ベスト・オブ・知的生産術――5年半の連載記事を振り返る:ナレッジワーキング!!・最終回(4/5 ページ)
2009年に記事執筆を始めてから実に5年半に渡って誠 Biz.IDで連載をしてきました。最終回となる今回は、これまでの約300本の記事の中から選りすぐりの5本をピックアップ。
プレゼンの構想図を描いてみる――「図解プロット」で上司に新規事業を提案する
筆者は新規事業畑が長かったこともあり、とにかくパワーポイントで提案書を作成する機会が多かったのですが、とても時間がかかっていました。最初のころは力が入り過ぎたせいか、やたらとスライドの枚数が多く、カッコいいグラフなどを満載。そのわりに中身が薄っぺらな提案になってしまい、試行錯誤を繰り返す日々でした。
前述の「図で考える」習慣を身に付けてからは、プレゼンの提案にも図解思考の技術を取り入れました。スライドを作成する前に、要件や課題の整理、提案内容のヌケモレのチェック、説明のためのストーリー立てを行います。いわゆる「構想」に時間をかけるようになったわけです。
構想を重視するようになってからは、プレゼンのシナリオを考えるときにはノートとペンだけを持ってカフェにこもるようになりました。アナログなツールを手に、とにかく脳に汗をかくのです。その中で、提案に必要な「現状の課題」、将来こうありたいと思う「理想の姿」、現状と理想のギャップを埋めるための「提案の中身と実行計画」というように、論理立てて考える癖がつきました。
提案の骨子ができ、その情報の並べ方(つまり、説明シナリオ)が完成すると、次にラフをサラっと描きます。どんなスライドにしよう、グラフは何を入れよう、イメージは……といった具合です。すべて準備が完了してからオフィスに戻り、そこで初めてパワーポイントを立ち上げるのです。骨組みがしっかりしているから途中でブレることもなく、見栄えだけに専念できるのでかえって効率が良いのです。
どんなに見栄えがよく、派手な資料でも、中身がなければ相手の心をとらえることはできません。まずは「構想する時間」をたっぷりとって、脳に汗かいてみませんか?
関連記事
- 時間ではなく、価値観を管理せよ
年々忙しくなるのに、給料は減っている――。そんな思いに駆られたことはないでしょうか。業務効率も必死で改善しているのに一向に改善しない。もしかしたら、顧客が求める「本当の価値」を見失っているのかもしれません。 - Googleの成功はモンテッソーリ教育なしには語れない
Yahoo!のマリッサ・メイヤー氏は、創業期からグーグルを引っ張ってきた陰の立役者の1人ですが、彼女は「モンテッソーリなしに、Googleは理解できない」と語っています。モンテッソーリ教育が子供たちにもたらす効果とその源泉とは? - 6つの力が身に付く「図解思考」って?
わたしたちは情報をインプットして、理解し、記憶するときには必ず「絵」にしています。本連載では入ってきた情報を整理・分析し、他人に分かりやすく伝える技術「図解通訳」をお教えします。 - プレゼンの構想図を描いてみる――「図解プロット」で上司に新規事業を提案する
プレゼンのアウトラインを固めるために必要なのは、まず構想図を完成させること。今回のお題は「新規事業の提案」です。一緒に考えて見ましょう。 - ムダな会議を撲滅する「3S会議」のススメ
ビジネスパーソンの2人に1人は、「無駄な会議が多い」「会議時間が長すぎる」と思っています。生産性が低く、ムダな会議の特徴を10個挙げてみました。その逆をいけば、ムダな会議はなくなります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.