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2003/08/03 08:24:00 更新 |
徐々に盛り上がる“IT”鈴鹿8耐。ウェアラブルPCを使うピットクルーも登場!
バイクファンの夏の祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース」。今年も決勝の様子を8月3日(つまり今日!)に、Windows Media 9のライブストリーミングで完全ノーカット&無料配信されるほか、サーキットでは無線LANを使った情報サービスも。ITを活用したイベントしても年々進歩を続ける8耐。その模様を、現地からレポートしよう。
バイクファンの祭典ともいえる夏の恒例行事、「鈴鹿8時間耐久ロードレース」が開催されている。その鈴鹿8耐を、インテル、ヒューレット・パッカード、マイクロソフトの3社がITでサポートするプロジェクトが発表されたのをご存じの方も多いだろう。
鈴鹿8耐の無線LANをサポートするインテル、HP、マイクロソフトが提供しているモバイルピット。ネットでリアルタイムの情報を得られるほか、デジタル写真の大判出力サービスを提供
鈴鹿8耐主催者である鈴鹿サーキット側の「会場に来れない多くの人にも楽しんでほしい。また通常はなかなか見ることができない、本番レース中のピット作業を見てほしい。それもPCがあれば、会場内で無線LANを通じて生の迫力と、ネット配信ならではの多角的な映像、データサービスを融合させたい」……そんな要請を受けて立ち上がったのが「www.8tailve.com」である。
実は昨年もインターネットストリーミング配信サービスを行ったが、今年はそのサービスを拡大。会場内のさまざまなポイントに無線LANアクセスポイントを設置し、ノートPCやPDAに対してWindows Media 9で情報配信サービスを行っている。
サービス内容は単なる映像ストリーミング配信だけではなく、ナローバンド向けのラジオ放送、順位やラップタイムなどの文字情報がミックスされている。
もちろん、会場に来れないファンに対するサービスでもあるが、会場をワイヤレスネットワークで覆ったことで、来場者が目の前のコーナーを見ながら、同時に手元の情報デバイスでデータのチェック、あるいは別コーナーの様子を見ることが可能になる。
カメラは1&2コーナー、S字コーナー、ダンロップブリッジ、テグナー、カシオトライアングル、最終コーナーなど、さまざまな場所に設置されており、好きな場所を選んで観戦することができる。たとえば1コーナーを観戦しながら、ヘアピンやテグナーの様子を見ることができるのだ。この便利さは、真夏のサーキットで汗を流しながら移動したことのある人なら、容易に想像できるだろう。
サポートを担当した3社は会場でデモンストレーションやサポートを行うMobilePitを設置。ワイヤレスネットワークサービスの便利さをアピールしていた。詳細は決勝後にレポートする予定だが、まずはwww.8tailve.comにアクセスしてみてはいかがだろうか。
www.8tailve.com
イベント | FIM 2003 世界耐久選手権シリーズ第6戦“コカコーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース |
配信時間 | 7月14日〜8月3日(本戦) |
プレーヤー | Windows Media Player 9 |
URL | www.8tailive.com |
さてレースの方はと言えば、F.C.C.TSR ZIP-FM RACING TEAMのベテラン、伊藤真一選手がポールポジションをゲットして気を吐いた。今年から予選方式を変更。一回目の予選上位が単独のタイムアタックでグリッドを競うスペシャルステージ方式へと切り替わった。ライダーはお立ち台のようなスタート台の上でバイクにまたがい、レースクイーンの指示で順にタイムアタックに出る。
今年の8耐は初日予選の上位が、単独走行によるタイムアタックでグリッドを決めるスペシャルステージ方式に変更された。写真はスタート前に集中力を高めているライダー
スペシャルステージで最終コーナーを立ち上がるチーム桜井のマシン。亡くなった加藤大治郎選手のトレードマークだった74番を、従兄弟にあたる亀谷長純選手が操った
スペシャルステージは、このような台に上ってレースクイーンの合図でアウトラップに入る
この方法が当たったのか、会場は次々に更新されるタイムやアタックラップの様子に釘付け。非常に楽しめる予選となった。
ウェアラブルPCによる情報サービスも
また、ピットロードでウェアラブルコンピューティングの研究者、推進者として知られている塚本昌彦氏に遭遇。塚本氏は“チームつかもと”を結成し、ウェアラブルPCによる情報サービスをチームヤマモトに提供している。
小型ノートPC(おそらくLet'sNOTE R1)に島津製作所製のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)とUSBのリモートコントローラを接続。鈴鹿8耐向けに開発したピットクルーサポートシステムで、チームの戦略を支援する。具体的には、サインボード役のクルーにHMDでサイン指示を出したり、給油やドライバーチェンジなどの指示、レース状況、気象情報、トラブル発生時の状況表示などを、802.11aを通じてウェラブルPCにリアルタイム表示する。実際にHMDを装着させてもらったが、炎天下でも見やすく、確実に状況を把握できた。
チームつかもとは、なんともお手製のウェラブルPCでレース情報をスタッフに通知するシステムをテスト。写真はモデルさんではなく、NTT未来ねっと研究所の板生知子工学博士
ちなみにPC本体はふつうのノートPC。VGA出力を島津製HMDにつなぎ、USBのコントローラで操作。ネットとの接続は802.11a
もっとも、本番は日曜日。つまり今日だ。本番前日の土曜日、すでに4万人を大きく超える来場者が詰めかけている。おそらく本番はさらに多くの観客がやってくるだろう。そうした中で、無線LANをどのぐらいのユーザーが使ってくれるのか、あるいは興味をもっってくれるのか、興味深いところである。
鈴鹿サーキットでは8耐イメージソングを歌う姉妹デュオ「SORTITA」のアメージンググレースを合図に前夜祭が始まり、恒例の800台のバイクによるパレードが行われた。ライダーの中には、1号、2号、V3などなど、歴代仮面ライダーも登場。その後、SORTITAのコンサートが始まり、会場の雰囲気は徐々に高まってきている。
8耐イメージソングを歌う姉妹デュオSORTITA(ソルティータ)のアメージンググレースで前夜祭もスタート。会場を盛り上げた
8耐恒例の800台バイクによるパレードラップには、歴代仮面ライダーも登場した
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関連リンク
www.8tailve.com
“コカコーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース
鈴鹿サーキット
[本田雅一,ITmedia]