リコー「GXR」の新ファームウェアを試用する
リコー「GXR」に新ファームウェアが提供開始された。機能追加という意味では、シーンモードの追加とAE/AFまわりの機能強化が主な特徴となる。この2つを中心に試用した。
リコーが「GXR」向け最新ファームウェアの提供を開始した。最新ファームウェアの適用による主な機能強化・改良についてはこちらの記事で既に紹介しているが、機能追加という意味では、ざっくり言えばシーンモードの追加とAE/AFまわりの機能強化が主な特徴となる。この2つを中心に試用した。
シーンモードの追加は、モードダイヤル「SCENE」を選択すると新たに用意されたソフトフォーカス、クロスプロセス、トイカメラ、ミニチュアライズ、ハイコントラスト白黒の5つを確認できる。撮影設定については既存のシーンモードと変わらず、ADJ.レバーを押し込めばホワイトバランス/ISO感度/画像サイズとアスペクト比/色調をスピーディに設定できる。 ミニチュアライズに関しては、効果範囲の位置と効果も調整可能だ。
AE/AFについては、ADJ.レバーを押すと選択できるターゲット移動の方法に、「追尾」が追加された。これはいわゆる被写体追尾AE/AFで、「追尾」を選択後、対象へカーソルをあわせた状態で「OK」ボタンを押すと被写体が移動してもAE/AFが追尾する。
実際に試用したところ、追尾精度はまずまずという印象。被写体がフレームアウトしても、フレームアウトした場所から再度被写体がフレームインすれば、追尾は再開された(違う場所からフレームインした場合、追尾は再開されなかった)。ただ、コントラスト検出での追尾なので、被写体が移動して同系色の背景や被写体に重なったりすると、追尾が外れてしまう、ずれてしまう現象も見られた。
このように追尾が意図通りにならない場合、その際にはADJ.レバーを押せばカーソルが画面中央に復帰し、「削除」を押せば被写体追尾AE/AFは解除される。GXRのユーザー層を考えると、追尾機能がどれだけ必要かという問題はあるのだが、カーソルが被写体を追いかける様子は結構かわいらしいというかいじらしい。
このほかにもノイズリダクション効果の調整(OFF/AUTO/弱/強/MAX)、ホワイトバランスの設定追加(白熱灯1/白熱灯2)、ADJ.レバーおよびFn1/Fn2ボタンからのアスペクト比変更、シャッタースピード優先時の自動シフト機能(指定したシャッタースピードで露出があわせられない場合に適正値にカメラが自動設定する)などm細かな機能強化、使い勝手の改良が行われており、加えて、レンズユニットごとの使い勝手を向上させる機能強化も本バージョンアップで行われている。
特に多くの機能向上が図られているのがA12 28mm/50mmユニット利用時で、ズームボタンにデジタルズーム/露出補正/ホワイトバランスの調整を割り当てることが可能となるほか、マニュアルフォーカス時にマクロボタンを押しながらフォーカスリングをまわすとより高速なピント合わせが行えるようにもなっている。また、S10ユニット利用時にはズームポジションの登録も可能となっている。細かな使い勝手の改良も多いので、ぜひとも導入しておきたいファームウェアだ。
関連記事
- リコー 「GXR」と「GR Digital III」に新ファームウェア提供
リコーは「GXR」と「GR Digital III」の新ファームウェア提供を3月28日より開始する。 - CP+2011:ライカMレンズ装着可能な「GXR用レンズマウントユニット」を展示 リコーブース
リコーブースでは「GXR用レンズマウントユニット」(仮称)として発表された、GXRにライカMマウントレンズを装着できるユニットの参考展示が行われている。 - リコー、ライカMレンズなど装着可能なGXR用新ユニット
リコーが「GXR」用新ユニットとして、ライカMレンズなどの装着が可能な「レンズマウントユニット」を投入する。 - 矢野渉の「金属魂」的、デジカメ試用記:それはヤボというものだ――リコー「GXR」(3)
カメラマン・矢野渉氏が被写体への愛を120%語り尽くす連載「金属魂」。プライベートで長く「GX100」を愛用する矢野氏が「GXR」へ施すカスタマイズとは。いまさらデジカメに単体露出計が必要? それはヤボというもの。 - 永山昌克インタビュー連載:ユニット交換デジカメは成功するか?――リコー「GXR」開発者に聞く
リコー「GXR」は、レンズと撮像素子、画像処理エンジンをまとめてユニット交換できるコンパクトデジカメだ。レンズ交換ではなくユニット交換を採用した狙いは何か。商品企画の担当者に話をうかがった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.