関西電力,最大24Mbpsの電灯線アクセスを採用へ関西電力は,イスラエルのITRAN Communicationsと合弁会社を設立し,電灯線インターネットの実証実験を開始する。最大24MbpsとADSLよりも高速。
関西電力は,低圧配電線を利用した高速インターネットアクセスの実用化に向け,イスラエルの企業と合弁会社を設立する。当面は実証実験を進め,規制緩和に合わせてサービスを開始する構えだ。 一般にPowerLine Communication(PLC)と呼ばれるこの方式は,欧米などで注目が高まっているものの,国内では電化製品の低インピーダンス問題とアマチュア無線などへの干渉などから実用化が遅れている(2月13日の記事を参照)。多くの電力会社が開発を進めているが,現状ではスピード面でADSLなどと競合できるレベルにはない。 しかし,低圧配電線インターネットは,伝送距離こそ短いが,部屋の中にあるコンセントまでつながっているため,あらたに配線する必要がないというメリットがある。最寄りの電柱まで光ファイバーを敷設すれば,コストと労力を抑えて高速なインターネット接続が可能になるだろう。政府が今年度から取り組んでいる規制緩和三カ年計画にも「配電線を利用した高速インターネット通信の検討」が盛り込まれた。さらに,家電各社が低インピーダンス問題に配慮した家電製品とフィルタの開発を進めており,2002年以降の実用化を目指している。 最大24Mbpsの伝送速度とQoS 関西電力が手を組むイスラエルのITRAN Communicationsは,昨年春に米Microsoftが出資したことでも知られるPowerLineモデムのチップベンダー。とくに上位製品の「ITM10」は,FCC(米連邦通信委員会)Part15レギュレーション(2〜50MHz帯を使用)に準拠し,最大24Mbpsの伝送速度を実現するという。さらにQoSをサポートしているため,ストリーミングビデオなどブロードバンドコンテンツの伝送にも適している。 両者は,29日付けで合弁会社「ラインコム」を設立し,PLC推進にむけてネットワークおよび機器の開発を行う。実際のサービスは,通信子会社のケイ・オプティコムが担当。ケイ・オプティコムは,「eo」ブランドにFTTH,PHS,無線LAN(実験中),そしてPLCといった各種のアクセス回線をラインアップすることで,さまざまなユーザーニーズに対応することができるようになる。 「技術的な目途がたち,市場性アリと判断された時点でサービスに移すだろう。ただし,時期や料金などは全く未定だ」(ケイ・オプティコム)。 関連リンク 関連記事 [芹澤隆徳,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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