リビング+:ニュース 2003/07/22 23:59:00 更新


“ユビキタスタウン”の暮らしぶり〜日立ITコンベンション

日立製作所のプライベートショウ「日立ITコンベンション」が7月22日に開幕した。今年は、展示場の一角に「ユビキタスタウン」を設け、オフィスや自宅、店舗といったシチュエーションごとに同社の製品と要素技術を組み合わせたアプリケーションを紹介しているのが特徴。近未来の暮らしぶりを少しだけ覗くことができる。

 日立製作所のプライベートショウ「日立ITコンベンション」が7月22日に開幕した。今年は、展示場の一角に「ユビキタスタウン」を設け、オフィスや自宅、店舗といったシチュエーションごとに同社の製品と要素技術を組み合わせたアプリケーションを紹介しているのが特徴。近未来の暮らしぶりを少しだけ覗くことができる。

 今年も来場者には「ミューチップ」内蔵のIDカードが配られ、これを使ってさまざまなデモンストレーションに参加できる。ミューチップは、0.4ミリ四方という超小型の非接触ICチップ。「ミューチップリーダー」と呼ばれる専用リーダーを使い、無線を介して情報を読み出す仕組みだ。

 例えば、店舗にあるすべての商品に埋め込んでおき、レジで買い物カゴから商品を取り出さずに一括精算できるなどの用途が見込まれているが、家庭にインターネットにつながるミューチップリーダーがあると利用方法はさらに広がりそうだ。

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Object Linkは、ミューチップリーダーと情報端末を組み合わせたテーブル。テープルトップの下にプロジェクターを仕込み、画像を映し出すリアプロジェクション型

 ユビキタスタウンの「HOME」コーナーにあった「Object Link」は、テーブルにミューチップリーダーを組み込んだ事例。灰皿のように見える部分がリーダーになっており、ここにミューチップ内蔵の商品を置くと、ネットワーク経由で取得した関連情報がテーブルトップに映し出される。生鮮食料品なら、産地や生産者を特定するトレーサビリティシステムになり、また服飾品なら洗濯や手入れの方法などをネットワーク経由で取得する情報源となる。

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リンゴを置くと、産地や生産者のメッセージが表示される

 一方、Object Linkを“ホームネットワーク端末”として利用するデモンストレーションもユニークだ。自宅の鍵にミューチップを埋め込んでおき、帰宅したらリーダーに放り込む。すると、不在中に届いたメールや来客などの情報が一覧表示される。ミューチップのユニークなIDにより、鍵は共通であっても個人宛のメールなどはプライバシーを確保した形で閲覧できるという。

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家の見取り図で施錠の状況なども表示可能

テイクアウト可能なカーナビ

 「カーナビは便利だけど、車を停めて歩き出した途端に迷っちゃう」。そんな方向音痴に朗報だ。同じくユビキタスタウンの「AUTOMOBILE」コーナーに展示されたカーナビは、目的地までの地図を切り出し、携帯電話やPDAで“テイクアウト”できる便利な機能を持つ。

 しかも、単なる地図ではない。徒歩で移動する際に分かりやすく、また表示画面の狭い携帯電話にも対応するため、目立つ建物や道路をデフォルメした地図を出力するという。通常、このような地図はデザイナーのセンスで作成するものだが、日立は自動的にデフォルメ地図を作成できるソフトウェアを開発した。

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カーナビのイメージ。画面中央に表示されているのがデフォルメした地図(技術展示)

 ただ、どうせPDAを併用するのであれば、年々向上するPDAのCPUパワーをカーナビに活かすというアプローチも考えられるという。上の写真は、画面上のスロットにPDAを挿入し、カーナビの頭脳とするイメージだ。製品化されたときには1DINサイズに収まらない可能性が高いが、利便性は高そう。

 また日立は、最近増えてきた通信カーナビをさらに進化させる“渋滞予報”の技術も用意している。これは、過去のデータから曜日や時間による道路の混雑状況を予測してネットワーク配信するというもの。

 「ナビ自体が通信手段を持つことで、動的な情報を得ることが可能になった。次の段階は、これらの要素技術をすり合わせ、製品化に結びつけることだ」(同社)。

GPSより正確な無線LANの位置測定

 ユビキタスタウンには、無線LAN内蔵の日立製PDAを貸し出してくれるコーナーがある。これは、“三辺測量”の原理を応用した無線LAN向け位置情報システム「BroadWAY」の技術デモンストレーションだ。

