インタビュー
» 2010年11月29日 10時00分 公開

「ブログ感覚で作れる電子書籍」の快進撃〜「パブー」吉田氏に聞く(後編) (3/4)

[山口真弘,ITmedia]

PDFの直接アップロードを禁止することで海賊版を排除

── 最近iTunes Storeでは、村上春樹氏の「1Q84」の中国語版がアップされたりといったことが話題になっていますが、こうした海賊版に対するチェック体制はどうなっていますか?

吉田 現状はPDFの直接アップロードを許可していませんので、その時点で相当排除できていると思っています。技術的には、手持ちのPDFをアップロードしてそのまま販売できる仕様にすることも可能ですが、そうすると自炊したものをそのままアップロードして販売できてしまうので、PDFのアップロードはあえてできない仕様にしています。自分でテキストをいちいち入力する手間を考えると、ここでかなり抑止されていると見ています。

── 中身の審査についてはいかがですか。

吉田 目につく作品は運営スタッフが目視で確認していますし、ユーザーからの通報があった場合も対処しています。後は、実際に売買が発生して著者にお金が支払われるまでのタイムラグが抑止力になると思います。パブーでは、翌月末締めの翌々月20日払いで、かつ支払額が3000円以上にならないと払い込まれないので、仮に海賊版を販売して利益を得ようする方が出てきたとしても、この仕組みでほとんど阻止できると思っています。不正が認められた場合は、システム側で売買を無効にできるようになっていて、その場合ももちろん、売る側にお金は入りません。

── 現在、パブーにあるコンテンツの購入は、「おさいぽ」経由で行うことになっていますが、ややハードルが高い感もあります。支払方法の拡大といった構想はありますか?

吉田 おさいぽを採用したのは、10円、50円、100円といった低額の売買でカード決済が通らない、という事情があったためです。銀行振込に対応しようにも、数十円の本を購入するのに振込手数料が100円とか200円掛かってしまうのはばかばかしいですよね。おさいぽ決済なら、超低額決済が可能でしたので、おさいぽ決済のみ対応ということでスタートしました。

 とはいえ、支払いまでの手間が結構大変だという要望をいただいているので、今後は、おさいぽの登録自体をもう少し簡易化したいと考えています。また、海外の方からの要望が多いPayPalには今後対応したいと考えています。読み手のユーザーから上がってくる要望は、決済に関するものが多いですね。

── コンテンツの価格帯はどの辺りですか?

吉田 最も低額なのは10円、一番上は3000円です。3000円でいったん区切ってるのは、あまりに高額なものが販売できるようにしてしまうと、トラブルの原因になりかねないと考えたためです。どうしても1万円で売りたいコンテンツがある場合は、中身を3分割して売っていただくのがよいのかなと考えています。

 情報商材のサービスやデジタルコンテンツの販売サービスが、ケータイコミックやアバターも含めてどれくらいの金額のものをどういった決済手段で提供しているか、あるいはどのようにトラブルを回避しているのかなど、他社事例についてはリサーチの段階で入念に調べました。わたしたちはパブーを安心して利用していただけるよう、問題が発生したらそれを回避するために規約の改訂を随時行っていくつもりですが、現状で特に問題はないと考えています。

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