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2003/05/15 22:29:00 更新 |
無線LAN倶楽部も「モバイルVoIP」トライアル
NTT-BPは5月15日から7月14日まで、「無線LAN倶楽部」でモバイルIP電話のトライアルサービスを実施する。SIPソフトウェアには米VLの「Gphone」を採用
NTT-BPは5月15日から7月14日まで、公衆無線LANサービス「無線LAN倶楽部」で、モバイルIP電話のトライアルサービスを実施すると発表した。無線LAN倶楽部に契約しているユーザーが対象で、登録すれば無料で利用できる。参加にあたっては、PDAもしくはPCに、ソフトウェアをインストールする。
NTT-BPは以前から、モバイルIP電話に意欲的だった。昨年末には既にサービス実施を表明していたが(記事参照)、今回それを実現させたかたち。PDAを利用したIP電話のトライアルサービスとしては、ほかにNTT-MEの「NeoMobile」(記事参照)や、Linuxザウルスを用いたシャープとソフトフロントの取り組み(記事参照)などがある。
米VLの「Gphone」を採用
VoIPソフトウェアには、米VLのSIPソフト「Pocket Gphone」「PC Gphone」を採用した。VLは、2000年8月に米シリコンバレーに設立されたモバイルコミュニケーションソフトウェアの開発ベンダーだ。
Pocket Gphone 2.0のインタフェース(米VLのサイトより抜粋)
Pocket Gphoneは、理論遅延値が50msec.と少ない点が特徴。Buddyサーバを立てることで“NAT越え”を実現するほか、GUIから通話相手のIPアドレスを入力せず、発信できるという(下写真参照)。ほかに、通話中でもファイル送受信、テキストチャットなどの機能を利用できる。
GUIから、登録された友人に電話をかけることが可能(左)。アイコンの色で、相手のステータスが分かる。テキストチャットを行うこともできる(右)
音声コーデックはG.711、G.729、GSM 6.10に対応。米VLは、32Kbps以上の安定速度が保てる環境なら、問題なく動作するとうたっている。
NTT-BPは現在、無線LAN倶楽部のサイト上で、参加登録を受け付けている。ここでユーザーIDを入力すれば、Gphoneをダウンロードできる仕組み。Gphoneをインストール後、オンラインサインアップを行うと12桁の数字が発行されるが、これが電話番号に相当することになる。
トライアルでは、音声品質や遅延などの特性評価を行う予定。また、鉄道会社社員の業務用途での利用可能性の検証なども行われる予定だ。
なお、NTT-BPは同日、ネット接続やメール送受信の際に必要となるユーザー認証手順を簡略化する、「インターネット自動接続用ファイル」の配布も開始している。ダウンロードページはこちら。
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無線LAN倶楽部
[杉浦正武,ITmedia]