「音声」は新たなビジネス資産に Shureの新しい天井マイクは会議体験をどう変える?

ハイブリッドワークの定着やAIミーティングアシスタントの普及に伴って、企業の会議音声管理は大きな局面を迎えている。従来の「人が聞き取れればよい」という基準に加え、「AIが正しくテキスト化・分析できる精度」が求められる時代にシフトした。

PR/ITmedia
» 2026年10月15日 10時00分 公開
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 リモートワークやWeb会議システムの普及によって、会議室に変化が起きている。背景にあるのは、生成AIの進化とAI活用ニーズの拡大だ。会議室で交わされる音声データは、AIを用いた議事録の自動生成や議論のポイントの分析、リアルタイム翻訳など、企業の生産性を高めるための「データ資産」に位置付けられるようになった。

 会議の音声を適切に記録できるかどうか、その音声データをAIがスムーズに解釈できるかどうかが、ビジネスの成否を左右する。それに伴って、会議用AVソリューションの品質評価軸は従来の「人が聞き取れる音」だけでなく、「AIが正確に認識できる音」という新たな尺度が加わりつつある。

 こうした変化で存在感を増しているのが、天井に埋め込むシーリングアレイマイクだ。会議室全体を余すところなくカバーして話者の声を的確に捉えるためには、テーブルトップマイクやビデオバーなどでは不十分なことも多い。シーリングアレイマイクの高い収音性と指向性は、高品質な会議室AVシステムを実現したいというニーズにマッチしている。

 このシーリングアレイマイクの市場をけん引してきたのが、Shureの「Microflex Advance MXAシーリングアレイシリーズ」だ。Shureは2016年、実用的なシーリングアレイマイクの初代モデル「MXA910」を投入して以降、同カテゴリーの普及を先導してきた。そして10年の節目に最新モデル「MXA925」が登場した。

photo MXA925シーリングアレイマイクロホン(提供:シュア・ジャパン)

 従来機のMXA920は、役員会議室や多目的室、教室など、さまざまな環境で高品質な収音を実現して人気を博してきた。MXA925は、MXA920の技術的な優位性を引き継ぎながら、AI技術を使って音声品質を大幅に向上させた。

高度な音声処理をマイクに集約 AI技術で高品質な音を実現

 MXA925に搭載されたアレイマイクの構造はMXA920を踏襲しており、発言者の声を自動で捉えて収音できる「オートマチックカバレッジ」や、最大8本の収音範囲をマニュアルで設定できる「ステアラブルカバレッジ」といった機能は基本的に同等だ。最も異なる点は、マイクが拾った音を処理するオーディオプロセッサにある。

 MXA920の8倍もの処理性能があるハードウェアとAI対応のプロセッシングソフトウェア「IntelliMix DSP」を搭載し、新しいプロセッシングプラットフォームを実現した。その狙いは、AI技術を活用した音声処理を外部のハードウェアプロセッサなどではなくアレイマイクで実行させることにある。具体的にはIntelliMix DSPには、「AIアコースティックエコーキャンセラー」(AI AEC)、「AIデノイザー」「AIデリバーブ」という3つの機能が搭載された。

 注目したいのは、エコーキャンセラーの進化だ。従来のMXA920にも、高性能なアコースティックエコーキャンセラーを含む音声処理機能が搭載されていた。MXA925は、AI技術を応用したソフトウェアプロセッシングを内蔵できるようになった。この特性は、エコーキャンセリングにおいて重要な意味を持つ。

 エコーキャンセリングの弱点の一つに「ダブルトーク」という問題がある。会議室参加者とリモート参加者が同時に発言すると、処理しなければならない情報が増大する。その結果、プロセッサはエコーをリアルタイムに推定することが困難になり、適切にエコーを除去できなかったり音声がつぶれたりして音が聞こえにくくなる。従来のエコーキャンセリングは、音響環境の急激な変化に弱い。

 これに対してAI AECは、さまざまな音響環境パターンを事前学習したモデルを用いて、多様な音響環境でエコー成分を瞬時に判別する。正確かつ安定してエコー成分を除去でき、常にきれいな音声を保てる。

 筆者が実機デモで体験したところ、従来のMXAシリーズでダブルトークが発生すると時折リモート話者の発言音声が潰れて聞こえることがあった一方、MXA925で収音した音声は、会議室内とリモートの両参加者の声がクリアに聞こえて同一の会議室で議論しているかのような鮮明さだった。

 議論が白熱して、複数のメンバーが同時に話し始めることはよくある。そのような状況でも最初のワードからしっかり収音・録音できれば、「相手の発言が終わってから話し始める」という“Web会議のお作法”で活発な議論を止める必要もなく、会議の生産性を向上させられるだろう。

