松下,ノンPC事業を強化──ブロードバンド端末などを開発

松下は,AVC社ネットワーク事業グループ傘下の4組織を統合,新たに「ITプロダクト事業部」を設立した。インターネット/ブロードバンドと言ったノンPC事業を強化するのが狙いだ。

【国内記事】 2002年1月23日更新

 松下電器産業は1月23日,AVC社の4つのIT関連組織を統合し,2月1日付けでITプロダクト事業部を発足すると発表した。将来的に,個人市場においてはインターネット端末やブロードバンド端末ノンPC分野が成長すると見込み,製品開発を効率化するために組織の一元化を図る。

 統合されるのは,AVC社ネットワーク事業グループ傘下で,企業向けPCを担当する「パーソナルコンピュータ事業部」,個人向けPC担当の「PCCビジネスユニット」,インターネットアプライアンスや業務用表示端末を担当する「インタラクティブメディア事業部」,ならびにブロードバンド端末を担当する「AVコミュニケーションSUB」。

 ITプロダクト事業部では,法人向けPC市場で「他社にないオンリーワンの製品を提供する」という「Only One戦略」や,個人向けPC市場に対して「AV連携を中心とした差別化戦略」を推進するものの,中核となるのはノンPC事業である。

まずはサービス体制を構築

 「まずは,ソリューション事業からスタートする」(ITプロダクト事業部長の山田喜彦氏)というノンPC事業では,電話機単体でインターネットアクセスが可能な「ホームIT端末」を使い,暮らし情報サービスなどを提供する。ホームIT端末は,ブラウザフォンとしての機能を強化する計画で,VoIP機能やテレビ電話機能などが付加されることになるという。


参考出品されたホームIT端末。固定電話機にインターネットアクセス機能と大型液晶ディスプレイを装備したもの。電子メールやカレンダー機能なども備える。昨年のCEATEC JAPANでも展示されていた

 ホームIT端末は,「最初は,ナローバンドでも利用できるサービスを想定している」(山田氏)というインターネットアプライアンス。一方,ITプロダクト事業部では5Mbps程度のブロードバンド環境を想定した製品として「ブロードバンドTVチューナー」の開発を進めている。

 ブロードバンドTVチューナーも,CEATEC JAPANで参考出品されていたもの。その時点では,HDDレコーディング機能の搭載については微妙な発言をしていたが,今回,正式にHDDが搭載されることが決まった。HDD容量については「現時点では確定していない」(同社)。価格は,15〜20万円程度になりそうだという。製品化は,2002年秋頃の予定だ。


松下のブロードバンドTVチューナー。ブロードバンド放送向けのSTB(セットトップボックス)という位置付けの製品だが,もちろん,タイムシフト視聴といったHDDレコーダーとしての機能も備える。電子メールで外出先から番組録画予約も可能

 また松下では,ISAOの提供する総合テレビガイドサイト「ON TV JAPAN」,ならびにアイエム・ネットワークス・ジャパンのインターネットラジオサービス「iM Radio」と提携,ブロードバンドTVチューナー向けにカスタマイズされたサービスを提供する予定だ。ある程度パッケージ化されたサービスを用意することで,「利用者の操作をシンプルにし,簡単に楽しめるようにする」(松下)。

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[中村琢磨,ITmedia]

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