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» 2011年10月06日 10時00分 公開

電子書籍覆面座談会:ビューワ開発者から見た、電子書籍業界のいま(前編) (3/4)

[山口真弘,ITmedia]

ユーザーに「要らない」と言われる機能は、見せ方に問題があるだけかもしれない

―― ビューワの機能で、本全体のどのくらいの割合を読んだかという、既読表示の機能がありますよね。あれなんかはどう思われますか?

T 「あんまり画面にごちゃごちゃ出さないでくれ、うざったいから」ってユーザーから言われちゃうんですよね(笑)。

―― それに敢然と立ち向かっているのがiBooksなんですけど(笑)。先日の漫画家さんの座談会でも話題に上りましたが、iBooksだとページの左右に紙の厚みを示すデザインがあります。こういうのはXさんの設計思想からするとどうでしょう?

X 厚みが変わらないやつですよね(笑)。こうした縁を付けようと思ったら、その分ページの面積を減らさなくちゃならないので、ちょっと違うかなと思います。

iBooks

T 余白というのは本来、印刷などの都合であって、コンテンツは関係ないですから。もっとフルに見せて、情報量を増やしてくれと思いますね。

 そもそも、既読の割合を気にするコンテンツと、気にしないコンテンツがあると思います。長編作品なら「どのくらいまで読んだかな」というのがあるでしょうけど、短編だとあまり気にしなかったり。ガラケーはどこまで見てるか表示できないことも多いのですが、閉じたときにどこまで読んだかページ位置を保存していることもあってか、あまり批判は聞かないですね。特に漫画は1話売りが多いですし。

X 僕は結構ユーザーから言われますね。

T ただ、声の大きい人が大多数というわけじゃないですよね、実際のところ。

X つまり「要らない」と自信を持って言える人と、「要る」と自信を持って言える人、どっちなんだってことですよね。「どっちでもいい」という人と「要る」人だったら、それは「要る」ってこと。「要らない」と「どっちでもいい」なら「要らない」。その考えでいったら、やっぱり「要る」になるんじゃないかなと。

T ただ、「要る」と思ったけど、消してみたら気にならなかったという人もいる(笑)。

X それは「どっちでもいい」人ですよ。問題なのは「要らない」という人の中に、僕ら開発者の見せ方が下手くそだから要らないといっている人が含まれていることなんですよね。「こんなウザいのは要らない」という声、それが怖いんですよ。それさえクリアできればもちろん付けたいですし。どういったアプローチがいいのかは、開発ですごく悩むところです。

―― 例えばシャープのGALAPAGOSだと、ページ番号の表示は文字サイズを変えても変わらないんですよね。最初全部で500ページって表示があったとするじゃないですか。それで、文字サイズを小さくして1ページに収まる文字量が倍になったら250ページに減るはずなのに、500ページのまま変わらない。どうなるかというと、1ページめくるたびにページ番号が1つずつスキップされるという。

X おお、考えましたね。

T XMDFはザウルスのころからやってて、ノウハウはあるはずなんですけどね。どうやって計算してるんだろう。デフォルトのフォントサイズでやってるってことですよね、それって。

―― デフォルトのフォントサイズでページ数をカウントして、大きくなったり小さくなったりしたら、分母を変えずに分子をいじるということですよね。だから考え方としてはパーセンテージに近い。結果として、めくった次も同じページというケースが発生するわけですよね。1、1、1、2、2、2とか。

X 電子教科書になったときに「教科書の何ページを開いて」って言われてページを開けたところ、みんな違うところを開けていたという笑い話がありましたけど、その辺りを考慮した結果かもしれませんね。

―― それにしても、操作性に多少なりとも共通項のあるページめくりに比べて、既読位置の表示方法はバラバラですよね。デジタルコミックに至ってはコマ単位表示でページという概念もないわけですし。

T そうですね。デジタルコミックではしおりを保存したときや、目次のところに「何コマ目」というのを表示していますね。コマ系だったら何コマ目、ページ系だったら何ページ目というように。

―― なるほど。「何コマ目」なんですよね。そう考えても、ページングで考えられているものとは作り方がまったく異なりますね。

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