
「間接材の購買」がビジネス改革の“金脈”になると気付いているだろうか。「直接材のコストを厳しく管理している」というケースは多いが、単価が低い間接材に気を配っている企業は少ない。商品の価格や購買フローの効率性、内部統制の実態などに関する課題を見過ごしているケースが多々あるのが現状だ。
間接材の購買プロセスを丹念に見直し、価格や工数を見える化することでコストの最適化や購買業務の効率化を実現でき、ビジネスの成長につなげられる。でも、どうすれば――そんな疑問を解決するかもしれないサービスが誕生した。
購買改革のコンサルティングからシステム化まで一元的にサポートする「購買支援サービス」が登場したのだ。これまでに約3600社の購買改革を支援して累計3兆7000億円以上を取り扱ってきたディーコープと、間接材購買システムを開発、提供するソフトバンクのグループ企業であるSB C&Sがタッグを組んで取り組む。
この“連合”を指揮するディーコープの三松俊裕氏(代表取締役社長)は「日本企業の間接材購買の在り方や生産性の変革を支援します」と意気込む。その自信の裏側にある戦略を取材した。
間接材の購買プロセスを分解すると、購買戦略の策定やサプライヤーの開拓といった「ソーシング」、購買の受発注がメインの「パーチェシング」、基幹システムと連携した会計処理に当たる「支払い」に分けられる。
この購買フローに沿って課題や改善点を洗い出し、改善に取り組むことで効果的な購買改革を実現できる。購買支援サービスは、ソーシング領域をディーコープが担い、パーチェシング領域と支払いをSB C&Sが手掛けることで購買プロセス全体をサポートする。
「ほそぼそとした物品の値段を抑えてもコスト削減の効果には限界があるので、私たちは間接材に関する領域を包括的にカバーします。購買業務の改善はもちろん、社内組織の立ち上げ支援や購買システムの導入と運用など、間接材に携わる現場改革から経営改革まで一気通貫で、継続的に支援します」
ソーシング領域を得意とするディーコープは「間接材経費の適正化支援」で実績を積み上げてきた。同社はこれまでに約3200社を支援。製造業のある企業は約4億6000万円を削減し、小売業のある企業は約8600万円を削減できた。市場価格に対して適正な価格で取引されているかを確認し、適切な価格の取引に修正することでコストを利益に変えられると三松氏は話す。
ディーコープの購買改革は「購買実態の把握」から始まる。間接材は品目も価格も多種多様な上に、専任者が不在で各部署に調達を任せているケースが多い。依頼企業へのヒアリングや会計データを確認することで「何を、いくらで、どのくらい調達しているのか」を適切に把握した上で、経費適正化に取り組む品目の提案や経営戦略のコンサルティングに臨む。
経費適正化のターゲット品目が決まったら、購買条件やスケジュールを調整。ディーコープが持つ全国1万3000社以上のサプライヤー情報を駆使して、購買条件に合致する企業を選定、評価する。交渉を進めながら購買先や購買条件を詰めて見積もりを取得し、依頼企業とサプライヤーが契約を交わす流れだ。
「購買経費の適正化に取り組むことで、1回のコスト圧縮にとどまらない成果を得られます。継続的にコストを削減できるので、経営に大きなインパクトをもたらすでしょう」
間接材の購買を実行するパーチェシング領域は、SB C&Sが強みを発揮する。同社は購買支援サービス「パーチェスワン」を展開していて、約10年にわたって大手企業をサポート。年間100万件以上の購買関連実務に対応している。
パーチェスワンは主に3つのサービスがある。購買業務の実態を診断してより良い姿に変える「購買業務の改善支援」、購買システムの導入や運用を顧客内部に入り込んで支援する「購買BPO」、購買戦略の作成や専門組織の立ち上げなどをサポートする「調達イネーブルメント」だ。
パーチェスワンの各サービスを購買システム「パーチェスワンクラウド」が支える。取引するサプライヤーだけでなく、連携する約20の外部カタログからも調達が可能。従来は部署ごとにメールやファクスなどでやりとりしていた日々の受発注をシステム化して作業工数を大幅に削減できる。B2C向けのECサイトを意識して設計されているのでマニュアルレスで使えるのもポイントだ。
パーチェスワンクラウドは、購買プロセスの支払い業務にも対応。購買データを多様な会計システムと連携すれば、「領収書をチェックして品目を仕訳する苦労」「月末の会計処理にかかる負担」を一気に低減できる。承認フローを組み込んでいるので、内部統制の強化にも効果的だ。加えて、ペーパーレスを実現することで紙の使用を大幅に削減できる。
