リビング+:ニュース 2003/12/22 15:42:00 更新


バイオがなくても「コクーン」からDVDが作れる!?

PVR的な便利さを持ちながら、DVDへの書き出し機能が不足しているために、なかなか良さを理解されない「コクーン・チャンネルサーバー」。しかし、そんなコクーンを補完してくれるソフトが公開された。

 上位機種の予想以上の売れ行きに、ハイブリッドレコーダーに焦点を絞って年末商戦を終わろうとしているメーカー各社。その一方で、書き込みDVDドライブを搭載しないハードディスクレコーダー(以下、HDDレコーダー)は、なかなかその良さが受け入れられていないようだ。たとえば、「コクーン・チャンネルサーバー」は、そのユニークな機能を消費者に正しく理解してもらっていない、という意味で不幸な製品かもしれない。

 米国(の特に都市圏)でユーザーに広く認知されている“Personal Video Recorder”(PVR、日本でいうハードディスクレコーダー。ソニーはこれをチャンネルサーバーと呼ぶ)は、ごく一部のユーザーに評価されただけで、日本では今のところ、鳴かず飛ばず。現在、日本市場でPVRライクな製品に力を入れているのは、ソニーとNECぐらいのものだろう。

 いわゆるPVR的な機能といえば、タイムシフトや自動録画などが挙げられる。なんだ。ハイブリッドレコーダーにも付いているじゃないかといわれるかもしれないが、微妙にニュアンスが違う。たとえばチャンネルサーバーは、設定した検索条件に合致する番組を自動的に録画し、さらにユーザーの好みを学習する「おまかせ・まる録2」機能を持つ。チューナーも2つあるから、裏番組も録画できる。また、NECの「AX-300」は、“常に放送を記録し続け、いつでも好きな時に視聴中の番組を遡れる”「常時タイムシフト」が特徴だ。使ってみないとなかなか分からないものだが、これらの機能は、いつものテレビ視聴スタイルを変える可能性がある。

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「コクーン・チャンネルサーバー」

 対して、現状のハイブリッドレコーダーは、基本的にビデオデッキの機能をハードディスクとDVDに置き換えたもの。AVマニアの中でも放送コンテンツのライブラリ化指向が強いユーザーに揉まれながら「高速ダビング」や「編集機能」といった性能をアップさせてきた。もちろん、それはそれで素晴らしいのだが、タイムシフト機能派に喜ばしい機能は、ほとんどのハイブリッドレコーダーが持っていないのだ。乱暴にいえば、録画して編集してDVDに落とすのがハイブリッドレコーダーであって、テレビの視聴スタイルを変えるものではない。

 要は、テレビで録画したコンテンツをライブラリとして保存しておきたい、というライブラリ指向のニーズと、自分の生活スタイルに合わせて好きな時間にテレビを楽しみたい(あるいは生活スタイルを変えたい)というPVR的なタイムシフト指向のニーズでは、適した製品が異なるということだろう。

でも、たまには保存用も?

 しかし、たとえアナタがタイムシフト派だったとしても、中には残しておきたいコンテンツもあるだろう。たまの話かもしれないが、“残したい時に残せない”というのは非常に困る。ここが、コクーン・チャンネルサーバーがウケなかった最大のポイントだと思う。

 それに、日本の住宅事情を考えれば、ひとつでも不要な機器は減らしたい。VHSビデオをそのままに、ハードディスクレコーダーだけを追加するよりも、「ハードディスクに録画してDVDにも残せるハイブリッドレコーダーの方がイイでしょ?」とバイヤーが考えるのも無理はない。つまり、PVRという製品スタイルが受け入れられるためには、最低限、DVDに記録を残す機能ぐらいは備えていなければならないのだろう。

 ここで2つの選択肢がある。ひとつはパソコンやほかのレコーダーと接続し、簡単にDVDを作成できる環境を作ること。もうひとつは思い切ってDVDドライブをPVRに付けてみること。後者はNECがAX-300で実現した。そして前者は(AXシリーズを除くと初めて)イーサネット経由でのファイル転送により、コクーン・チャンネルサーバーが対応している。

