総務の仕事――春(4〜6月):新人・若手担当者のための総務の仕事術(2/2 ページ)
総務の仕事には、季節に応じて毎年、定例的に行うものがあります。今回は、4〜6月にかけての春の仕事のなかから、新入社員の受入れと株主総会にまつわる法務事務を取り上げます。
株主総会は法令に則って
株式会社は、毎事業年度の終了後、一定の時期に定時株主総会を開催しなければなりません。
会社によって決算期は異なりますが、3月決算の会社が相当数を占めています。そのため、多くの会社が5月から6月にかけて定時株主総会を開催します。
株主総会については、会社法その他の法令等によって手続きや期限が定められていますから、関係する法令等を確認し、ミスやモレがないように注意しましょう。
株主総会開催までのスケジュールは、取締役会設置会社であるか、監査役設置会社であるかなど、会社の機関設計によって異なります。
参考として、取締役会・監査役設置会社を例に、株主総会開催日から逆算した一般的なスケジュールを例示しました。
株主総会終了後の事務
株主総会が終了した後も、さまざまな総務関係の事務があります。
例えば、議事の経過の要領やその結果(どのような事項が、どのような審議のもとに、どう決議されたか)などを記載した株主総会議事録は、必ず作成し、会社(本店や支店)に備え置かなければならないものです。
また、役員の就退任など、登記事項に関わる変更があった場合には、2週間以内に変更登記を行う必要があります。
新任役員・社長の選任に伴い、対外的に就任挨拶状を発送する場合には、文面作成、印刷・発送などを段取りよく進めましょう
「ダイバーシティ経営」の推進
ダイバーシティ経営とは、多様な人材を生かし、その能力を最大限に発揮できる機会を提供することで、会社を発展・活性化させる取組みをいいます。
春は、普段はなかなか取り組みにくいダイバーシティ経営を考えるのによい機会でもあります。というのも、6月の男女雇用機会均等月間など、さまざまな施策が実施される季節だからです。
少し長い目線から、少子・高齢化の流れのなかで女性や高齢者、障がい者や外国人など多様な人材を経営にどう取り入れていくのかを考えてみましょう。
季節に応じた仕事のなかで、総務が率先して、誰もが働きやすく、しかも異なった価値観や考え方を受容できる職場風土づくりに取り組んでください。
著者プロフィール:森口ひろみ
株式会社 ファースト・アシスト代表取締役。社団法人日本産業カウンセラー協会 産業カウンセラー。1969年4月大西公認会計士事務所創立とともに入所。1971年より同事務所発展による事業拡大により総務職に就く。総務主任、総務課長、総務部長を経て、1989年10月株式会社第一会計設立とともに取締役総務部長に就任。2002年4月株式会社ファースト・アシスト代表取締役に就任。現在は総務職としての経験を生かし、クライアント企業の中期経営計画の策定、間接部門の確立・コンピテンシー人事制度の導入などを中心としたコンサルタント活動のかたわら、講演活動や女性経営者としてさまざまな異業種交流団体での活動を行っている。
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