ハイブリッドCMOS AFに対応したKiss最新作――キヤノン「EOS Kiss X6i」(2/3 ページ)
人気のデジタル一眼、キヤノン「EOS Kiss」シリーズの最新作として「EOS Kiss X6i」が登場。見どころは、新開発「ハイブリッドCMOS AF」によって、ライブビューや動画撮影のAF性能が大きく進化したこと。試作機によるレビューをお伝えしよう。
EOSシリーズ初のタッチパネル液晶
液晶モニタには、アスペクト比3:2の3型/約104万画素のTFT液晶を搭載する。上下左右に可動するバリアングル構造をEOS Kiss X5から継承した上で、新たにタッチパネルに対応している。画面上の被写体に触れることで、その部分にフォーカスを合わせることができ、タッチシャッターを設定した場合は、合焦と同時に撮影も行える。
また、メニュー画面の選択やクイック設定、再生時の画像送り、ズーム再生などもタッチパネルで操作できる。タッチのレスポンスは特に問題のないレベルだ。
新機能としては、連続撮影した4枚の画像をカメラ内で自動合成してノイズを抑える「マルチショットノイズ低減」や、露出をズラしながら撮影した3枚の合成によって広階調の画像を作り出す「HDR逆光補正」、レンズの色収差補正などを搭載。連写は秒間5コマにスピードアップした。また、再生時に特殊効果を施すクリエイティブフィルターには、新たに「油彩風」と「水彩風」が加わり全7モードに対応する。
撮影モードは、シーンの自動認識が働くシーンインテリジェントオートのほか、プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、ストロボ発光禁止、クリエイティブオート、ポートレート、風景、クローズアップ、スポーツ、夜景ポートレート、手持ち夜景、HDR逆光補正の計14モードが用意。
絞り値やシャッター速度はグリップ部の電子ダイヤルで調整でき、専用ボタンを併用することで、ISO感度やドライブモード、ホワイトバランスなどを素早く変更できる。このあたりの操作系はこれまでの製品を踏襲する。
最高ISO25600の高感度に対応
撮像素子には、APS-Cサイズの有効1800万画素CMOSセンサーを、処理エンジンには「DIGIC 5」を採用。感度はISO100〜12800に対応し、拡張設定でISO25600も選べる。オートISOを選んだ場合は、自動調整される上限をISO400〜6400の範囲でカスタマイズすることも可能だ。
画質の調整機能としては、これまでと同じく7種類のピクチャースタイルを搭載。ピクチャースタイルの「オート」を選んだ場合は、撮影シーンに応じて色合いが自動調整される。同社のサイトから新規のピクチャースタイルを追加インストールしたり、オリジナルのピクチャースタイルを「ユーザー設定」に登録することもできる。
トータルとしては、画質と機能、操作性がバランスよくまとまり、エントリーユーザーにとって扱いやすいカメラに仕上がっている。特に、これまでの弱点だったライブビュー撮影時のAFが実用レベルに改善されたことが大きい。ミラーレスカメラのような超小型ボディではないが、エントリー層の中でもファインダー撮影時の動体への適応性を重視する人には有力な選択肢になるだろう。
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