AI AECのデモンストレーションの様子。動画後半では、ダブルトーク時の聞こえ方の違いも確認できる

 AIデノイザーとAIデリバーブは、会議室で発生する不要な音の影響を抑制する機能だ。AIデノイザーは、キーボードのタイピング音のような断続的なノイズを的確に除去できる。AIデリバーブは、フローリングやガラス窓など音が反響しやすい素材が多い会議室で生じる残響成分を抑え、発声を明瞭に届ける機能だ。これらの技術はオーディオプロセッシングソフトウェア「IntelliMix Room」に搭載されていた機能で、これをMXA925に内蔵したというわけだ。

 高度なAI音声処理をアレイマイク本体で完結できるようになったことで、システム構成に依存せずに高品質な音声を実現できるようになった。どのようなアコースティック環境、システム環境においてもShureの高水準の音声品質に強化できるということだ。

より使いやすく 管理しやすいMXA925

 MXA925は、設計や施工、運用保守の負担を軽減する工夫も凝らされている。その一つが、デュアルネットワークインタフェースだ。

 Shureの会議用AVソリューションは基本的にネットワークオーディオ、つまりイーサネットを介して音声通信(Dante)やデバイス制御の情報をやりとりするアーキテクチャを採用している。従来のMXAシリーズに搭載されているイーサネットポートは1つのみで、音声・制御の両方を共存させていた。

 ここで課題になるのが、音声の管理と機器の管理を分けたいというニーズだ。ネットワークスイッチなどで通信を分離するのは技術的にハードルが高い。そもそもセキュリティの観点から、他のITシステムと同様に音声と制御の系統を物理的に分離したいというニーズもある。

 MXA925は2つのイーサネットポートを実装しており、音声通信と機器管理を物理的に分離できる。音声は安全な閉域ネットワークを通し、機器管理はインターネットにつないでクラウド管理サービスの「ShureCloud」を用いることも可能だ。

photo (提供:シュア・ジャパン)《クリックで拡大》

 前述したように、会議などの音声はAI分析などに活用する重要なデータの一つになっている。欧米を中心に、音声データの保護や音響設備の安全性強化は重視されつつある。そこで、802.1X認証に対応した。

 MXA925の外観は、MXA920やMXA910などとほとんど変わらず、スクエア型とラウンド型が用意されている。シーリングアレイマイクは天井に埋め込んで使用することが多い。すでにMXA910などを導入している企業であれば、天井パネルを取り外すなどの大掛かりな作業をせずに、機器を入れ替えるだけで簡単にアップグレードできる。MXA925を追加で導入する場合も既設の機器と違和感なく調和する。カラーバリエーションは、スクエア型モデルでブラックが復刻し、インテリアに合わせやすくなった。

 MXA925から、シーリングアレイマイクとして初めて延長保証(標準保証+3年)を追加できるようになった点も押さえておきたいポイントだ。

80年かけてアレイマイク技術を結実 Shure100年を背負ったMXA925

 冒頭で述べたように、MXAシリーズは10周年を迎えた。しかし、ベースになっているShureのマイクアレイ技術のルーツは、さらに80年近くさかのぼる。

 シュア・ジャパンの硲夏希氏(シニアマーケティングマネージャー)は、MXAシリーズは「10年前に突如現れたものではありません」と強調する。

 「Shureのエンジニアであるベンジャミン・バウアーは、1938年、複数のマイクロホンを用いて指向性を形成する、現在のビームフォーミングマイクアレイにつながる考え方を示しました。しかし、音声信号の処理や計算、マイクの小型化など、当時の技術では実現が困難な先進的な考えでした。それでもShureは技術を進化させて、2016年にMXA910として結実しました。そして、さらに10年をかけて磨き上げたのがMXA925です」

photo Shureはおよそ80年前からアレイマイク技術の研究に着手してきた(提供:シュア・ジャパン)《クリックで拡大》

 AIの発展に伴って企業のさまざまな情報を高度に活用できる時代が到来した。特に音声は、多様なアイデアや経営課題を含んでおり、積極的に活用したい情報の一つだ。議論の内容を確実に収音してデータとして管理することが求められている。音声データを獲得するマイクは、いま最も注目すべき強化ポイントだ。

 会議室の音響を強化するという点で、シーリングアレイマイクは特に注目されている。MXA925は、高度なAI音声処理をマイク本体で実現することで高い音声品質を実現できるようになった。運用性も大幅に向上しており、AI活用を前提として音声データ収集の中核になるはずだ。2025年に創立100周年を迎えたShureの技術の集大成で、AI活用をさらに進めていただきたい。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年11月14日