
あなたは、間接材の購買に費やしている金額や工数を正確に把握しているだろうか。日々繰り返す間接材購買のコストを積み上げると無視できない数字になる。多くの経営者が「盲点だった」と認めるケースもあるという。
大手メーカーなど一部の企業は、間接材購買の専門部署を設置してコストの削減と購買プロセスの効率化をぬかりなく実施している。一方で、中堅・中小企業や学校法人など人的リソースが不足している企業は、総務部門が購買を兼任したり各部門の裁量に任せたりしているのが実情だ。適切にチェックできないが故に、適正価格よりも大幅に高額な取引を見逃すリスクが潜んでいる。
間接材購買の改革に本腰を入れれば、企業は新たな成長の鍵をつかめる――そんなビジョンを掲げて“連合”を組み、「企業の購買支援サービス」を立ち上げたのがディーコープとSB C&Sだ。両社のプロフェッショナルたちに、“損をしない価格”の見極め方や購買のシステム化について聞いた。
ディーコープは、間接材の購買コンサルティングを手掛けている。購買計画の策定や調達先の開拓などを顧客の中に入って支援するBPO(Business Process Outsourcing)サービスを提供。中でも評価が高いのが「間接材経費のコスト適正化支援」だ。顧客の購買内容をチェックして、極端に高額な取引を適正価格に切り替えることでコストをコントロールする。
ディーコープの上甲幸広氏は、同社の支援で余分な出費を回避した事例を紹介する。ある学校法人が校舎を建て替えるに当たり、不要設備の処分を産業廃棄物処理業者に依頼すべく複数社から見積もりを取得。結果は最高値が5300万円、最安値が4990万円だった。普通なら適正価格は5000万円前後だと判断するだろう。
この案件をディーコープが第三者の立場でチェックすると、1300万円を提示する業者が存在した。最高値の見積もりとの差は4000万円に上る。一見すると安価すぎて品質に疑念を抱くかもしれないが、その業者は大手通信事業者の本社移転を請け負い、トラブルなく完了させた実績がある。
「こうした出来事はいろいろな企業で起きています。適正価格を大幅に上回る出費が1年間に1件でもあったらと考えると怖くなるでしょう」
「適正価格を大きく超える取引を見逃すリスク」に直面する背景には、間接材の購買体制が整っていないという現状がある。「購買プロセスが不明確」「購買担当者が不在」「部署ごとにばらばらに購買業務を実施している」といった状況があり、これが効率化やコスト削減を妨げているとディーコープの矢上誠氏は指摘する。
間接材の購買は少額の案件が多数を占めるので、各部門の裁量に任せる企業が多い。しかし、全体を俯瞰(ふかん)的に管理する仕組みがなければ「何にいくら使っているのか」という実態を把握できず、課題が顕在化しにくくなる。
間接材の購買部署や専任者がないことも多く、調達する物品やサービスの見積もりが適正であるかどうか精査できないケースもある。これが、適正価格を大きく超える取引を生む要因だ。これらの課題は、人員に余裕がない中堅・中小企業、学校法人、医療業界、小売り・流通業界などでよく見られると矢上氏は話す。
「著名な企業でも間接材購買の全体像を把握できておらず、改善できる点が多数あることがあります。適正価格での購買に切り替えて無駄な出費を減らす、購買プロセスを整備して生産性を上げる、などに取り組む余地があります」(上甲氏)
オフィス用品など一般的な間接材であれば価格を比較しやすいので、購買額が適正価格から極端に外れることは少ない。しかし、オフィスのリニューアル工事など大規模な購買の相場を見極めるのは難しい。高額な取引は頻繁には発生しないので、過去の知見が残っていることもまれだ。
高めの見積もりを提示して依頼主の反応を見ながら調整する、総額だけ示して項目別の金額は出さないといった事業者もいるという。こうした過去事例や業界事情を踏まえて契約や購買の可否を判断する必要がある。豊富な実績を持つディーコープが提供するような支援が求められるわけだ。
ある私立大学は、購買金額が1000万円を超える場合は第三者の確認を必須にしている。学校法人は公的補助や税金面の優遇措置を受けているので、厳格なガバナンスが欠かせない。9年間で約500件の見積もりをディーコープがチェックして、適正価格での購買に変えることで約42億円を圧縮できたと上甲氏は胸を張る。
「適正価格やサプライヤーの情報を提供する際は、見積金額だけではなく実績や信用情報なども伝えます。安価なサプライヤーが見つかっても、付き合いがある取引先との関係を続けたいということもあるでしょう。当社は『一番安いところにしてください』と指示するのではなく『適正価格を提示するので検討してみてください』とお伝えしています」(矢上氏)
