「OLYMPUS OM-D E-M5」第5回――マイクロフォーサーズの楽しさはレンズ交換の楽しさ:長期試用リポート(2/2 ページ)
マイクロフォーサーズはレンズ交換が楽しい。そりゃあ、ニコンやキヤノンに比べると本数では劣るが、システムとして軽いので「あと1〜2本持っていくか」という気にさせられる。そんな訳でいろいろレンズ交換してみるのだ。
100-300mm F4-5.6をつけてみる
パナソニックのズームレンズや中望遠以上の単焦点レンズには、手ブレ補正機構が搭載されていてON/OFFスイッチがついてる。これをオリンパスのボディで使うとどうなるか。
レンズ側の手ブレ補正をオンにしておくと常時補正がかかる。つまり、ファインダーをのぞいた段階でブレが補正された画像が表示されるので、構図を決めやすい。ボディ側の手ブレ補正のみにすると、半押しした段階ではじめて手ブレ補正が効き始める(半押し時手ブレ補正をオンにしたときのみ)。だから手持ちで構図を決めたりMFしたいときは半押しした状態じゃないときつい。
撮影時はどうなるか。ボディ内手ブレ補正をオフにしてもちゃんとレンズ側の手ブレ補正は効く。逆もまた真。
レンズもボディも両方ともオンにすると、(この辺に詳しい知人のカメラマンに聞いたところ)ボディ内手ブレ補正が優先されるという。
まあ、ボディ内手ブレ補正は常時オンにしておき(オンオフを切り替えるのめんどくさいし)、レンズ側はそのときどきに応じてオンにしたりオフにしたりでいいんじゃないかと思う。わたしはレンズ側の補正はオフにして、ボディ側の半押し時手ブレ補正をオンにして使うことが多い。
同等焦点距離のオリンパスのレンズも出てるのだけど、パナソニックのボディも持っている関係で、わたしはこっちをこっちを使ってますということで。35ミリ換算600ミリでこれだけコンパクト&手持ちで使えるってのは、それだけで楽しいもんですわ。
持ってて便利な10倍ズーム
持ってると便利なのがいわゆる「28-300mm」に相当する10倍クラスの高倍率ズームレンズなわけで、1本あれば広角から望遠までこなしてくれる。
マイクロフォーサーズで該当するレンズは2本。1本はパナソニックからDMC-GH1と一緒に出た「LUMIX G VARIO HD 14-140mm F4.0-5.8 ASPH.MEGA O.I.S.」で、もう1本はオリンパスの「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6」だ。
オリンパスのレンズに手ブレ補正はないけど(当たり前)、細くて軽くて安い。重さはなんと260グラム。パナソニックのは約460グラムなので200グラムも軽いのだ。これはスゴイ。細くて軽くて安いのである。
ただ悩ましいことに、写りはパナソニックの14-140ミリの方がいいのだ。オリンパスのは軽くて細くていいんだけど、色収差がけっこう大きかったりディテールの描写が甘かったりする。
同じく「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6」。今度はテレ端。撮影場所はちょっとずれてるけど、テレ端でギリギリまで寄ってぼけを楽しむのもよし。便利な楽しいレンズである。
まぁ、軽くて小さくて安くて明るくて高倍率で高性能なレンズ、なんて都合のいいものはないってことですな。とはいえ、OM-Dというカメラにつけるから妙にアラが気になってくるわけで、日常のスナップ用としては軽くて細くて高倍率で、便利すぎるレンズである。
広角系重視なら12-50mmを、望遠系重視ならこの14-150mmをベースに、明るくて高性能な単焦点レンズを数本組み合わせるというのも手だろう。と、いろいろとレンズをつけかえて遊んでみた。
このあとはオリンパスからハイエンドな中望遠〜望遠レンズが2本出てくる予定だし(60mmマクロと75mmF1.8)、さらに面白くなりそうである。
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