ニュース 2002年10月16日 00:38 AM 更新

コンテンツで勝負するエキサイトの「戦略」

接続料は安価に設定して、コンテンツで稼ぐ。その収益モデルを実現するために、エキサイトはどのような戦略を用意しているのだろうか

 “月額500円から”という接続料設定で、ADSLサービス「BB.excite」を展開するエキサイト(記事参照)。同社は接続料での収益に頼らず、有料コンテンツの配信や、広告モデルによって事業を成り立たせる考えだ。しかし、現状ではこれを実現するために、さまざまな工夫が必要となる。

 16日に開幕したWPC EXPO 2002のセミナー「ブロードバンド最前線 ISPのサービスはこうなる」では、エキサイトのエンタテインメント事業部長、坂本孝治氏が登場。同社の戦略を説明した。


エキサイトの坂本孝治氏。「接続料の500円は、ほぼ原価。これによる収益は想定していない」とキッパリ

 坂本氏は、ブロードバンドを活用した動画配信サービスは、やはり魅力的だと話す。しかし一方で、業界全体としてコンテンツ配信事業が「思ったより伸びていない」ことも認める。

 「いくらPCのバーチャルな世界でフルスクリーン、高画質な映像を配信しても、リアルの世界(の既存ビジネス)にはかなわない」(同)。ユーザーは、アーティストのライブストリーミング映像よりも実際のコンサートを、オンデマンドの映画コンテンツ配信より劇場での映画鑑賞を選ぶという。

 ただし坂本氏は、ブロードバンドコンテンツを無理に既存ビジネスに置き換えようとする発想が間違いだったと話す。

 同氏がヒントを得たのは、今春、エイベックスと共同で相川七瀬のライブ映像を配信した時のこと。この時、コンテンツを視聴した約3000人のうち、多くが実際にライブに足を運んだ人間だったという。

 「ライブに行って感動したユーザーは、すぐにそれを再び見たいと思うもの。ライブの裏側などを撮影したコンテンツを付加価値にして配信すれば、ユーザーの興味をひくことができる」(同)。アーティストのDVDなどの一部映像や、メイキングムービーを配信することも有効だ。ユーザーがそのDVDを購入することにつながり、ファンとしての“囲い込み”が強化されるという。

 坂本氏は従来、コンテンツのブロードバンド配信にいい顔をしなかった各著作権者たちからも、こうした付加価値のあるコンテンツ配信については好評価を得ているとした。

常時接続生かす「エイベックスネットラジオ」

 坂本氏はまた、常時接続の魅力を生かすコンテンツとして「音楽配信」を挙げる。64Kbps以上の帯域があれば配信が可能な上、ほかのアプリケーションを利用していても“ながら視聴”ができるのがその理由だ。

 同氏が紹介したのは、ウェブベースのラジオプレーヤーをデスクトップに立ち上げておく「エイベックスネットラジオ」。プレーヤーを起動したユーザーには、「楽曲」「音声広告+下画面のバナー広告」が間断なく配信される。


 「最新の楽曲がフルコーラスで視聴できる。アーティストの楽曲配信中、カバーアートをクリックすると楽曲のダウンロード購入ページにジャンプして、ECへ誘導する仕様になっている」(同)。

 プレーヤーに用意された「CD INFO」ボタンをクリックすることで、音楽情報を取得することも可能。「友だちに知らせる」ボタン(プレーヤー起動URLを送信する)によって、クチコミのマーケティング効果も期待できるという。

 坂本氏はこうした、“リアルとの連動”“ネットならではのコミュニティ機能”などが成功するために必要だと指摘。なかなか立ち上がれないでいるブロードバンドコンテンツ業界にあって、新しいビジネススキームを構築すると自信をみせた。

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関連リンク
▼ BB.excite接続サービス
▼ 特集:WPC EXPO 2002

[杉浦正武, ITmedia]

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