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「BroadWAY」の技術デモンストレーション

 三辺測量は、三角形の三辺の長さから位置を割り出す測量技術。BroadWAYでは、PDAと3つの無線LANアクセスポイントが同時に通信を行い、信号が到達するまでの時間差を集計。これをもとに位置測定サーバがPDAの位置を特定する仕組みだ。クライアント側に特別なハードは必要なく、誤差は1〜3メートルとGPSやPHSの位置情報より精度が高いのも特徴という。

 「GPSは屋外利用に限られるが、無線LANなら屋内でも使える。またクライアントは無線LANさえ内蔵していればノートPCや携帯電話を利用することもできるため、用途は幅広い」(同社)。

 ユビキタスタウンで体験できるのは、ナビゲーションシステムのデモンストレーションだ。会場内に合計7つのAPが設けられており、PDAを持って歩くと、画面の見取り図に軌跡が描かれる。また、ブースの前で「詳細情報」メニューをクリックすると、そのブースの説明を閲覧できる。

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軌跡を表示

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各所に配置された無線LANアクセスポイント。規格はIEEE 802.11b

 日立では、このようなイベント会場のナビゲーションシステムにくわえ、オフィスの“ワイヤレスファイアウォール”、工事現場や倉庫における資材管理などの用途を検討中だ。ワイヤレスファイアウォールは、企業の無線LANに対して「ビルの外からのアクセスを防いだり、応接室からは接続できないように設定する」というもの。なお、BroadWAYの無線LANアクセスポイントとサーバソフトは今秋にも製品化する予定だという。

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応接室からは接続できないように設定した“ワイヤレスファイアウォール”のアプリケーション(WIRELESS JAPAN 2003で撮影)

Magicscapeも展示

 去年の「ころころ ぷちすけーぷ」に続き、今年は「Magicscape」が展示されていた。Magicscapeは、水晶玉型ディスプレイとセンサーを組み合わせたユーザーインタフェースのコンセプトモデル。水晶玉(実はアクリル製らしい)の中に画面が浮かび上がり、周囲に手のひらをかざして“なでる”ように操作する。さらに、「ふっ」と息を吹きかければ“終了の合図”という凝りよう。ただし、残念ながら今回は来場者が触れることはできない。

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「Magicscape」。Webの占いサイトでも表示しておけば、素人でも占い師になれる強力アイテム

 個人的に物欲を刺激されたのが、「ブロック型超小型ユビキタスサーバ」。要は、SH-3&組み込みLinuxの小型サーバなのだが、ユーザーが必要なモジュールを重ねるように接続し、まるでブロックのように組み立てることができるのだ。モジュールは基本となる「電源ボード」「CPUボード」のほかに「イーサネットボード」「CFボード」「Bluetoothボード」などが用意されており、基本の2枚のほかに3枚まで追加できる。

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ブロック型超小型ユビキタスサーバ

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内部ブロック。右端の電源ボードはUSBポートも備えている

 例えば、イーサネットボードとCFボードをチョイスして、CFボードには無線LANカードを挿入する。これで無線ルータの出来上がりだ。無線LANカードの代わりにコンパクトフラッシュや「Microdrive」を入れておけば、簡易ファイルサーバとなる。各モジュールの接続はPlug&Playのため、組み合わせて専用ケースに収納すれば即完成という手軽さ。さらに電源は6〜12ボルトに対応しているから、車載ルータとしても利用できる。

 日立製作所では「まず監視カメラなどと組み合わせ、来期から販売する方針」としているが、単体販売も検討してもらいたいデバイスだ。

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日立が提供する「ITマンション」向けシステムも展示。写真は各戸に設置するホームサーバ。既に「グランフォーレ戸塚」「ソレイユ江坂」の導入実績があるほか、東京建物がシリーズ化を決定するなどマンション業界もIT化に熱心だ。「年内には都内のマンションに、また来春にはさらにいくつかの物件で採用する計画がある」

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日立が通信キャリア向けに提案するIPv6ネットワーク基盤「PROGNET」。セッション管理サーバやプレゼンス管理サーバを含み、ユーザー同士でお互いの状態を確認できる。端的にいえば、インスタントメッセンジャーで表示される「オンライン」などのプレゼンス情報取得をネットワークレベルで行えるということ。チャットや多地点TV会議もサポートする

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iVDRでは、新たに「Prius」の5インチベイに搭載したワーキングモデルを出展

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アイ・オー・データ機器の外付け“リムーバブルHDDユニット”も展示されていた

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関連リンク
▼日立製作所

[芹澤隆徳,ITmedia]



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