リーダーはメンバーに助けてもらうのが仕事:サイボウズ式(1/2 ページ)
自分はリーダーに向いていないとあきらめるなかれ。スティーブ・ジョブズにはなれなくても、目的を達成するために上手にチームを動かすことはできるのだ。そのコツを伝授しよう。
「サイボウズ式」とは
「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイト。
本記事は「サイボウズ式」に掲載された「リーダーはメンバーに助けてもらうのが仕事」から一部抜粋・編集して掲載しています。
あなたは自分がリーダーに向いていると思いますか?
ここで自信を持って「自分はリーダーに向いている」と答えられる人は、あまりいないのではないでしょうか。世の中には率先して「リーダーになりたい」と手を上げる人もいますが、そういう人は決して多数派ではありません。
多くの人は、「できればリーダーになんてなりたくない」「頼りがいのある優秀なリーダーの下でストレスなく働きたい」と考えているのではないでしょうか。
問題は、自分は「リーダーになりたくない」と思っていても、ならざるを得ないシチュエーションが多々あることです。特に日本の会社では、ある程度プレーヤーとしての経験が蓄積されてくると、本人の適性や意向に関係なくリーダーにされてしまう場合が少なくありません。
もちろん、「プレーヤーとして優秀な人は、リーダーとしても優秀な人」としてしまう考え方にも問題がありますが、誰の身にも起こり得る以上、「リーダーになったらどうするか」について考えておいたほうがよさそうです。
そこで、「意図せずリーダーになってしまった場合、どのような姿勢で望めばよいか」について考えてみたいと思います。
誰もがスティーブ・ジョブズになれるわけではない
リーダーと聞くと、スティーブ・ジョブズのような「偉大なカリスマ的リーダー」を真っ先に思い浮かべるかもしれません。創造的で魅力的なビジョンを呈示し、圧倒的な求心力でメンバーの心を捉え、パワフルにミッションを遂行する――。
確かにこれはリーダーシップの1つの完成形ですが、誰もが真似できるものではありません。「生まれ変わりでもしない限り、どう頑張っても彼らのようにはなれっこない」と思う人も少なくないでしょう。
思うに、「偉大なカリスマ的リーダー」だけが、リーダーの正しいあり方というわけではないはずです。むしろ、世の中に多数存在するリーダーの中でも、彼らのようなリーダーは少数派なのではないでしょうか。
先頭に立ってぐいぐいメンバーを引っ張って行くのもひとつのリーダーのあり方ですが、それ以外にも優れたリーダーはいるはずです。自分が「偉大なカリスマ的リーダー」になれないからといって、絶望する必要はありません。
リーダーだって誰かの助けを借りてもいい
突然リーダーを任されて「自分には務まらない」と困ってしまう人は、「リーダーはものすごく能力が高い人でなければ務まらない」と思い込んでいることが多いようです。単純に「リーダー=チームのトップ=チームで一番できる人」と考えてしまうと、このように間違った考えにいきついてしまいます。
現実には、リーダーが「ものすごく能力が高い人」であるとは限りません。リーダーがチームの代表者であることは確かですが、それは能力の序列によって決まったわけではありません。あくまでリーダーは「役割」でしかないのです。当然、リーダーにもできないことはあります。
そういう時は、誰かの助けを借りればよいのです。むしろ、他人の助けを借りることこそが、リーダーの仕事だと言ってもいいかもしれません。助けを借りることで問題を解決できるのであれば、その人は立派にリーダーの仕事を果たしているといえるわけです。むしろ、“助けを借りずに一人で問題を抱え込む”ことこそ、リーダーが一番やってはいけないことなのです。
プレーヤーとしての能力が高い人ほど、「他人の助けを借りる」という発想ができずに、リーダーとして失敗していることが多いように思います。チームで成果を出すことは、個人で成果を出すこととは違います。「ひとりではできないことを成し遂げたいからチームで仕事をしている」ということを忘れてはいけません。メンバーがリーダーを頼るのと同じぐらい、リーダーもメンバーを頼ってよいのです。
関連記事
- サイボウズ式 記事一覧
- リーダーであることに年齢は関係ない
リーダーとは、管理職の地位とは異なり、ゴールに向かって人をまとめていくことができる人のことである。だから、たとえあなたが若くても、リーダーになれる可能性はある。 - 「民主的なチーム」が崩壊するワケ
政治における「民主主義」は、非常に画期的な発明であったと評価できます。しかし、ビジネスにおいて「民主的」であることは本当によいことでしょうか? 今回は、話し合い重視の雰囲気の良いチームが必ずしも成果を出せるわけではないという話です。 - 「横暴×マメ」こそ最強のリーダー
人を人とも思わないような横暴なリーダーであっても、部下に「この人のためなら頑張れる」と思わせたらしめたもの。そんなリーダーになるために守るべき“5つの習慣”を伝授しよう。 - リーダーに「カリスマ性」は不要である
リーダーに必要な能力を問うと「カリスマ性」という回答が寄せられる。その気持ちは分からないではないが、若きリーダーが「カリスマ性を身につけよう」と目指すとろくなことがない。 - スティーブ・ジョブズも毎朝やっていた! 集中できない時の最終兵器
つい、アレコレ考えて「意識のカオス」に陥りがちなあなたへ。スティーブ・ジョブズも毎朝やっていた最強の集中法とは……?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.