ディーコープが効果的な支援を行うには「購買実態の把握」が不可欠だ。購買業務が属人化している、購買の仕組みがない、紙やファクスなどを併用している、などの状況ではコスト最適化はもちろん課題発見や業務効率化につなげるのが難しい。
「医療、介護、保育サービスを全国展開する企業から購買コストについて相談があったとき、お客さまが実態を把握できていないことが課題になりました。そこでSB C&Sとタッグを組んで支援しました」(矢上氏)
SB C&Sは購買支援サービス「パーチェスワン」を提供していて、年間100万件以上の購買関連実務に対応。同社が開発した間接材購買システム「パーチェスワンクラウド」を支援の主軸にしている。購買をパーチェスワンクラウドに統一することで、購買データを取得できるようになる。それをディーコープが分析することで、改革の足がかりにするのだ。
前述の医療系サービス企業もパーチェスワンクラウドを導入して、ディーコープが伴走して購買改革を支援した。日本の購買業務は企業独自のフローや特殊要件が必要になることが多く、同社も同様だった。SB C&Sの梅山博徳氏は「行政の助成を受けていたこともあり、一般企業以上に特殊なフローがありました」として、購買フローをパーチェスワンクラウドに移行するためにきめ細かく対応したと振り返る。SB C&Sが開発しているので、SaaSでありながら導入企業の要望に柔軟に応えられるのだ。
ディーコープとSB C&Sがタッグを組んで購買支援サービスを立ち上げたことで、購買業務を網羅的にサポートできるようになったとSB C&Sの下平隼氏は話す。
購買業務は「ソーシング」「パーチェシング」に大別できる。ソーシングは、調達する間接材やサービスの仕様および取引条件を明確化し、適正価格での購買につなげる工程を指す。間接材を納入するサプライヤーを選定し、契約するプロセスも含んでいる。この領域を得意とするのがディーコープだ。
パーチェシングは、日々の発注、納品、支払いなどの処理を行う工程だ。ここをシステム化するのがSB C&Sのパーチェスワンクラウドで、約20のカタログ通販サービスと連携している。B2CのECサイトのような使い勝手で品物を注文できるので、利用者が迷わずに使える。
ディーコープとSB C&Sが連携することで、2領域を一気通貫でカバーできるようになった。End to Endの支援体制を構築したおかげで、購買プロセスのあらゆる段階で発生する個別の問題について一本化された窓口で相談を受けられる。
「パーチェスワンクラウドを使うことで購買業務の効率化、可視化、内部統制強化の仕組みを構築可能です。基幹系の会計システムと連携すれば、仕訳や会計処理もシステム化できます。そこにディーコープのコンサルティングが加わることで、初期の見積もりから最後の会計処理まで支援できます」(下平氏)
ディーコープとSB C&Sの“連合”は、「購買業務を改革したい」という意思のある企業を強力にサポートする体制が整っている。ディーコープは北海道から沖縄まで年間1000社以上の経営者と面談して購買に関する相談に乗っている実績があり、SB C&Sは全国規模の販売網を完備。下平氏は「自社の間接材購買を変革したいと考えている企業さまは、ぜひ一度ご相談いただきたいです」と結ぶ。
「間接材の購買改革」を"ビジネス変革"につなげるために
見過ごしがちな「間接材の購買」には、ビジネス改革の“金脈”が隠れています。「購買コストの適正化」「購買業務の効率化」「内部統制の強化」といった変革を実現する方法論について、購買支援サービスを手掛けるSB C&Sとディーコープに聞きました。
間接材がコスト改革の"金脈"に――「購買支援サービス」が日本企業を変える理由
間接材の購買改革にどう取り組めばいいのか分からない――そんな課題を解決する「購買支援サービス」のリーダーを取材。購買改革を成功させるヒントが見えてきました。
間接材購買に迫る変革の波――対応しきれない課題の解決策とは
物価高、オンライン取引の増加、厳格化する法規制などに対応するには、従来の購買プロセスや統制方法を見直す必要があります。ディーコープとSB C&Sが始めた「購買支援サービス」は、企業をどのように支援するのでしょうか。両社の強みや事例を聞きました。
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提供:SB C&S株式会社、ディーコープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2025年9月30日