BIGLOBEなど4社が提携――“ISP連合”の結集軸にBIGLOBEが,その狙いを実現させつつある。KDDIや日本テレコム,松下電器を誘い,ブロードバンド事業分野においてコンソーシアムを設立する。
総会員数1000万人超をうたう,ISP業界の一大勢力が誕生した。4月22日,KDDI,日本テレコム,NEC,松下電器産業の4社はブロードバンド事業で連携し,「メガコンソーシアム」(仮称)を設立することに合意した。BIGLOBE側が以前から主張しているISP連合(4月10日の記事参照)の呼びかけに,各社が応えたかたち。
コンソーシアムはオープンにして,ほかの事業者にも参加を呼びかける。各ISPのブランドは残したまま,事業を行うという。 具体的には,各ISPのバックボーンやiDC(インターネットデータセンター),サービスプラットフォームなどを相互に活用して投資の効率化を図る。また,コンテンツを共同調達・管理することで品揃えの拡充とコストメリットが見込めるほか,新サービスの共同開発,ポイント制度の連携なども予定しているという。 NECソリューションズの芳山常務は「まだ4社の合意を得ていないが」と断った上で「秋頃には4社間でIM(インスタント・メッセンジャー)が使えるようにしたい」とコメント。「その頃には,IP電話に関連した動きもあるだろう」と,1000万人の会員間でコミュニケーションサービスを展開する青写真を描いた。
ADSLユーザーの2割?提携のきっかけを聞かれた芳山常務は,「そりゃあ,例のSo-netと@Niftyの報道(12月28日の記事参照)だな……」と口ごもる。 「それが直接の原因になった,ということはないが,(提携に向けた動きが始まったのは)時期的には同じくらいだ」。ISP連合の流れに取り残されてはと,各社が危機感を持ったようだ。 BIGLOBEのADSL加入者数は,3月末時点で17万人。4社あわせたADSLユーザーの数は非公開とされたが,相応の数になったことが予想される。 「ADSL加入者の20%ほどのシェアを獲得できるようなら(3月末のADSL加入者数は237万人),コンテンツホルダーとも交渉しやすくなる」(松下電器産業の木村室長)。
具体的な展開はまだもっともこの発表,サービスの詳細は見えてこない部分が多い。今後の展開は,5月下旬にコンソーシアムを設立し,6月から活動を開始する,としか決めていない。「活動というのは,事業内容の検討を始めること」(芳山常務)。 NECソリューションズはコンテンツ配信で「コンソーシアム側で代表してサービスを用意し,各社の課金インフラで共通配信することもありうる」と話す。ただし,そこで上がった利益の分配方法などは,「これから話し合う」。 IP電話なども「いずれ相互接続するのは流れだが……料金設定などは,(決めるのが)難しい」(日本テレコムの片岡常務)。松下電器産業の木村室長は同じ質問に,はっきり「全然どうなるか見えていない」と話した。
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