モバイル、ウェアラブル、仮面ライダー555で盛り上がる〜鈴鹿8時間耐久レース開催間近今年の「鈴鹿8耐」は一味違う。無線LANスポットが設けられ、ノートPCやPDAを使った実況中継あり、ウェアラブル機器で全面サポートされるレーシングチームあり……。仮面ライダー555がレースを走るのも見逃せない。
1978年にスタートし、四半世紀以上の歴史をもつ「FIM2003世界耐久選手権シリーズ第6戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース」。今年もまもなくスタートする。予選とテスト走行が7月31〜8月2日、本選が8月3日という4日間に渡るスケジュールだ。 鈴鹿8耐といえばバイク乗りの夏の風物詩として広く知られているが、今年は、バイクとコンピュータが融合した、新しい次元の大会となりそうだ。
新時代の幕開けを予感させるのは、モバイル、ウェアラブル、仮面ライダー555である。 まずはモバイル。先日「Centrinoモバイル・テクノロジ」を発表したインテル、Centrinoを搭載したノートPCと「iPAQ Pocket PC」を発表した日本HP、そして「Windows Media 9」のマイクロソフトがトリプルタッグを組んで、鈴鹿8耐をサポートする。 会場内のイベントスペース「SUZUKA 8tai Live-Mobile Pit」にHPのノートを設置、車載カメラなどの高品位映像を、Windows Media 9を使ってリアルタイム中継するのである。Mobile Pit以外にも無線LANエリアを設け、参加者が持ち込んだノートPCなどでも随時この映像を見ることが可能だ。
http://www.8tailive.com/より 野外のスポーツイベントでは、会場でなにが起こっているのかが分かりにくい。これまで観客は情報を得るために、テレビやラジオの実況に頼らざるを得なかった。
レース会場は広く、全貌を把握することは不可能に近い。そこで、このモバイルテクノロジーの登場だ。インターネット、無線LAN、長時間駆動のノートPC/PDAを使って、8時間耐久レースを完全中継し、ストリーミング配信する。これによって、会場にいながらにして大量の情報を得られるようになるのだ。これは、今後のスポーツ中継を根本的に変える可能性を秘めた壮大な実験になるだろう。
二つめはウェアラブルだ。 ウェアラブルで知られる大阪大学大学院の塚本昌彦助教授が、ホンダ系のプライベートチームであるSpec-A ヤマモトレーシングをウェアラブル機器を駆使して全面サポートする予定なのだ。 レース会場で全体を把握できないのは、ピットクルーも同じ。そこで、レース中に刻々と変わる状況をクルーのヘッドマウントディスプレイ(HMD)にリアルタイム中継することで、情報の共有を図り、レースを進行させる手はずである。 ウェアラブル機器の実用性がどこまであるのか、8時間もの耐久レースで使えるのか、ウェアラブルの真価が問われる一戦だといえるだろう。 サポートには、塚本助教授を中心とした「チームつかもと」のメンバーが当たる予定。東京会場にはチームつかもとの紅一点・NTT未来ねっと研究所の板生知子氏がウェアラブル姿を見せていた。
3つめは仮面ライダー555だ。 今回の鈴鹿8耐には、ホンダ系のプライベートチームとして、仮面ライダー555ホンダチームの参戦が決定。テレビのヒーローが現実に飛び出したとあって話題沸騰中だ。 仮面ライダーは、2000年に新シリーズが始まって以来現在で4年目。親子で楽しめる人気番組として、年々ファンを増やしている。主役俳優はトレンディードラマや映画、バラエティーにも引っぱりだこで「イケメン俳優」なる言葉まで流行語になった。まもなく公開される映画では、1万人のエキストラ募集にその10倍近い応募があったというくらいの一種社会現象となりつつある。 4年目の今年は、携帯電話で変身する仮面ライダー555が登場。デジタルカメラを武器に使うなど、コンピュータとの融合を前面に押し出している。 仮面ライダー555チームは、エントリーナンバーも555。555には山口辰也選手、ライバルの仮面ライダーカイザには高橋裕紀選手が変身する予定。山口選手は、2002年ロードレースJSB1000でチャンピオンに輝いている実力派である。弱冠19歳の高橋選手も今年の世界選手権GP of Japan(鈴鹿)で3位に入るなど、鈴鹿との相性はばっちりだ。 かつて、プロレスの佐山聰がアニメのタイガーマスクを超える活躍で、タイガーマスクブームを巻き起こしたことがあるが、今回の鈴鹿への参加で、仮面ライダーの人気は頂点に達するかもしれない。テレビを超えられるのかどうか、期待が高まる。 そしてさきごろ塚本助教授は、「まだ確定ではないが」と前置きした上で「今回、ホンダの仮面ライダー555チームもサポートするかもしれない」とこっそり耳打ちしてくれた。実現すれば、すごい話である。空想もテレビも現実のレースも、境目がなくなってきている気がする。 ぜひ見てみたいのは、仮面ライダー555と塚本助教授のツーショットだ。一般への認知度でいえば、もちろん鈴鹿8耐や仮面ライダー555のほうが高い。これでウェアラブルが認知されれば、一気に一般市場が開ける可能性もある。 前夜祭となる8月2日と3日には、仮面ライダーマシンパレードも予定されている。もろレースマシンのサイクロン号などの懐かしいマシンも登場するから、オールドファンも楽しめるイベントになりそうなのだった。 前売り観戦券は大人4500円。プールの「アクア・アドベンチャー」がオープンした遊園地の入場も可能とのこと。チケットはインターネットでも購入できる。夏のイベントは鈴鹿が盛り上がりそうだ。
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