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2002年9月6日 03:16 AM 更新
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Windows Media Player 9(β)の仕上がり具合(4/4)
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WMT9の課題は周辺環境
このように、単にプレーヤーとして見たとき、WMP9は非常に強力な製品に仕上がった。もちろん、WMT9でサポートされた高品質オーディオや高品質ビデオも魅力の1つだが、今のところは新たにサポートされた高音質メディアを自分で作る手段がない。またマルチチャンネルオーディオに関しては、SACDやDVD-Audioでさえタイトル数が少なく、あまり出回っていないという事情もある。これがHDTVクラスの映像データ、そして日本向けコンテンツとなるとなおさらだ。
また、高品質のマルチチャンネルオーディオデータを活かした再生を行える環境を持っているPCユーザーはほとんどいないだろう。24bit/96kHzに対応したサウンドデバイスは、PC用としては一般的ではないからだ。さらに5.1チャンネル再生環境を持つユーザーとなると、さらに少なくなってしまう。
たとえば、ドルビーデジタルやDTSに対応したAVアンプに接続している人も、そのままではマルチチャンネルオーディオを再生できない。PCでデコードした6チャンネル分のオーディオデータを出力できるデバイスが必要になる。近い将来、USB 2.0対応のマルチチャンネルオーディオデバイスなどが登場するはずだが、それが一般的になるまでにはもう少し時間がかかるだろう。
しかし、コンシューマーAV機器のフォーマット品質を後追いするのではなく、次世代のオーディオやビデオと肩を並べるところまでクオリティを上げ、PCをAVのメインストリームに上げようとする努力は評価したい。すぐにそうした高品質のフォーマットがマスへと成長することはないかもしれないが、ここまでに紹介したように、一般的な用途なら使いやすさもWMP9の中で実現している。これぐらいの品質でWMPをアップデートしていけば、ユーザーもWMTの見方を変えてくるかもしれない。
Windows XPのスピーカー構成には、5.1チャンネル、7.1チャンネルなどのマルチチャンネル構成もあらかじめ組み込まれているが、肝心のハードウェアがあまり普及していない。なお、スピーカー構成で2チャンネルや4チャンネルのものを選んでおくと、マルチチャンネルオーディオ再生時には自動的にミックスダウンされるそうだ
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[本田雅一, ITmedia]
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