出版業界ニュースフラッシュ 2011年10月第1週

出版業界で起こったニュースにならない出来事をまとめてお届けする週刊連載。こうしたトピックの中に今後のヒントが隠されているかも?

» 2011年10月09日 19時27分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

 先週出版業界で起こったニュースにならない出来事をまとめてお届けする本連載。こうしたトピックの中に今後のヒントが隠されているかも?

ジョブズ氏逝去で「スティーブ・ジョブズ伝」世界同時に緊急出版

 11月に世界20カ国・14出版社で出版を予定していた『評伝「Steve Jobs」』(ウォルター・アイザクソン著)が10月24日に出版されることが決まった。同書は全2巻となり、第1巻は24日、第2巻は11月1日に出版される。日本では講談社から、初版10万部、各1900円で発売。電子書籍版も同時リリースする。

 当初、第1巻を11月21日に刊行する予定だったが、10月5日にApple元CEOのスティーブ・ジョブズ氏が逝去したとを受けて10月6日、著者と各国出版社が発売の前倒しを協議した。

朋友出版、事業停止で自己破産へ

 朋友出版は10月5日付けで事業を停止し、事後処理を浅野響弁護士に一任、近日中に自己破産を申請する予定。負債は2010年11月期末時点で約10億2100万円。

 少子化を背景に競合が激化、教科書改訂などの負担から経営状態が悪化、本社売却などで建て直しを図ったが、支えきれなくなり、事業継続を断念した。

 朋友出版は1959年設立の学参出版社。幼児用学習ドリルや小中高生の教科書に合わせた参考書を手がけ、1987年11月期には年間売上高約12億2000万円を計上。10年同期には売上高が約5億1200万円まで落ち込んでいた。

アマゾンジャパン、仙台にカスタマーセンター開設へ

 アマゾンジャパンは2012年3月をめどに、仙台・青葉区にカスタマーサービスセンターを開設する。開業に伴い、最大1000人の雇用機会を創出するという。カスタマーサービスセンターは、客からの電話やメールによる問合せに365日・24時間体制で対応するもの。

 現在、同センターの開設に向けた採用活動を行っている。

CO2パブリッシング、書籍のPRプラットフォーム「BUKUMO」開設

 CO2パブリッシングは10月1日、ソーシャルプラットフォーム「BUKUMO」をオープンした。出版社や作家、個人がBUKUMO内に各自の電子書店を作り、電子書籍の販売やプロモーション活動などができるというもの。コンテンツはAppleのApp StoreやAmazonで販売することも可能。

 利用には、初期登録費用(980円)のほか、月額利用料がかかる。利用料は、販売(プロモーション)する冊数に応じて変わり、980円から9980円。

すばる舎、新刊書籍をすべて電子化へ

 すばる舎は11月から、全新刊を電子配信することを決めた。同社では2008年4月以降、電子書籍事業に取組み、これまで500点以上の作品を電子化してきたが、急速拡大する電子出版市場に対して積極的に取り組んでいくため、今回の決定に至った。

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