うまいアイデアが浮かばないときのヒント集:たった15分で話がまとまる図解思考の会議(3/3 ページ)
さまざまな制約からすぐに実行可能な解決策が思い浮かばない場合もあるでしょう。今回は、そんなときに使いたいアイデアづくりのヒントをいくつか紹介します。
出てきたアイデアをつなぐ
アイデアが出てきたら構造化してまとめてみましょう。「構造化」というと難しい印象ですが、断片的な1つひとつの情報同士をつなげて、全体像が把握できるようにすることです。全体の中で個々の要素の位置関係が分かるのです。
つなげ方はさまざまです。因果関係があれば矢印でつなげばいいですし、お互いに関連するが順番というものが特になければ線でつなぐのです。類似の情報は枠線で囲み、それと分かるようにします。断片的な情報をつなげることで、各々の関係性を示すことができるだけでなく、全体をシンプルなフレーズで表すこともできます。
「KJ法」はアイデアを大きな塊としてまとめあげる
アイデアを構造化し、シンプルなフレーズにまとめる伝統的な方法としてKJ法が昔から知られています。
KJ法は、文化人類学者の川喜田二郎氏が学術調査をまとめるために考案したもので、付せんなどに書いた情報を関係性をみながら配置して、類似のものがあれば集めてそれを代表するグループ名(ラベル)を付け、大きな島を作っていきます。このとき、より次元の高いものから順に配置し、関連するグループはなるべく近くに配置し、関係性を矢印などでつなぎます。
最後には、出発となるカードを決め、そこからつながっている隣のカードや島づたいに一筆書きの要領で文章化していくというものです。ずいぶん昔から行われている方法ですが、断片的な情報を構造化し、短い文章で表すことができるので、便利です。
いかがでしょうか? アイデアづくりのヒントとまとめ方について紹介してみました。次回は、実際の会議ストーリーを追いながら、図解思考ミーティングを体験してみましょう。お楽しみに!
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
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