NEX-C3は「3の世界」をさらに広げるカメラ:インタビュー(2/2 ページ)
“世界最小最軽量”をうたい、新UIも搭載したソニーの意欲作「NEX-C3」。ただ、NEX-5とはスペック的は上回る部分もあるなど、システム全体としてはいびつに見える部分もある。何を思い、何を実現すべくNEX-C3を投入したのか。ソニーに尋ねた。
もちろん、新たに小型バッテリーや小型メモリカード規格の採用という選択肢もありましたが、採用部材についてはトレンドもありますから、現実的な選択は何かを考え、まずは既存部材の継続利用を選択しています。
内部的にはスタミナ性能の改善(消費電力の抑制)が第一要件でした。NEX-C3ではNEX-3/5と同一のバッテリーを利用しながら、CIPA基準で約400枚の撮影を実現しました(NEX-3/5では同基準で約330枚)が、もう少し撮れるといいなとも感じています。どこまでのスタミナ性能を実現できるのかはこれから見極めたいです。
――有効1620万画素の新型センサーを搭載していますが、動画撮影機能が最大1280×720ピクセル(MP4)とNEX-3から変わらないのはなぜなのでしょう。NEX-5との上下関係を崩さないためなのでしょうか。
宮井氏: 動画記録のスペックだけを論じれば、1920×1080ピクセルのフルハイビジョンのほうが、1280×720ピクセルよりいいのは確かですが、製品のキャラクターを考慮しました。NEX-3/5についての調査では、動画にこだわる人がNEX-5を選択しているという結果もありますので、コンパクトデジカメを持っていて、「静止画をもっときれいに撮りたい、でも、気軽さも大切」というひとがNEX-C3を手にしてほしいという考えです。
NEX-3(C3)とNEX-5は上位下位の関係ではなく、平行して存在するものなのです。いずれもEマウントを採用するレンズ交換式デジタルカメラという意味では同一カテゴリに属しますが、それぞれの指向する方向性は異なるのです。その方向性をキーワードとして表現すれば、NEX-5は「先進性」「モノとしての存在感」であり、NEX-3(C3)は「カジュアル」「コンパクト」「軽快感」となります。
とはいえ、まだまだNEXシリーズのカメラが身につけるべき要素、キーワードはたくさんあると思っています。「一眼的」であるとか「動画」といったキーワードをどのようにフォローしていくかはこれからの課題として、努力していきたいと思います。
関連記事
- 写真で見比べる2つの世界最小・最軽量――「NEX-C3」「DMC-GF3」
ソニー「NEX-C3」と「DMC-GF3」はいずれも「世界最小最軽量」をうたって登場したレンズ交換式デジタルカメラ。この2製品を見比べる。 - 写真で見る、世界最小最軽量デジタル一眼「NEX-C3」
NEX-3の後継となる「NEX-C3+」が発表された。既存モデルよりもスリムになったその姿を写真で紹介する - 世界最小最軽量、新UI採用のデジタル一眼「NEX-C3」
ソニーがEマウントを採用したデジタル一眼カメラの新製品「NEX-C3」を発売する。各所の見直しによって「世界最小最軽量」としたほか、オート撮影時にも効果を確認しながらエフェクトをかけられる新UI「マイフォトスタイル」を採用した。 - NEX-5で「ピクチャーエフェクト」を試す
ソニー「NEX-3/5」の新ファームウェアを適用することで、新たに「ピクチャーエフェクト」とMF撮影時にピントを確認しやすくする「ピーキング機能」が利用できる。これらの効果を確認した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.