リビング+:レビュー 2003/06/24 15:55:00 更新

レビュー:家でも外でも使いたいPDA
sigmarion III、ザウルス、CLIEの動画再生機能を検証 (1/3)

PDAはもともとスケジューラやアドレス帳といったPIM機能を柱としていた。しかし、時代は流れ、マルチメディアプレーヤー機能は、PDAの重要な一要素となりつつある。「音楽を聴く」「動画を観る」「書物を読む」「Webをブラウズする」といった用途がPDAでも当たり前になったのだ。ここでは、当チャンネルならではの視点でPDAレビューを行ってみよう。
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 もともとノートPCは持ち歩かず、PDAですませたいタイプなのだが、実はいま、sigmarion IIIとザウルスSL-C750の両方を携帯している。Webブラウズやメールなどの通信、および文書入力に関しては前者、MP3音楽再生やブンコビューアでの読書は後者、と使い分けているのだ。まあ、別にどっちか片方があればこれらすべての機能はカバーできるのだが、買ってしまったものはしょうがない。それに当然ながら、バッテリの心配をほとんどしなくてすむようになったのと、CFスロットを通信カードと大容量メモリカードとで差し替える手間もなくなり(双方とも単体でもSDを使えば問題にならないが、256〜512Mバイトクラスになると価格差はまだまだ大きいから)、当たり前なのか意外なのかよくわからない部分で快適さを満喫している。

 さて、こんなことを書いていると、モバイルチャンネルと間違われそうなので、さっそく本題に入ろう。この最新2機種が手元にあるということで、さらに新型CLIE PEG-NX73Vも加え、今回は当チャンネルならではの視点でのPDAレビューを行ってみた。その中心となるのは、テレビ録画機能を搭載したPCなどと連携しての動画再生再生機能だ。サードパーティ製の動画再生アプリケーションを利用する手もあるが、今回はあくまでも標準機能での比較とした。

 PDAはもともとスケジューラやアドレス帳といったPIM機能を柱としていた。初期のザウルスやPalmがターゲットとしてのは、まさにこのあたりだ。個人的には、当時からマルチメディアプレーヤーとしてのPDAの発展性に興味があったのだが、世間ではそんな空気はまったくなく、なかでも特にシンプルさに磨きをかけていたPalm系が絶大な人気を博していた。しかし、時代は流れ、マルチメディアプレーヤー機能は、PDAの重要な一要素となりつつある。「音楽を聴く」「動画を観る」「書物を読む」「Webをブラウズする」といった用途がPDAでも当たり前となることで、PocketPCを中心としたWindowsCE系が台頭し、ザウルスは方向性を変え、Palmの中では比較的早くから同分野に取り組んできたCLIEが生き残った。

SL-C750
5月24日発売
Intel XScale PXA255/400MHz
オープンプライス(実勢価格5万円前後)

 シャープのSL-C750は、Linuxを搭載したSLシリーズの最新ラインアップのうちの1機種だ。ひさびさの640×480ドット液晶とビュースタイル/インプットスタイルの採用で注目を集めた、SL-C700の後継機種となる。両者を比較すると、外観にも内容にもそう大きな違いはない。しかし、SL-C750ではCPUをIntel XScale PXA250からPXA255へと変更し(動作クロックは同じ400MHz)、ワークエリアメモリも64Mバイトとしたことで、各場面で格段に快適な動作を実現している。

 また、搭載アプリケーションもいくつか変更された。MP3/WAVE音声とMPEG-1動画の再生を行うMedia Playerは、Music Player(MP3音声再生)とMovie Playerに分けられ、後者によりシャープのほかのAV機器(ガリレオ、AQUOS B3シリーズ、AVプレーヤー、MPEG-4ビデオレコーダー、インターネットビューカム)で録画した動画ファイルを扱えるようになった。つまり、ASF形式ファイル(ビデオコーデックMPEG-4準拠、オーディオコーデックはG.726またはMP3準拠)の動画に対応したわけだ。Music PlayerはMedia Playerと比較して、操作面における使い勝手が大きく向上している。

sigmarion III
5月28日発売
Intel XScale PXA255/400MHz
オープンプライス(実勢価格5万円前後)

 日本電気が製造、NTTドコモが販売するsigmarionシリーズの最新機種。sigmarion IIと比較して大きく目をひくのは、800×480ドットという高解像度画面だ。しかし、sigmarion IIで採用していたWindows Powered Handheld PC 2000では、もともと高解像に対応しており、800×480ドットのテリオスHC-VJ2C、800×600(独自拡張で1024×600)ドットのInterLink MP-C303/304などがすでに存在していた。したがって、最も重要な点は、Windows CE .NETの搭載といえるかもしれない。同時に標準搭載された最新版Media Playerにより、ようやくHandheld PCでも多彩な動画再生ができるようになった(サードパーティ製ソフトウェアを利用すれば、MPEG-1再生などは可能だったが)。同じWindows CE 3.0ベースながら、Windows Media Playerによる動画再生に関しては、Handheld PCよりもPocket PCのほうがかなり充実していたが、sigmarion IIIでは解消されているわけだ。対応する動画形式は、Windows Media Video、MPEG-1、MPEG-4で、さらにASF、ASXのストリーミングファイルも再生できる。

PEG-NX73V
6月7日発売
Intel XScale PXA263/200MHz
オープンプライス(実勢価格4万5千円前後)

 PalmOS 5、320×480ドット液晶、メモリースティックスロット、CFカードスロット、回転式31万画素カメラ、キーボードを搭載した“ウイングデザイン”(折り畳み型)CLIEの最新機種(130万画素カメラ搭載のPEG-NX80Vもあり)。PEG-NX70VではCFスロットは通信カードのみの対応だったが、PEG-NX73V/80VではCFメモリカードの利用も可能になった(ただし、一部アプリケーションのみの対応)。ソニーらしく、“リビングで使う”場合にも有用な機能が多く搭載されている。


PCとのHotSyncの際にデータを自動更新して、CLIE上でテレビ番組表を閲覧・予約できる「TVscape」

学習機能はないものの、家電メーカー各社の「TV」「VTR」「DVD」「AV-AMP(AVアンプ)」のコードに対応し、赤外線リモコン代わりに使える「CLIE Remote Commander」

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[浅井研二,ITmedia]



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