「FinePix Real 3D W3」で3D自炊(2/2 ページ)
テレビにパソコンと対応機器は増えたがコンテンツがなかなか増えない3D。ならば自分で撮影して、まずは3Dパソコンで楽しんでみましょうというお話。
本製品で撮影した3D映像は本体背面液晶のほか、HDMI接続した3D対応テレビ、3D対応パソコンの3通りで楽しめる。背面液晶の印象は既に述べたところだが、3Dメガネを利用する本格的な3Dシステムではどのように見えるのか。今回は3D対応パソコン ASUSTeKの「G51Jx 3D」を用意した。
G51Jx 3Dにはアクティブシャッター式の3Dメガネを使うことで、画面に映し出されるゲームや映像の立体視を実現する「NVIDIA 3D Vision」システムが付属する。現在は対応ゲームの3D化がメイン機能といえる状態だが、システムに含まれる「NVIDIA 3D Player」にFinePix Real 3D W3で撮影した.AVIファイルを読み込ませると、無事に立体感ある映像として楽しむことができた。
専用メガネを使うだけのことはあり、こちらで得られる立体感は背面液晶で得られるそれよりも強い。ただ、上手に立体感が得られなかったり、人によってその感じ方に強弱があることもあった。NVIDIA 3D Visionは奥行きの調整も可能なほか、被写体との距離や被写体の動き、ピントを置く場所など映像側にもまだまだ工夫の余地があるように感じた。
今回は時間の関係で最適な3D映像撮影の条件と、NVIDIA 3D Visionの視聴パラメータを精査するまでには至らなかったが、ノートPCで手軽に立体映像を楽しめるというのは思った以上に楽しいと感じる。
G51Jx 3DではFinePix Real 3D W3で撮影した立体写真も楽しめる。撮影できる立体写真は前モデルのW1と同様、角度の違う2枚のJPEGファイルを1つにまとめた.MPOファイルの形式で保存されており、そのファイルをG51Jx 3D付属の「NVIDIA 3D Vision Photo Viewer」に読み込ませると立体視できる形式としてG51Jx 3Dの液晶に表示される。このソフトは立体視の表示方式をアクティブシャッターを用いた方式のほか、交差方とアナグリフに切り替えられるので、専用メガネがなくとも立体写真として楽むことが可能だ。
デジカメとしての機能については、前述したようW1の機能をほぼそのまま継承している。2D(普通の撮影)撮影機能としては2つのレンズを利用したテレ/ワイド同時撮り、高/低感度同時撮りなどが用意され、3D撮影機能としては時間差で2枚を撮影して3D化する「3D時間差撮り」、2つの角度から撮影した画像を合成して3D化する「3D2回撮り」などだ。
なんといっても本製品の特徴は、3D映像をほぼフルオートで撮影でき、それを背面液晶/対応テレビ/対応パソコンという3つの方法で楽しめることだろう。よく言われていることだが3Dについては現在のところ再生機器に比べて対応コンテンツの数が絶対的に不足している。パナソニックは3D対応ビデオカメラを投入したが、別売コンバージョンレンズを購入する必要があり、価格的に手軽とは言いにくい(→パナソニック、世界初の家庭用3D対応ビデオカメラを発売)。
本製品は実売4万8000円とコンパクトデジカメとしては高価な部類にはいるが、レンズと撮像素子を2つ備えた「ネイティブ3Dカメラ」としてみれば破格の価格といえる。3Dテレビを買った、3Dパソコンを買った、あるいは3Dでの映像制作に興味があるという人ならば手にする価値はあるはずだ。
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