「成長のチャンス」か「無駄な時間」になるかは、あなた次第:「働く意味」がわからない君へ(1/2 ページ)
あなたに与えられている仕事がどんな仕事でも、それを自分が成長するための機会に変えることができるかどうかは、あなた自身の手にかかっているのです。
連載:「働く意味」がわからない君へ について
本連載は、諸富祥彦著、書籍『「働く意味」がわからない君へ ビクトール・フランクルが教えてくれる大切なこと 』(日本実業出版社)から一部抜粋・編集しています。
「希望の職業に就けていない」
「今の部署ではやる気が起きない」
「上司が評価してくれない」
「失敗するのが怖くて動けない」
本書は、このようなビジネスパーソンが抱きがちな48の悩みに、ビクトール・フランクルの言葉と彼が創始したロゴセラピーの考え方をもとに答えます。
ロゴセラピーとは、フロイトの「精神分析」、アドラーの「個人心理学」に続く3つめの潮流として位置付けられている“生きる意味”の発見を援助する心理療法です。
「あなたには、あなたにしかできない使命がある」。『夜と霧』の著者であり、人生の意味を見つめ続けたフランクルが贈る運命のメッセージです。
日々の仕事に「意味」を見い出し、「使命感」を感じて取り組むためのヒントが詰まった一冊です。
「仕事をしていても、自分が成長している実感が得られません。そのため、働く意欲が湧いてきません」
私たちはしばしば、「この仕事は価値がある。なぜならば、この仕事は私に成長の機会をもたらしてくれるから」と考えます。自分に成長する機会をもたらしてくれる仕事は、価値のある仕事と言えるでしょう。
私たちはまた、逆に「この仕事には価値がない。こんな仕事をしていても、自分の成長の機会にならない」と考えたりします。確かに、自分にとって時間の浪費としか思えない仕事は、早いうちに辞めたほうがいいでしょう。特に20〜30代半ばまでの「1年間」は重要です。この時期の「1年のすごし方」によって、その後の人生の流れが大きく変わることはめずらしくありません。
今の自分がどんな状態にあるのか、自分の能力がどういう段階にあるのかによっても、自分がその仕事に取り組むことを通して成長し進歩しているという実感が得られやすい仕事と、そういう感覚を得ることができにくい仕事というのはあるでしょう。
けれどもそれは決して、運命的に決まっているものではないのです。
事実というのものは運命ではない。重要なのはわれわれが事実に対してとる態度である。
(『意味への意志――ロゴセラピイの基礎と適用』)
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