最強の問題解決手法は、「問題を問題視しない」こと:捨てる「習慣」(1/2 ページ)
他人がどう言おうと、本質的に重要に感じられないことはできる限り無視しましょう。自分が問題を「問題だ」と認識しなければ、解決する必要はないのです。
連載:捨てる「習慣」について
本連載は、午堂登紀雄著、書籍『1つずつ自分を変えていく 捨てるべき40の「悪い」習慣』(日本実業出版社刊)から一部抜粋、編集しています。
「忙しい」という口グセ、完璧主義、自社基準の評価――あなたには「捨てたほうがいいかも」と思う習慣はいくつあるでしょうか?
時間と経験が積み重なると、自分でも気付かないうちに行動や思考が習慣化していきます。自分が本当は何を欲しがっていて、何がやりたいのかが分からないまま、情報や他人の意見に流されがちになります。
本書では、人生に「悪い影響」をもたらす40の習慣について、「捨て方」と「捨てて得られるもの」を具体的に伝えます。捨てたいと思うものを1つずつ捨てていくことで、あなたの人生は少しずつ前向きな方向に変わります。
「問題解決」という言葉がすっかりビジネスの世界に浸透していますが、私たちの日常においても多くの問題が起こっています。そのとき、どう対応するか――つまり、どう問題解決を図るかで私たちの人生は大きく変わります。
例えば、「朝起きて歯磨きをしようとしたら、歯磨き粉がなかった」という場合、どんな方法で解決するか。「塩で磨く」「急いでコンビニに買いに行く」「会社に行く途中で買ってトイレで磨く」「ガムで代用する」。あるいは「歯磨きしないで会社に行く」という選択肢もあるでしょう。
あるいは、「朝一番からクライアントの会社でプレゼンがある。しかしクライアント先に着いたら資料を忘れていた」という場合ではどうでしょうか。
「会社に電話して誰か別の人に持ってきてもらう」「開始時間を遅らせてもらい取りに戻る」「覚えている情報のみでプレゼンする」「日を改めてもらう」。このように、複数の解決法が考えられます。
こうした問題を未然に防いだり早期に解決したりできれば、心の安定を保てます。損することを防ぎ利益を得るチャンスとなります。そう考えると、問題解決力をつけることは、より望ましい人生につながる、と言えます。
つまり「問題解決力」とは、ビジネスだけでなく人生全体においても「より幸せになるための思考と行動」と言えるでしょう。
そんな問題解決のアプローチは、一般的に3つのパターンがあります。
- 発生する問題解決
- 発見する問題解決
- 創造する問題解決
1つめの「発生する問題解決」は、起こった問題を解決する、というものです。一般的な「問題解決」とは、これをイメージする人が多いでしょう。病気になったら医者にかかり治療してもらう、というパターンです。とはいえこれは、いわばトラブル対応の対症療法であり、場当たり的と言い換えることもできます。
2つめの「発見する問題解決」とは、問題の芽を見つけ、その問題が表面化しないように事前策を講じることです。問題が問題としてはっきりと表れる前に手を打てれば、問題にならないので問題解決は不要です。健康に気をつけ、医者にかからずに済むようにしておく、というものです。
3つめの「創造する問題解決」とは、自分で問題を探して取り組むことです。誰から言われるわけでもなく、自分の弱点を自分で特定し克服する、あるいは自分の長所を見極めて伸ばす、といった行動です。運動不足という自分の課題を設定し、プログラムを作って運動する、というようなものです。
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