ニュース 2002年10月21日 10:15 PM 更新

ホットスポットで無線IP電話――NTT-MEがトライアル

NTT-MEは、ホットスポットサービス「NeoMobile」実証実験の一環として、PDA端末を用いた無線IP電話サービスのフィールド実験を開始する

 NTT-MEは10月23日から12月まで、公衆無線LANサービス「NeoMobile」(記事参照)を利用した、無線IP電話サービスのフィールド実験を行う。PDA端末からアクセスポイントに接続後、SIPソフトウェアを起動してVoIP通信するというもの。10月21日以降、NeoMobileモニター登録者を対象に、500人程度のモニターを募集する予定だ(サイト参照)。


トライアルでは、日本ヒューレット・パッカード(HP)のPocket PC 2002対応端末と、日立製作所(日立)の「NPD-10JWL」が利用される

 モニターは「HPコース」もしくは「日立コース」に登録すれば、無料での通話が可能となる(*一部制限あり、下表注釈参照)。サービス利用にあたっては、HPコースではインターネット経由、日立コースではCD-ROM経由で、それぞれ専用ソフトウェアをインストールする必要がある。

 各端末には「850」もしくは「810」で始まる8桁の専用IP電話番号が割り振られており、端末間で無料通話が行えるほか、一部の一般加入電話へ発信できる。HPコースでは、携帯電話への発信や、一般電話からの着信も可能になっている。

・各コースのサービス概要

コース名HPコース日立コース
利用端末Pocket PC 2002対応機NPD-10JWL
募集方法サイト受け付け同端末を無償貸与中のユーザーにメール送付
料金無料(上限2000円相当)無料
発信できる相手登録PDA端末/「03」「04」地域の加入電話/携帯電話・PHS登録PDA端末/「03」「04」地域の加入電話
着信を受けられる相手登録PDA端末/加入電話登録PDA端末のみ

*一通話あたりの接続時間は、最大60分まで。また、HPコースでは、“加入電話への発信:3分10円”などと設定した上で、2000円分まで無料というかたちとなる。それを使い切ると、無料設定サービスのみ利用可能


NPD-10JWLでの、SIPソフトウェア起動画面

 HPコースでは、IVR(Interactive Voice Response)システムを構築することで、加入電話からの着信を実現している。発信側は専用アクセスポイントに接続後、そこでの音声ガイダンスに従って、PDA端末のIP電話番号を入力する仕組み。「2コース間で利用条件に違いがあるのは、それによってどのような変化が生じるか判断するため」(NTT-MEのサービスイノベーション本部、高内利政課長)。

 なお、トライアルサービス開始にあたって、NeoMobileモニター登録者に限り「iPAQ Pocket PC H3850/3950」などを特別価格で販売するキャンペーンも行われる予定。11月下旬よりこちらから申し込みを受け付ける。

「十分な品質を保証できる」

 NTT-MEはVoIPサービスでは、十分なネットワーク管理を行える構成になっていると話す。「IP-VPNからXePhioneの基幹網に接続することで、オープンなインターネットを利用しない。ネットワークコーデックにはG.711を利用し、高音質を実現している」(NTT-ME)。

 同社は総務省が申請受け付けを開始している、IP電話の「050番号」も取得する予定。「(通話品質を規定する)R値については、無線区間の通信状態にもよるので一概に言えない」(前出の高内氏)が、基本的にADSLなどを利用した有線のIP電話と音質が変わらないとした。

 もちろん、課題も多い。たとえばPDA端末は、そもそも音声通話に向かないというのが、その1つ。「iPAQ Pocket PCで見ても、マイクとスピーカーの位置が近すぎて、ノイズが入りやすい。実際に通話する際は、ヘッドフォンやイヤホンマイクの使用が必須だろう」(高内氏)。無線LANにつないだ状態では、PDA端末のバッテリは1〜2時間しか持たないことも課題となる。

 また、NeoMobileの利用エリアもそれほど多くない状況。現在、同社がアクセスポイントを設置している場所は、東武鉄道の各駅、相模鉄道の各駅、「am/pm」1番町本社ビル店など、計41カ所となっている。「商用サービス展開時は、(相互乗り入れを行っている)NTT-BPの『無線LAN倶楽部』のアクセスポイントでも、無線VoIPを行えるようにする(記事参照)」(NTT-ME)。

 発表では、商用サービスの具体的な時期は明らかにされなかった。ただし想定している提供料金は、「NeoMobileの月額基本料に、1000円程度の上乗せを想定している。加入電話への発信は、3分10円程度になるだろう」とした。

関連記事
▼ NTT-MEもホットスポット ポイントは「オープン型」
▼ NTT-ME、IP電話戦略にテコ入れ 値下げも?
▼ NTT-MEとNEC、IP電話のコンシューマー販売に本腰
▼ NTT東系「無線LAN倶楽部」とNTT-ME「ネオモバイル」が相互乗り入れ

関連リンク
▼ NTT-ME

[杉浦正武, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!