リビング+:ニュース 2003/06/10 23:50:00 更新


無線LANの“バケツリレー”はITSで花開く?

1つのクライアントが通信を始めると、通信範囲内にある別のクライアントが中継して“バケツリレー”式の通信を行うMesh Network。これを高度道路交通システム(ITS)に利用すると?

 無線LANのカバー範囲を広げ、次世代のネットワーク技術ともいわれるMesh Network。伊藤忠商事は、これをITS(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)の通信インフラとして提案している。

 Mesh Networkは、複数の無線デバイスが相互に接続して網目状(メッシュ)のネットワークを構成する技術だ。通常の無線LANでは、アクセスポイントを中心にクライアントPCがツリー状に“ぶら下がる”のに対し、Mesh Networkでは1つのクライアントが通信を始めると、通信範囲内にある別の端末が中継、“バケツリレー”式の通信を行う。

 Mesh Networkのメリットは、中継によってアクセスポイントの設置個所を削減できるネットワークの効率化、ノートPCなど移動できる端末を中継点にすることで迅速な伝送エリア拡大が可能なこと、そして端末の送信出力をおさえて電力消費を低くできることなど。

 4月末に米MeshNetworksと提携した伊藤忠商事は、国内市場に向けて同社のMesh Network製品を販売する。MeshNetworksの技術は米国の軍事技術を民生機に転用したもので、IEEE 802.11bなどと同じ2.4GHz帯で使用した場合、約1.5kmの範囲で2Mbps程度の通信が行えるという(ただし、日本では送信出力の上限が10mWのため、500m〜1kmとなる)。さらに、時速400kmまでの移動体通信にも利用できるため、走行中の電車から外のアクセスポイントに接続することも可能だ。

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ルータ機能を持つワイヤレス・モデムカード「WMC6300」。PCカードType IIに対応
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インテリジェント・アクセスポイント「IAP6300」。セルフバランシング機能によりトラフィックの集中を回避し、安定した通信を可能にする

 しかし、Mesh Networkをモバイルインターネット接続サービスに適用するのはまだ難がある。たとえ送信出力はおさえることができても、中継する端末のほうは電力を消費するからだ。逆に自分が中継点になることもあるわけで、少なくともPDAやノートPCのようなバッテリー容量に余裕のない端末では難しい。

 そこで伊藤忠商事が目を付けたのは、ITSの通信手段としてMesh Networkを利用すること。「自動車ならバッテリー消費は問題にならない。高速移動に対応していることもあわせ、Mesh Networkに適した用途となる」(同社)。

 また、移動可能なノードを多数用意すれば、長い距離も一気に伝送できるメリットを活かし、「災害発生時に断絶したネットワークを復旧する手段」としてもMesh Networkは有効という。同社では、「今夏にも国内に実験できる環境を整え、採用を検討している企業に検証の場を提供する方針だ」と話している。

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ITSに利用した場合のイメージ図(出典は米Mesh Networks)。自動車のほかに信号機や標識にも無線LANを内蔵。事故発生時には当該車両や最寄りの信号から情報を発信し、信号機を赤に変えたり、電光標識に警告を表示したりといったインテリジェントネットワークを構築できるという

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▼“コンセプト”から“基盤整備”へと移るインターネットITS

関連リンク
▼ニュースリリース(米MeshNetworks)

[芹澤隆徳,ITmedia]



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