BOOKCOPYは、ユープランニングが運営するスキャン代行サービス。所在地は神奈川県相模原市(書籍送付先は東京都練馬区だが、本稿執筆時点のサイト上の表記は東京都武蔵野市となっていた)。
基本料金は1冊200円だが、試用時は1冊90円のキャンペーン価格が用意されていた。350ページ以上は追加料金となるほか、ファイル名変更、OCR、表紙スキャンは別料金。また追加料金で雑誌のスキャンにも対応するほか、裁断のみのサービスにも対応。このほか本を裁断せずにスキャンを行う「プレミアムスキャンPDF」サービスも提供しているが、50ページ900円と価格体系にはかなりの差がある。目安となる納期はトップページに明示されている。
他社とは異なり、申し込み後にまず先に書籍を発送し、検品後に正式見積が届いてから振り込みを行うという手順になる。申込時は納期について「本日到着分17〜24営業日」と明示されていたが、実際には書籍発送から正式見積が届くまでにおよそ3週間、さらに入金確認メールから納品までさらに3週間と、申し込みからオンライン納品までに実に中52日を要した。納品はオンライン(レンタルサーバ利用)。なお、裁断済み書籍の返却にも対応するが、他社と異なり着払い料金のほかに手数料500円が必要となる。
特になし
カラーモードの判定を完全にソフト任せにしているようで、ひとつの書籍でカラー/グレー/白黒が入り交じっているなど、非常に読みづらい。スキャナのメンテナンス不足と思われる色の帯が冊子を問わず入っているほか、他社に比べると裁断の幅が大きく、中でものり付けを裁断する必要がないはずのカバーまで端が数ミリカットされているのは理解に苦しむ。
また、封入しているポストカードまで挟んだ位置のまま読み取られていた。絵本の表紙(ハードカバー)のスキャンにも対応している。カラーの発色は他社同等。白紙ページは削除されずそのまま残っている。
今回試用したスキャン代行サービス業者の中で唯一、ページの一部が天地180度回転した状態のまま納品するという致命的なミスを犯している。注意して見なければ判別できない絵柄ではなく、よりによって本稿でサンプルに用いている扉のカラーページが含まれており、上述のポストカードの件と合わせても目視チェックをしていないことは明らか。ちなみに着払いで返却された裁断済み書籍をチェックしたところ、ページそのものが180度回転した状態になっていたので、向き補正の誤検知ではなく人為的なミスのようだ。
また、指定納期に納品されず、こちらから問い合わせたところ全体的に作業が遅延しているとのわびメールがあり、さらに再度指定された納期にも納品連絡がなく、約10日待ってメールで催促をかけてようやく納品されるというありさまだった。ちなみに遅延時に連絡がなかった理由は、担当者によると「(遅延連絡済みの)ほかのユーザーと取り違えた」とのことだが、その際には取り違えたほかの利用者の個人名を無関係な筆者に開示するなど、成果物うんぬん以前にコンプライアンス面で問題があるようだ。
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