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2002年,ストリーミングシーンはどうなる?

2001年はストリーミング業界にとってどんな年だったのか? 私は「現実を見せつけられた年」だったのではないかと思っている。

【国内記事】 2001年12月27日更新

 ……そうこうするうちに年末になってしまった。今年はストリーミングが盛り上がるであろうと予想された(というより勝手に私が予想した)年であったが,けっこうハズしてしまったような気がする。ストリーミングの連載で,こんなにネタに苦しむことになるとは……。今回は年末ということで,今年1年を振り返り,同時に来年がどういう年になるか,予想してみたい。

ストリーミングは普及してるのか?

 いきなりだが,2001年はストリーミング業界(ってそんな業界,まだできていないと思うが)にとってどんな年だったのか? 私は「現実を見せつけられた年」だったのではないかと思っている。

 昨年,いや一昨年くらいから,「ストリーミングって儲かるビジネスになるんじゃないの?」と目を付けていた人達がボチボチ出始めていた。その人達は,「きっと2001年くらいにブレイクするぞ!」と話していた。が,結局ブレイクしなかった。ブレイクどころか,まだ,この新しいメディアをどう扱ったらよいか分からない,といったところではないだろうか。

「イヤ,ブロードバンドが普及すれば……」という人がいるかもしれないが,そのセリフは昨年あたりによく聞かれたものだった。そして,実際,ブロードバンドはかなりの勢いで普及した。

 ところが,ストリーミングは普及しない。そりゃそうだ。画像がちっちゃくて汚いし,パソコンに向かわなきゃ行けないし,コンテンツはつまらないんだから……。あ,言ってしまった……。業界側の人間としては,そのあたりを正直に言うのは,いけないことなのであります。

ソリューションは登場しても……

 そもそも,今年一年を振り返って,話題になったストリーミング放送というのはどれくらいあったのだろうか?

 浜崎あゆみのコンサート? ヴァニラ・スカイの記者会見?……いずれにしてもコンテンツが新鮮だというわけではない。やっていることは基本的にテレビなのである。みんなが夢見ていたストリーミングとどこがが違う……そう,今年はストリーミングの化けの皮が剥がれた年なのである。

 コンテンツサイドから見ればそういうことになるが,技術面では面白いものも登場した。最も話題を集めた技術といえば,Generic MediaのGMPS(Generic Media Publishing Service)だろう。1つのマスターファイルがあれば,どのプレイヤーでも受信できるようにするという技術。これはなかなかのものである。

 だが,これは例えていえば1台のビデオデッキでベータもVHSも再生できるようになったというもの。技術的には素晴らしいが,それでコンテンツが面白くなるワケでも,画質が向上するワケでもない。

 技術に触発されて面白いものをつくろうと思う人がいてほしいが,その数は非常に少ないだろう。せっかくGMPSのようなソリューションがあるのに,みんな,「〜を見せる」ことしか考えないのがよくない。「無料の世界」って,どうしてもこうなっちゃうんですよね。

いよいよ始まるMPEG-4時代

 なんか愚痴っぽくなってしまったが,いいニュースはある。FOMAの登場とパケットビデオの頑張りである。いや,頑張っているという表現が正しいかどうかは分からないが,パケットビデオのフォーマットは,今ではFOMAでも採用されるようになった。

 「パケットビデオのフォーマット」などと書いたが,これはMPEG-4ファイルフォーマットの中のプロファイルの1つでもある。で,MPEG-4といえば,前回の記事にも書いたとおり,にわかに動き出しつつある。

 私はこのMPEG-4系,携帯端末系というのが来年に確実に繋がっていく動きであるとにらんでいる。

 まずMPEG-4のお話。前回も書いたが,Microsoft対MPEG-4陣営という構図が固まりつつあるように思えるのだ。技術の難しいことを抜きにしても,その構図が面白いではないか。だからといってMicrosoftが簡単に負けるとは思わないが,あれくらいの「巨人」になると,それくらいの勝負のほうが面白いのだ。

 そして,AppleとRealの距離はかなり親密度を増してくると私は見ている。「誰と誰が組むか」というのは,来年の大きなポイントとなるであろう。Microsoftはどちらかというメジャーどころのコンテンツを集めるような動きに走るのだろうか?

ケータイでストリーミングが変わる?

 もう1つ,期待できるのがNTTドコモを中心とした携帯端末系である。少なくとも,NTTドコモではパケットビデオのエンコーディングシステムが使われている。あとはほかの携帯キャリアがどのフォーマットを採用してくるか,というのがポイントになる。おそらく,すべて基本はMPEG-4で,多少の方言の違いが出てくるというところではないだろうか? そこに気をつけて見ていくと面白いだろう。みんな同じフォーマットであればハッピーなような気がする。

 そして,この携帯というジャンルは,コンテンツの性格そのものを変えてしまうパワーを持っている。「パソコンで映像が見られる」と「携帯電話で映像が見られる」とは,大きく異なる。大袈裟に言えば後者はライフスタイルを変えてしまう可能性があるのだ。

 ただ,あくまでも「可能性」である。今のコンテンツのままFOMA向けに配信してもダメだと思う。じゃあ,どんなのがいいか? これがまだはっきりとは分からないのだが,怪しい,得体の知れないメディアとして育っていきそうな気がする。

 例えば……出会い系の何か,風俗系の何か,そしてテレビ電話による英会話レッスン……,イヤイヤ,私が望んでいるワケではなく,そういう可能性を持った媒体なのだと思う。なので,ストリーミングという言葉を意識しない世界が切り開かれていくであろう。

 そうなった時,パソコン側も携帯電話をターゲットにしたサービスを初めるようになるだろうし,逆に携帯電話をパソコン向けのストリーミング配信道具として活用するという手も出てくるだろう。うん,動画ケータイさえ売れればいくらでもアイデアは出てきそうだ。それが売れるのかどうか,私には判断できないが。

 そういったパーソナルなストリーミングが中心になってくると,リッチメディアを標榜していた会社が,逆に「小さい画面でどうやって何を表現するか」を研究するというおかしな現象が出てくるかもしれない。しかし,この動きは日本だけだろう。アメリカはどうなるのか? 相変わらず,メジャーな放送局,映画配給会社などのコンテンツが中心で,商売としては企業内ユースとEラーニングだけか?

 私の予想は日本は明るく,アメリカは「?」だ。たいてい,こういう予想は当たらないものだが,ケータイとMPEG-4には,十分に気をつけておいていただきたいところだ。

P.S. 来年もよろしくお願いします。

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[姉歯康ITmedia]

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