“ドーム級イベント”の本人確認を歩くだけでさばく エンタメを支える0.3秒の顔認証技術に迫る不正転売に挑むIT×エンタメの職人たち

音楽イベントやドームなど大規模会場で、不正転売対策やなりすまし防止に加えて来場者にスムーズな入場体験を提供する手段として、顔認証システムの活用が広がっている。数万人規模の会場で本人確認を滞りなく進めるには何が必要なのか。

PR/ITmedia
» 2026年07月23日 10時00分 公開
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 数万人規模の観客が短時間に集中する大型ライブやドームイベントにおいて、スムーズな入場オペレーションは顧客満足度の向上と安全管理の両面で不可欠だ。その安定した入場オペレーションを陰で支えているのが、ロココの顔認証ソリューション「AUTH thru」(オースルー)。0.3秒以内という認証スピード※1と、現場主義のサポート体制がもたらしたイベント運営の変革とは。“一発勝負”の興行ビジネスを支える、安定した認証基盤の構築手法と運用方法をロココの担当者インタビューから探る。

※1:iPad Pro第5世代で測定。

大規模イベントにおける「入場ゲートの滞留」がもたらすリスク

 エンタメ業界、とりわけ大規模なコンサートやスポーツイベントの現場では、開演や開始の時刻までに数万人もの来場者を確実、かつ安全に会場内へ案内しなければならない。ここで最大のボトルネックになるのが、入場ゲートにおける本人確認とその入場スピードだ。

 エンタメ業界では長年、チケットの不正転売問題が深刻な課題になっている。不正転売禁止法が2019年に施行されて法的な規制が敷かれたものの、運営には大きなギャップが残されたままだ。

 「1時間以内に数万人を入場させなければならない中で、来場者全員の身分証明書を目視で確認するのは時間的に不可能です」。ロココでエンタメ業界に長年携わり、顔認証ソリューションの立ち上げ初期からメンバーとして関わってきた遠藤大樹氏は実情をこう語る。ピークタイムに一斉に人が動く特有の課題に対して、目視やカードを用いたアナログな運用はゲート前の滞留を招き、安全性への影響も懸念される。

photo ロココ 遠藤大樹氏(事業統括本部 第2事業本部 エンターテインメントソリューション部 係長)

 本人確認を厳格化する目的は不正転売防止の観点にとどまらない。各都市で開催されているマラソン大会では、登録者と参加者が異なる“替え玉出走”が問題視されている。走行中に参加者が倒れた場合、登録者情報と本人が一致しなければ、救護や家族への連絡などが遅れる可能性がある。命に関わる問題だ。本人確認は、安全管理やイベント運営全体に関わるテーマなのだ。

さまざまなイベントでAUTH thruが選ばれる理由

 こうした課題に直面する多くのイベント主催者から高い信頼を得ているのがAUTH thruだ。事前に顔写真を登録した来場者が端末の前を通過するだけで本人確認ができる。認証スピードはわずか0.3秒。目や口などの特徴を捉える「特徴点認証」を採用しており、認証精度は99.67%※2を誇る。

※2:認証精度は環境などの諸条件に影響されます。

 来場者はスマートフォンや紙のチケットを提示して立ち止まる必要さえなく、手ぶらで顔を端末にかざしてゲートを通過するだけ。この優れたユーザー体験に加えて、混雑状況に応じて入場レーンを容易に増設できる柔軟性もリピート利用される理由だ。

 市販のタブレットを認証端末として利用するため、会場の構造や来場者の動線に合わせて配置を調整できる。ロココの吉津陽亮氏は、イベント会場で起きる事象とともにそのメリットを明かす。

 「入場ゲートの位置や規模は、同じ会場でもイベントの種類や収容人数、天候などによって変動します。直前にルールが変わったり、当日の運用中に変更が入ったりすることも日常茶飯事です。『ゲートA』からの入場を予定していたものの、直前になって『ゲートB』も開放するといったとっさの判断が発生することもあります。その場合、大掛かりな機器を設置する認証方式だと、電源や設置スペースの確保が困難です。その点、AUTH thruは当日の状況や人の流れに応じて配置を自由に変更できるため、イベント主催者にも好評です」

photo ロココ 吉津陽亮氏(事業統括本部 第2事業本部 エンターテインメントソリューション部 次長)

 AUTH thruがイベント現場で強みを発揮するもう一つの理由が、オフライン認証を実現した点だ。来場者が登録した顔データをタブレットに同期させているため通信環境が不要で、ローカル端末だけで本人確認を完結させられる。

 「何万人もの人が1カ所に集中すると、周辺のモバイル回線や通信ネットワークが混雑して遮断されてしまうことがあります。オフライン認証に対応しているAUTH thruは、通信トラブルがつきものの野外会場やドーム周辺でも安定して稼働します」(遠藤氏)

大規模イベントならではの課題

 顔認証による本人確認をスムーズに行うためには、事前の綿密なインフラ対策と当日の臨機応変な運用が求められる。イベント当日までに、参加者が顔写真を登録するWebサイトやサーバの構成、端末へのデータ同期、タブレットのキッティングなど、複数の準備工程がある。