 コクーン・チャンネルサーバーの場合、「CSV-E77」、「CSV-EX9/EX11」の3機種(EX11以外は有償アップデートによる対応)なら、溜まったコンテンツをバイオでDVDに焼くことができる。だが、ここで「バイオだけ?」と思うのは僕だけじゃないハズだ。

 せめてパソコンに転送し、ビデオフォーマットを変換するツール(コクーン・チャンネルサーバーはストリーム形式のMPEG2TSで動画を記録しているが、DVD-Video規格ではサポートされていないためMPEG2PSに変換しなければならない)を有償でもいいから販売してくれれば、ユーザーからも歓迎されただろう。

 と、誰もが同じことを考えていたに違いない。しかしついに、コクーン・チャンネルサーバからパソコンへとコンテンツを転送するWindows用ソフトウェアが開発された。

「CoCoon Client」登場

 それは、「MOBILE HACKERZ」に掲載されている「CoCoon Client」だ。

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「CoCoon Client 0.06」の画面。まだまだ開発途上のようで、毎日のようにアップデートされている。なお、ダウンロードの前に同サイトの注意書きをよく読み、あくまでも自己責任で行ってほしい

 CoCoon Client 0.05からはMPEG2TSからMPEG2PSへと、ダウンロードしながら変換する機能が、0.06からはステレオ音声部のカット機能までもが加えられたため、市販のDVD作成ツールを使ってDVDを焼くのも簡単だ。

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ステレオ音声部をカットする設定もある

 確認したところ、HyperThreadingやデュアルプロセッサの環境では、MPEG2PSへのリアルタイム変換機能がうまく動作しなかったが、シングルプロセッサ環境であれば問題なく動画を吸い出し、DVDの作成が行えている。DVDを焼きたいこともあるが、その頻度が低く、別途DVDレコーダーを買うほどではない、と思うコクーン・チャンネルサーバーユーザーは、一度、トライしてみる価値アリだろう。

 吸い出し速度はコクーン側の速度制限(録画タスクや再生タスクを邪魔しないためと思われる)があるため最大15Mbpsまでしか出ないが、吸い出しと同時にMPEGフォーマットを変換可能で、DVD作成ツールも好みのものが利用できるメリットがある。バイオにおける「Click2DVD」を用いたDVD作成の場合、吸い出しを行ってからフォーマット変換を行うためDVD作成に時間がかかる。その上、Click2DVDのオーサリング機能は非常に限られているため、既にコクーン連携が可能なバイオを持っているユーザーも、このツールを使うメリットはあるだろう。

 こうしたツールが登場することは、ソニー自身も予見していたのではないだろうか。あるソニーの担当者(コクーン担当ではない)は、コクーン・チャンネルサーバーとバイオの連係機能が、Universal Plug and Playを用いたものであると話していた。実際、CoCoon ClientでもUPnPの標準的な手順(UPnP Media server)でファイルを転送できているようで、ツールさえ作ればバイオ以外の機器とつながることを避けている気配は全くない。

 そんなわけで、わが家のEX11でも、めでたくコンテンツを吸い出してDVDを作成することができた。このことを発見し、クライアントソフトを制作してくれた作者に敬意を払いたい。

選択肢が増えた?

 もちろん、パソコンでDVDが作れるようになったからといって、現在のハイブリッドレコーダーが持つ、編集やダビングに関する機能を完全に網羅できているわけではない。しかし、僕のようにビデオレコーダーをタイムシフト装置として考えている人には、コクーン&パソコンが、非常にありがたい選択肢になったのだ。

 だから、同じような考えを持ちながらレコーダー選びに困っている人たちに、あえて尋ねてみたい。「本当に、そんなにたくさんDVDを作りますか?」と。

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関連リンク
▼MOBILE HACKERZ
▼製品情報(ソニー)

[西台四朗,ITmedia]



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