リビング＋：もっと癒して、IT機器で

リビング＋：特集

2003/06/20 17:40:00 更新

特集：ITでこころ・からだ健康に
もっと癒して、IT機器で

最終回は少し趣向を変えて、“癒し系IT機器”とでもいうべき製品群を紹介してみたい。「メンタルへルスケア・ジャパン2003」展示会場では、興味深い製品が目白押し？

　本特集「ITでこころ・からだ健康に」では、IT技術やネットワークを活用してQoL（クオリティー・オブ・ライフ）を向上させる取り組みを、さまざまに紹介してきた。最終回は少し趣向を変えて、“癒し系IT機器”とでもいうべき製品群を紹介してみたい。

　特集記事でも触れたが、6月10日から12日にかけて、都立産業貿易センターで「メンタルへルスケア・ジャパン2003」が開催された。この会場で、興味深い機器を複数見かけたので、取り上げてみよう。

お疲れ度をチェック！

　会場には、各メーカーが健康機器やリフレッシュ製品を揃えていた。中でも目をひいたのが、日本ブライダルセンターのブース。なにやら銀のレバーが2つならんでおり、それを握ることで健康状態が分かるというのだが……

これが健康測定機器。なんとなく、旅館とかに置いてありそうではある

測定風景。頭に金属製の突起物が付いたヘアバンドを装着する。けっこう、額にぐりぐりと押し当てられて、痛い

　同機器では、レバーを両手で持ち、台座に素足で立ち、さらに頭部にヘアバンドを装着することで、肩や腰を含む全身7カ所の血流を測定する。「よく、体脂肪測定体重計などがあるが、あれと原理は同じ。血流量や発汗量などから、体内の興奮状態を測定する」（説明員）。

　記者も試してみたところ、2分ほどして“内向的状態”という不審な表示が。たちまち説明員が、ほかの来場者をつかまえて「ほら見てごらんなさい、こんな風に体内バランスが悪い人もいる！」。……記者のメンタルヘルスは、大いに損なわれた。

　同社ブースではほかに、なにやら大掛かりな装置も用意されていた。

ぱっくりと口を開ける、大規模な装置。なにやら、近頃はやりの「Matrix」に登場しそうでもある

ユーザーはこのようにすっぽりとカプセルの中に入る。意識の奥では、エージェント・スミスとの戦闘が繰り広げられている……というようなことは、たぶんない

　これは、“究極のリラクゼーション＆ダイエットカプセル”こと、「アルファ21DX」。「人間の五感のうち、味覚以外のすべてを刺激する」（説明員）とのことで、快適な音と光に身をゆだね、香ばしい香りと温かさに抱かれながら、心地よい揺れに横たわる。まるで、宇宙をさまようようなヒーリングシーンを満喫できる――。のだそうだ。

　横文字を使って説明するなら、同装置はドライサウナ、バイブレーションマッサージ、アロマテラピー、ミュージック・テラピー、イオン化クールエアーなどの機能を備える。同社はこれを、サウナや健康ランドなどに設置してもらいたい考えだ。

オフィスで使える？　ストレス解消機器

　同様のヒーリングシステムは、会場のあちこちで見ることができた。パピルス／日本芳香療法協会のブースにあった「光フィードバック・チェッキングシステム」も、その1つ。

　こちらはα波測定器を利用し、利用者を最適な状態に誘導するというもの。検出された脳波からα波だけを光信号に変換し、光刺激とα波ゆらぎを同調させて、短時間でα波ゆらぎを増強させて、深いリラックス状態へ誘導するという。

　ほかに、アロマテラピーや心地良い音楽を組み合わせることも有効。なかなか興味深いシステムだが、α波測定器や脳波分岐ボックスなどを合わせると、ゆうに20万円を超える価格になる点が課題だろうか。

　記者が個人的に、最も気にいったのはコクヨブースのオフィスチェアー。

一見して、普通の椅子。しかし実は、驚くべき機能を秘めている

　なんの変哲もない椅子に、記者は最初「ああ、職場でも同じものを使っていますよ」と話しかけた。しかし説明員はニヤリと笑いながら、「まあ、座ってみてください」と促す。

　どんな仕掛けがあるのか、といぶかりながら椅子に腰掛けると……。「どうです？　分かりますか？」

　そう、実はお尻があたる部分がゆっくり、ごくゆっくりではあるが動いているのだ。座席の下にプレートがあり、それが前後に傾くようなイメージだろうか。「これにより、作業中の姿勢を微妙に変えて、肩こりや目の疲れなどを軽減できる」（説明員）。製品はあくまで参考出展とのことだが、記者は1台ほしいと思ったのだった。