 大規模イベントでは、顔写真登録時のアクセス集中にも備えなければならない。公演の規模や登録期間などを考慮してサーバの容量を調整。登録された顔写真データをタブレットに同期する作業も発生する。

 来場者に対して顔写真の登録を依頼するタイミングや厳格さは主催者のレギュレーションによって異なる。最も厳格なパターンでは、チケットの申込時に顔写真の登録を依頼するという。これによって、複数アカウントを使った申し込みや当選後の転売をほぼ完全に防止するロジックを組み込める。

 イベント当日までの準備フローについて、同社の開発エンジニアである中井悠聖氏はこう話す。

 「事前準備で確認すべきことは多岐にわたります。直近で担当した数万人規模のイベントでは、参加者の顔写真データをタブレットに同期するだけで10時間から12時間ほどかかりました。タブレットも100台以上用意して臨みました」

photo ロココ 中井悠聖氏(事業統括本部 第2事業本部 システムソリューション部)

通信、逆光、待機列――現場で求められる運用ノウハウ

 しかし、どれほど入念に準備しても、イベント当日は自然環境や来場者の動きによる想定外の事態が次々と発生する。ロココが主催者から評価されているのが、大規模イベント運営に長けた同社のスタッフによる支援体制だ。全てのイベント会場にロココのエンジニアが入って、トラブル対応や現地支援を担う。

 特に屋外の会場で大きな課題になるのが逆光だ。強い光の差し込みは、顔認証システムの判定精度を低下させる恐れがある。ここでもロココ独自のプロセスとノウハウが生きる。

 「逆光は、確かに顔認証の精度を低下させます。ただ、私たちはシステムと運用の両方から改善を続けてきました。システム面は、特定のレーンだけ認証のしきい値をコントロールするなどの改修をしています。同時に、状況を確認しながらレーンの向きや角度を調整したり、場所に制約がある場合は別のレーンに誘導したりと、物理的な調整や現場の運用でカバーすることによってトラブルを回避しています」(遠藤氏)

 屋外や太陽光の影響を受ける環境では影の位置が変わるので、時間に応じて端末のポジションや角度を調整する姿は、まさに現場を熟知した「職人技」と言える。

 同じく、エンタメ業界ならではの難しさに、主催者やアーティストの「こだわり」が入場のレギュレーションに強く反映されることが挙げられる。

 「主催者のこだわりの強さは、お客さまに心から楽しんでもらいたいという思いの表れです。入場ゲートの本人確認は、主催者のこだわりが詰まったイベントの始まりの場です。私たちも主催者の思いをくみ取って、お客さまがイベントに集中できるようにサポートしています」(吉津氏)

 ロココのスタッフは、SNSのコメントなどをリアルタイムでチェックしている。「待機列が長くなっている」「認証画面が後ろの人に見えてしまっている」といった来場者の声を拾い上げ、主催者と相談してタブレットの配置を変えたり本人確認を前倒ししたりといった改善を即座に反映させている。

photo イベント会場では、写真のようにタブレットの背面を来場者に向けている。認証画面を来場者に表示させず、認証できなかった場合はスタッフが身分証やチケットを確認する

エンタメ領域を幅広く知るロココの強み

 ロココの際立った強みは、エンタメ領域のシステムを幅広く手掛けている点にある。同社はチケッティングシステム、チケット抽選・配席システム、票券データ管理、ファンクラブプラットフォームなど、複数のイベント運営サービスを展開している。

 「当社はIT企業です。一方で、エンタメ領域での開発事業も長らく手掛けてきました。ITとエンタメに関するノウハウを持っている点には自信があります」。吉津氏がそう語るように、チケット販売や配席の仕組みの裏側まで知り尽くしているからこそ、顔認証をどのタイミングで組み込むべきか、ファンクラブ会員アカウントとどのように連携させるべきかを主催者の負担を抑えながら設計できる。

 多数のイベント会場で実証されたAUTH thruの安定性と柔軟性は、展示会やカンファレンス、セミナー、オフィスの拠点管理といったビジネス領域の受け付け業務においても高い価値を発揮するはずだ。目的によって本人確認に求められる厳格さは異なるが、「スムーズな入場を提供したい」という主催者の思いは共通している。

 「利便性やセキュリティだけでなく、顔認証を使った本人確認を一つのエンタメとしてお客さまに楽しんでもらえたらと考えています。実際に、顔をかざしてゲートを通れた瞬間に『すごい!』『未来っぽい!』と感動して笑顔で入場されるお客さまがたくさんいます。イベントという非日常を楽しむ空間の入り口として、この特別な入場体験をさらに多くの現場に広げたいですね」(遠藤氏)

 さまざまなイベント会場で磨き上げられた0.3秒の認証技術とIT×エンタメを知り尽くした現場サポートの融合は、さまざまなビジネスの入場管理やDXの課題に対する解決策になるはずだ。

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提供:株式会社ロココ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年8月22日