NTT“フレッツ・新サービス”が抱える悩みNTT東日本が地域IP網を利用して提供する各種のフレッツサービス。“新サービス続々登場”を謳う同社だが,解決しなければならない問題がいくつか存在するようだ。
NTT東日本が,地域IP網を利用したサービスを拡充している。昨年11月末からコンテンツ配信代行サービス「フレッツ・オンデマンド」(11月7日の記事参照)を開始したほか,IPテレビ電話サービス「フレッツ・コネクト」(仮称:10月7日の記事参照)も提供予定。しかし,これら新しいフレッツ・サービスには,いくつか問題も存在するようだ。
フレッツ・コネクト“大幅延期”のワケまずはフレッツ・コネクト。当初,2001年10月19日から3カ月間とされていた試験サービス期間が,2002年7月31日まで延長された。当然,商用サービスの開始時期も延期されることになる。 この理由についてNTT東日本のホームページには,“サービスの利便性を向上させた上で更に試験を行うため”と記載されている。具体的には,「現在はWindows XPに対応するよう,開発を進めているところだ」(NTT東日本のフレッツ・コネクト担当者)。 しかし,別の担当者は「ビジネスモデルの面で,まだ課題がある」と話す。 「フレッツ・コネクトでは地域IP網を利用するため,県をまたいで(県間での)テレビ電話ができない。だが,テレビ電話がヘビーに使われるのは,むしろ遠距離通話の場合ではないか」。 例えば,遠隔地にいる孫の顔を見たいというケースや,遠く離れた場所にいる恋人と話したい,といったケースなど。しかし,NTT法の規制を受けるNTT地域会社は(11月28日の記事参照),県をまたぐサービスを提供できない。こうしたニーズを満たせないのが,つらいところだ。
フレッツ・オンデマンド視聴までの道のりフレッツ・オンデマンドについても,課題は残されている。例えば,現状ではせっかくの有料コンテンツも,ADSLタイプ2,およびBフレッツユーザーは視聴できない。 この理由は単純で,「電話重畳サービスのユーザーでないと,電話の請求書を送れないため」(NTT東日本広報)。フレッツ・オンデマンドでは有料コンテンツの料金を,加入者電話の回線使用料と一括して請求する。一見すると強みにも見えるこの特徴が,マイナスに働いたわけだ。 また,フレッツ・オンデマンドでは,コンテンツ視聴時に,普段利用するISPから地域IP網にネットワークの接続を切り替えなければならないが,この点も改善の余地があるという。 「現在は,接続先を半ば自動的に切り替えるソフト『フレッツ・マネージャ』などを利用している。しかし,使い方がよく分からないユーザーもいるようだ」(NTT東日本)。同社では,操作手順について,いっそうの周知活動を行うという。 NTT東日本広報は,「たとえば,Bフレッツ ベーシックのユーザーなら,2セッションを同時に張ることができる。このうち1本をインターネット用に,もう1本を地域IP網用に使えばいい」と話す。ただし,これが実現しても,現状で多数を占めるADSLユーザーは取り残されてしまうことになるだろう。
“NTTならでは”の問題点こうした問題は,いずれもNTT法による規制と密接な関係がある。フレッツ・コネクトについては前述のとおりだし,接続切り替えについては,「NTTはISP,ASP事業を行ってはならない」という規制が絡む。NTT東日本がISPとして事業を行い,ユーザーがそれを使っているならば,接続先を変更する必要は生じなかったわけだ。 もちろん,強大なインフラを持つNTTの事業について,ある程度の制約はしかたがない。とはいえ,新しいフレッツ・サービスに乗り出す同社は,しばらく“NTTならでは”の問題にも悩まされることになりそうだ。
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