第3回 アーティスティックに加工するRAW現像のコツ:デジタル一眼ビギナーのためのLightroom入門
デジタル一眼で美しい写真を撮るには「RAW」撮影が最適です。RAW撮影の後には「現像」処理が必要ですが、RAW現像ソフト「Lightroom」では、写真の色や明るさを最適化することで、撮影の狙いを明確にしたり、エフェクトを加えることで印象強い写真へ仕上げるられます。そんな作品作りのためのRAW現像テクニックを紹介します。
風景写真の傾きと色合いを最適化する
前々回(デジタル一眼ビギナーのためのLightroom入門:第1回 写真を見違えるように仕上げるRAW現像の基本)ではRAW撮影のメリット、前回(デジタル一眼ビギナーのためのLightroom入門:第2回 現像モジュールの7つの機能を使いこなす)はLightroomにおけるRAW現像の基本を紹介しました。今回は、Lightroomの複数の機能を活用して、デジタル一眼で撮影したRAWデータを狙ったイメージに仕上げる方法を紹介しましょう。
まずは、風景写真の形と色を最適化するケースです。素材となる元の写真は、広角レンズで撮影したため灯台が斜めに傾いて写っています。水平線の傾きや、ややぼんやりとした色合いも気になります。
カラー写真をダブルトーン風に仕上げる
「明暗別色補正」パネルでは、写真のハイライト部とシャドウ部のそれぞれに特定の色みを追加することができます。この機能を利用して、フルカラーの写真を2色で構成されたダブルトーン風の写真に変換してみましょう。
最後に「補正ブラシ」を利用して部分的な補正を加えます。補正ブラシは、ドラッグした範囲の色や明るさ、コントラスト、彩度などをコントロールするツールです。この写真では、露光量をマイナスに設定した補正ブラシで空の部分をドラッグし、空が暗くなるように補正しました
トイカメラのような色彩感を演出する
最近のデジタル一眼は、写真にさまざまな特殊効果を加えるエフェクト機能を搭載した製品が増えています。そんなカメラのエフェクト機能と同じような効果は、Lightroomでも簡単に作り出すことができます。ここでは、トイカメラのようなイメージに仕上げる方法を紹介しましょう。
現像プリセットを活用する
Lightroomで行うさまざまな補正の設定は、メニューの「写真」から、「プリセット」として名前を付けて保存することができます。いったんプリセットに保存しておけば、別の写真に対して同じ補正をワンクリックで適用可能になります。
また、あらかじめLightroom内に用意されたプリセットを利用したり、ウェブ上で公開されているユーザープリセットをダウンロードして使用することもできます。ウェブ上のプリセットは「Lightroom プリセット」などで検索すれば、特定のフィルム風や印画紙風、レトロ調などさまざまな種類のものを見つけられるはずです。
他の人が作成したプリセットを利用することは、その補正をそのまま適用するだけでなく、自分では気が付かなかった機能の設定や組み合わせ方を発見し、学べるというメリットもあります。プロカメラマンを含めた数多くのユーザーが、世界中にいるLightroomの強みといえる部分です。
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