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2003/05/22 23:59:00 更新 |
ビジネスシヨウ2003レポート
NTT、P2P型ライブ映像配信システムを展示
ビジネスシヨウ2003、NTT東日本のブースではP2P型ライブ映像配信システムを見ることができた。P2Pソフトウェアをインストールした端末間で、映像をリレー転送するという
ビジネスシヨウ2003会場で、NTT東日本のブースではP2P型ライブ映像配信システムを見ることができた。これは、独自のP2Pソフトウェアをクライアント端末、および管理サーバに組み込むことで、負荷を分散しつつ、多地点に映像を伝送できるシステム。足回りにBフレッツの回線を利用し、MPEG-2・6Mbpsクラスの映像を伝送できるという。
ライブ映像の配信側は、まずP2Pソフトウェアをインストールした、数台のクライアント端末に映像を伝送する。このとき、データを受信したクライアント端末は、ネットワーク上にある別のクライアント端末に、映像をリレー転送する。このリレーが、次々と繰り返されることで、負荷の一極集中を起こさずに映像を配信できる。
映像を受信した、2台のクライアント端末。リレー形式で映像を伝えるため、伝わる順番によって微妙に“時差”が発生している(時刻に注目:クリックで拡大)
各クライアント端末は、管理サーバに問い合わせを行い、認証、および転送ルートの構成を行う。つまり、中央サーバを持った“Napster型”のP2P方式といえる。IPsecによる暗号化にも対応しており、高いセキュリティを確保できるという。
単に、ネットワークに負荷をかけずにライブ映像を伝送するなら、IPマルチキャストを行うことも考えられる。しかしその場合、UDPを利用するため、パケットロスなどを補償する再送機能がない。本システムでは、パケットの再送制御が可能なほか、管理サーバがネットワークの状況を把握するため、配信ルートを冗長化させたり、障害発生時に配信経路を自動で切り換えたりといったことも行える。
管理サーバ側の画面。クライアント端末がどうネットワークを構成しているか、確認できる
もっとも、リレー転送があまりに連続すると、クライアント端末間の時差が大きくなってしまう。「このため、(アイドルのコンサートなど)B2Cの大規模なサービスには向いていないかもしれない。まずはB2Bからと考えている」(説明員)。
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NTT東日本
[杉浦正武,ITmedia]