ニコン「D3200」第3回――動画撮影機能を使いこなすために知りたいこと:長期試用リポート
エントリー機ながら2400万画素の高画素となったD3200。今回は動画撮影機能に注目し、D3100にはなかったフルHD/30pやHD/60pなどを撮り比べる。
マニュアル露出撮影も可能なD3200の動画撮影機能
デジタル一眼レフカメラでも当たり前となった動画撮影機能。D3200にも搭載されており、フルハイビジョン(1920×1080ピクセル)/30p(29.97fps)のほか、映画のような24p(23.976fps)も選択して撮影することができ、撮影の幅が広がることとなった。D3200は位置づけとしてはエントリー機だが、豊富なニッコールレンズを使うことで、レンズ交換によるさまざまな動画撮影を楽しめる。
動画撮影時の露出はフレームレートを基準としたオートモードのほか、マニュアル露出撮影も可能となっている。マニュアル設定にするとシャッタースピードとISO感度を変更して撮影することができる。とはいえ、動画でシャッタースピードを速くしても動きがカクカクするだけで一般的な撮影でのメリットは少ない。ボケの量をコントロールする絞り値は、静止画撮影時の絞りを継承する。あらかじめ絞りを調整してから動画の露出をコントロールする必要がある。
マニュアル設定で絞り込んで撮影してみると、奥の壁面がハッキリ見えるようになったが明るさが足りなくなった。シャッタースピードは下限である1/30秒となっているのでこれ以上遅くすることはできない、そこでISO感度を上げて明るさを調整して撮影することとなる。
動画撮影時の偽色
D3100に比べると、D3200の動画撮影機能はフルHD/30pやHD(1280×720)/60pの追加など、より選択の幅が広い。そこで、フルHD/30p、フルHD24p、HD/60pを撮り比べてみた。
3つの動画に共通して言えることは、直線や細かい模様が多く見られる人工物を写す際に偽色が目立ち、荒れて見えることだ。2400万画素を動画用に秒間24/30/60フレームで高速記録する関係上、高速読み出しのために画素をスキップしているためではないかと想像できる。とはいえ、偽色に関してはD3200だけに発生するというわけではないので、この点だけを気にしても仕方がない。こういう現象が起こるということを理解して上手につきあっていこう。
また、今回は静止画用の小型三脚を使用したために細かな振動をカメラが受けてしまったことも要因ではあるが、24フレーム時に発生したローリングシャッターも気になった。映像撮影用のしっかりとした三脚を使用することで解消する問題だとは思うが、30フレームで撮影すると発生しない(気がつかない)が、24フレームだけで発生しているので撮影時には細心の注意をはらう必要がありそうだ。
動きものに対しては60pの滑らかさは魅力的だが、テレビで楽しむ事を考えるとフルHDではないのはちょっと選択しにくい。それに動画投稿サイトなどの利用を考えると6データ量の多さが気になる。どの画面サイズ、どのフレームレートを選択していくか、使い分けはまだまだ検討の余地がありそうだ。
上の2つの画像を見てもらえれば分かるが、カメラアングルや撮影距離・焦点距離そしてピント位置など様々な要素によって偽色の発生は違ってくる。上手くコントロールすることで、右の画像ように偽色の少ない動画撮影が可能となる。ただ、撮影時にライブビューで偽色の有無を確認するのは難しい。動画撮影時の擬色を抑えるには、それなりの習熟が必要になりそうである。
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