確率」が、妊婦が羊水検査をすれば「子どもが染色体異常になる確率」が分かります。
しかし、その数字が何%であったとしても「正しい」判断はできるのでしょうか? むしろ不安にかられて正しい判断ができない可能性のほうが高くはなりませんか? 99%と言われれば判断もつくかもしれませんが、微妙な数字を知ったところで、どうしようもありません。
私たちは確率の世界に生きて、確率の世界で死が語られます。しかし、考えてみれば、私たちの存在自体が奇跡です。なぜなら無数の精子から自分が生まれる確率は3億分の1です。すでに奇跡は起きているのです。
だったら、この世は何が起きても不思議はないでしょう? 重要なのは確率ではなく、あなたの頭の中の考え方次第なのです。
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
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