「ディーコープの間接材経費の適正化サービスも、SB C&Sのパーチェスワンも『現状の把握や可視化』から始まります。しかし、データがなければ現状把握も改善点の洗い出しも困難です。パーチェスワンクラウドを基盤にした購買の仕組みを導入することで、データに基づく購買改革が可能になります」
SB C&Sのパーチェスワンは、2009年にスタート。当時、三松氏はパーチェスワンの導入プロジェクトに携わっていた。さまざまな顧客と対話しながら、飲料、化学など大手メーカーの購買改革とパーチェスワンの導入を支援する中で気が付いたことがあるという。
「購買の仕組みやシステムを整えたとしても、現場が運用できないと効果が限定されてしまいます。導入と説明だけでは誰も積極的に使おうとはしないでしょう。これまでの経験から、そのような事態を避けるために意識しました」
現場での実情を把握しないまま理想的な購買フローを運用しようとすると、隠れた業務が発生し仕組みやシステムの外側でそれまで通りの取引が行われる可能性がある。そうなっては効率化や工数削減などの目的を達成できないばかりか、導入したシステムも無駄になってしまう。
購買業務を担う実務担当者、購買システムを使う事業部ユーザー、企業の経営者、間接材を提供するサプライヤーなど多様な関係者と密にコミュニケーションをして支援の改善やサービスのブラッシュアップに努めてきたと三松氏は振り返る。
SB C&Sが購買支援サービスをアップデートし続けられる理由の一つが、パーチェスワンクラウドをSB C&S自身が開発していることだ。SaaSでありながら「この機能を追加してほしい」「施行される法律に対応してほしい」などの要望に柔軟に対応できる。個社の要望に応じて追加した機能や改善点を標準機能として実装することも多いので、日本企業の求める購買システムが仕上がっていると三松氏は紹介する。
三松氏は「企業が存続する限り、購買業務が絶えることはありません」とした上で、購買業務の困り事は、ソーシング、パーチェシング、支払いのあらゆる段階から発生すると指摘する。
「ディーコープとSB C&Sによる購買支援サービスの窓口にお声掛け頂ければ、これらの多岐にわたる課題の解決を、どのフェーズ、どのステータスからでも支援致します。『購買組織を立ち上げて終わり』『コストを削減して終わり』『ITシステムを入れて終わり』ではなく、一気通貫で支援し続ける体制を整えています。また、ソリューションを提供して終わりではなく、継続的に支援を行うことで、単なるサプライヤーでも業務委託先でもない、中長期的な『パートナー』として課題解決に貢献します」
間接材購買は、課題があっても顕在化しにくく見過ごされがちだ。しかし、そこにこそコスト削減や業務効率化、その先にあるビジネス成長につながるポイントが隠れている。「わが社の購買は適切なのか」という漠然とした悩みを一歩目に、SB C&Sとディーコープに相談すれば改善のヒントが見えてくるだろう。
三松氏は「アドバイスはもちろん、購買改革に成功した顧客の紹介もできます。当社サービスを導入していただけたらうれしいですが、その前でも役立つことがあればご協力致します」と結ぶ。
「間接材の購買改革」を"ビジネス変革"につなげるために
見過ごしがちな「間接材の購買」には、ビジネス改革の“金脈”が隠れています。「購買コストの適正化」「購買業務の効率化」「内部統制の強化」といった変革を実現する方法論について、購買支援サービスを手掛けるSB C&Sとディーコープに聞きました。
間接材購買に迫る変革の波――対応しきれない課題の解決策とは
物価高、オンライン取引の増加、厳格化する法規制などに対応するには、従来の購買プロセスや統制方法を見直す必要があります。ディーコープとSB C&Sが始めた「購買支援サービス」は、企業をどのように支援するのでしょうか。両社の強みや事例を聞きました。
購買改革で最大4000万円の削減事例も 間接材の「適正価格」を見極める方法とは
日々繰り返す間接材の購買には、「適正価格よりも大幅に高額な取引」のリスクが潜んでいます。適正価格を見極めるポイントを取材しました。
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提供:SB C&S株式会社、ディーコープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2025年2月27日