第122回 紅葉と色づきの関係:今日から始めるデジカメ撮影術(4/4 ページ)
春の桜と並ぶ“季節もの”被写体の代表は紅葉。しかし、この紅葉も実は結構難しい。きれいに染まった紅葉を鮮やかに撮るにはどうすればよいだろうか。
紅葉を広く撮る
お次はもうちょっと引いて撮った写真。アップで撮るともみじの7つに分かれた葉もきれいにな形になるが、遠くから引いて撮ると葉の形は分かりづらくなり、それよりは黄色や赤の色とりどりっぷりや枝の形を楽しむようになる。
だから、枝の流れが分かるような構図で撮った方がいい。全体を赤くしちゃうと何を撮りたかったのかが分からなくなってしまう。
さらに引いてみる。
広い範囲を撮るとき、望遠で遠くから撮るか広角で近くから撮るか。いずれにせよ空が入ることになるので露出に注意すること。引いて撮ると、山一面の紅葉というわけでない限り、赤や黄色や緑やいろんな木々が混じる。それもまたよし。
ちなみにどちらも撮影したのは平日、月曜日。にもかかわらず客が多かったのでどの写真にも人が大勢写ってしまいました。びつくり。
引いて撮るといえばやはり並木。イチョウ並木である。
広角でイチョウ並木を撮影。広角で撮るときはしゃがんで低い位置から見上げるようにし、地平線を下の方に置くと迫力が出る。
こちらは中望遠でイチョウ並木を撮影。銀杏が密集してアーケードのような感じになる。
どちらがいいかはそのイチョウ並木の密集度や天候で判断するといい。大事なのは「ちゃんと道の真ん中から撮ること」と「カメラを水平に保つ」ことかな。
最後に額縁効果写真を。門や窓枠を通して風景を見ると、それらが額縁の役割をして窓の中の風景が強調され、絵画のように見える……ことがある。休憩所からそれを狙って撮ってみた。
この2枚が異なるのは、撮影位置と焦点距離。
1枚目は窓の近くから広角にして、真っ赤に色づいた木が枠に収まる構図にしてみた。2枚目は少し離れて中望遠で、そのかわり、後ろに見える風景を、紅葉した木が窓枠でまっぷたつになるよう大胆に切り取ってみた。1枚目の方が遠くの風景を見ているようであり、2枚目は風景が迫ってきているように見える。
これもまた広角と望遠のマジック。同じ場所から同じように撮ってもちょっとしたことで写真は大きく変わるのだ。だから面白いわけである。
みなさまも身近な紅葉をぜひ。
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