ニュース 2002年5月29日 01:51 AM 更新

livedoor、新サービス追加で“生き残り”へ

競争の激しいブロードバンド業界では、無料ISPも生き残りへ向けた、積極的な取り組みが要求されるようだ。ライブドアは新サービスを展開し、黒字化を目指す

 公衆回線交換網によるインターネット接続を事業の基本とする無料ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)にとって、ADSL普及によるユーザー環境の変化は脅威。ライブドアは5月29日、新サービスを発表するとともに、現在展開中の施策を含め、今後の事業戦略について話した。


ライブドアの前刀禎明社長兼CEO

 この日、発表された新サービスは2つ。1つは「livedoor無料ベーシックサービス」に追加されるもので、専用接続ソフトウェアなしでもネット接続を可能にした「Non Clientアクセス」。「livedoor.com」内に開設されたオンラインサインアップページから入会手続き・ユーザー登録できるサービスで、ソフトが対応していなかったために利用できなかったMacintoshやPocket PC、PS2などでも利用できる。

 2つ目は、ユーザー登録不要の無料サービス「livedoor OneID」だ。これは全ユーザー共通のID“one@one”とパスワード“one”を入力することで、電話料金を支払うだけでインターネットに接続できるというもの。純粋にインターネット接続のみを提供し、こちらもMacintoshなど幅広いプラットフォームに対応する。

 「従来はWindowsのみの対応だったが、これで高い汎用性を実現できる。livedoorはOSの制約がない、“究極のセカンド・プロバイダ”になる」(前刀社長)。

2003年7月に通期黒字に

 前刀社長はISPが置かれた現状を厳しいと認めた上で、経営体質の改善に向けたさまざまな取り組みを行っているという。

 現在、同社の主な収入源となっているのは、アクセスポイントを無料で通信事業者に提供するかわりに、電話料金の一部を還元してもらう「利用促進費」。ほかに、広告収入やDBマーケティングなどが挙げられる。

 前刀社長は、これらの部門で収益を最大化するとともに、組織をダウンサイジングして収益性を向上させると話す。同社の社員は昨年のピーク時で70人ほどいたが、今年に入ってそれを約半数にまで削減。組織を再編してきた。その上で、本日発表した新サービスを開始し、事業を好転させたい考えだ。

 同社の会員は現在、150万人に達する。年末に向け200万人を目標にするとともに、2002年11月には単月黒字を達成したい考え。2003年7月の決算までには、通期の黒字化を目指すと話した。

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[杉浦正武, ITmedia]

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