NTT東西の接続料改正案が明らかになった。「ZC接続料の値上げ」「東西での均一料金設定」「精算スキームの導入」など、見どころは多い
情報通信審議会は、総務大臣から「接続料規則の一部を改正する省令案」について諮問を受けたと発表した。ZC接続料の値上げや、東西均一接続料の設定、実績トラフィックが現実と乖離した場合の精算スキームの導入など、見どころが多い内容となっている。 改正案は、2003年度および2004年度に適用される見込み。より客観的な接続料算定を目指す「長期増分費用モデル」(LRIC:記事参照)の見直しを踏まえたもので、従来からの変更点などは、総務省のホームページで確認できる。 ZC接続料は「上げ」、GC接続料は「下げ」まず、加入者交換機接続(GC接続)と、中継交換機接続(ZC接続)の料金が、改正案によってどのように変化するのか見てみよう(いずれも3分あたり)。
これを見ると、GC接続料こそ若干下がっているものの、ZC接続料が値上げとなっているのに気付く。ZC接続といえば、事業者とNTT網との接続ポイントを少なく抑えられるのが利点。平成電電やメディアといった、マイライン後発事業者に多く採用されている。当然、そうした事業者にとっては、今回の値上げは打撃になる。 ケーブル・アンド・ワイヤレスIDCは17日、「海外と比較しても、ZC接続料は高い」と批判するコメントを発表。接続料の値上げは、消費者の利益を著しく損なうとした。 ニ転三転? 接続料は「東西均一」上記の接続料は、東西地域会社で“均一”なものとして設定された。昨年9月の情報通信審議会の答申では、「東西別料金」が検討されていたが、これを覆したことになる。 NTT東西の均一料金に関しては、2月12日に一部の消費者団体および学識経験者から、東西別料金を求める声明が、総務大臣宛に提出されている。一方で、地方公共団体および経済団体を中心に、東西均一料金を求める要望書も、総務大臣に提出されており、議論が続いている。 改正案では、東西別料金にした場合、エンドユーザーレベルで生じる価格差が大きすぎると判断。「電話サービスが国民にとって不可欠な、基礎的な通信手段であることから、(中略)接続料についても東西均一とすべき」との見方を発表している。 仮に東西別料金にした場合の、LRICベースによる接続料試算結果(3分あたり)
「精算」のスキームを導入改正案では、接続料が実態に合わない場合に、後で行われるべき精算のあり方にも言及している。 今回示された接続料は、2001年度下期と2002年度上期のトラフィックを通年化した「実績トラフィック」を用いて算定されている。しかしこの実績トラフィックと、現実のトラフィックが大幅に乖離した場合、なんらかのかたちで精算する必要があるとして、そのスキームが検討されてきた。 改正案によると、精算の“発動要件”は、両トラフィックが±15%を超えて乖離した場合。総務省のページに公開されている計算式に従って、精算額が決定されると、附則に規定された。 情報通信審議会は今後、改正案に対して3月14日まで意見募集を行う予定。その後、調査審議を行い、総務大臣に答申を行う。 関連記事![]() ![]() ![]() 関連リンク ![]() [杉浦正武,ITmedia] ![]() モバイルショップ
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