ケーススタディ:社内の衝突を解決する:たった15分で話がまとまる図解思考の会議(2/2 ページ)
最近、営業部と開発部の間がギクシャクしています。営業担当者が受注してきた案件が後から導入不可能なものだと発覚したり、無理なスケジュールで導入時に不具合を起こしたり……
5:関係図の完成。全体を俯瞰(ふかん)して、影響の始点(原因と推定されるもの)に印をつける
できあがった図全体を俯瞰(ふかん)してみましょう。すると、さまざまな事象の根本的な原因となるもの(=矢印でつながった付箋の中で始点になっているもの)が分かります。目立つように星印などをつけて強調します。
ここでは「仕様があいまい」「受注〜納品間のタイトなスケジュール」「部署間のコミュニケーション不足」が全体トラブルの出発点(原因)と思われますので、それらを解決する方法を出していきましょう。
6:解決のアイデアを出しあう
根本的な原因がいくつかピックアップされたので、それを解決するアイデアを出していきます。
7:全体を俯瞰(ふかん)してアクションを確認
全体をまとめた付せんからやるべきことをシンプルな言葉でまとめます。社内のコンフリクト原因を探ったり、解決方法を議論したりするときのポイントは個人のせいにしないことです。誰か特定の人の問題として処理するのではなく、社内の仕組み、プロセス、ルールを改善することを念頭に解決策を議論することが重要です。
いかがですか? よくある社内のコンフリクトも、問題を洗えばその「問題点」はいくつかにしぼられることが、図解することで把握しやすくなったのではないでしょうか? 今回使った図解の手法は「インフルエンス・ダイヤグラム」と呼ばれるものの1つですが、名称はどうでもよく、課題と思われるものを分解していき、その根っ子を探ることがポイントです。
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
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