レビュー
» 2011年10月17日 13時00分 公開

ソニー「PRS-T1」の実機操作レビュー (2/3)

[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

ソフトウェア

 PRS-T1はソニーがカスタマイズを加えたAndroidを搭載する初の電子書籍リーダーだ。普段の生活でAndroidを搭載したタブレットやスマートフォンに慣れ親しんでいれば、このモデルに慣れるのにあまり時間を必要としないだろう。デバイス上でほぼすべてのプログラムをピンチしたりズームできるようになったのは素晴らしい。従来は物理ボタンかソフトウェア拡大鏡だったものが、タッチ操作でできるようになったことで使い勝手が格段に向上した。

 PRS-T1の電源を入れると、機能強化されたホーム画面が出迎えてくれる。このホーム画面にはユーザーが最近読んだ本のほか、ユーザーが本体にロードした最新の3冊が表示される。その下には、「書籍」「コレクション」「定期刊行物」「Reader Store」といった4つのカテゴリーがある。

 書籍オプションは自分の電子書籍が堂々と表示される本棚画面につながるものだ。ユーザーは本の表紙画像が並ぶグラフィカルなレイアウトかテキストベースのレイアウトで本を整理できる。後者は大量の作品がデバイス上にロードされていれば役立つかもしれない。

 コレクションオプションはPRS-T1で最良の機能の1つだ。ほとんどの電子書籍リーダーメーカーはこの機能の導入に積極的でなく、それによりデバイス上は非常にごちゃごちゃとするのだが、ソニーはAmazonよりも長く電子書籍リーダーを販売してきたので、自社の顧客ベースを理解しているようだ。コレクションオプションによりユーザーはデバイス上で本をまとめることができる。これはフォルダの概念を想起してもらえばイメージできるだろう。なお、特定のコレクションディレクトリに書籍を移すにはPRS-T1をPCに接続して行う必要がある。

 定期刊行物オプションは、漫画、グラフィックノベル、新聞などのために設けられた特別なコレクションだ。Reader Storeからそれらに該当するコンテンツを購入すると、自動的にこのコレクションに並ぶ。

 Reader StoreはPRS-T1の中核を成すものだ。PRS-T1はソニーが何年も運営してきた電子書籍ストアにユーザーが直接アクセスできる最初のReader製品となった。前モデルではPC上で書籍を探し、好きな本を見つけて購入した後、ReaderとPCをUSBケーブルで接続し、Adobe Digital Editionsを利用して、DRM保護されたコンテンツを正しいディレクトリに転送するというわずらわしい作業をユーザーに強いていた。しかし、新しいストアはユーザーがWebサイトで登録を行い、請求用プロファイルを作成することができる。その後、ワンクリックで買い物をし、購入後に書籍を直接リーダーに転送する。

 Reader StoreはReader向けに最適化され、見た目もよい。3冊の最新書籍をスライドショーで表示し、次の書籍へジェスチャーで切り替えられる。わたしが確認したのはハーラン・コーベン氏、J.D.ロブ氏、シェリリン・ケニオン氏といったすべて人気のある著者の書籍だった。本の表紙をクリックすれば、作品についての記述、レビュー、著者のプロファイル、ウィッシュリスト、関連本などが確認できる。

 わたしはReader Storeが大好きだ。Reader Storeに並ぶ作品は、競合するAmazon、Barnes & Nobleといったストアよりも2、3ドル高い値付けとなっている。その本当の利点はPDFかEPUB形式の作品を居住国を問わず購入できる点にある。AmazonやBarnes & Nobleが抱える大きな問題は書籍のリージョンロックだ。例えば、NOOKを所有していて、米国外に居住している場合、住所を偽らない限り、何も買うことはできない。Kindleを持っていてカナダや米国外に居住している場合、書籍のセレクションは限られている。しかし、Reader Storeではユーザーがどこに住んでいても同じ書籍を買うことができる。

 さらに、PRS-T1はGoogle eBooksも利用できる。無料で何百万冊もの本をダウンロードできるのだ。わたしが素晴らしいと思うのは、「Google eBooksも利用できる」というのが単にGoogleのサイトへリダイレクトされることを意味するのではなく、Reader Store内にGoogle eBooksのコンテンツもすべて含まれていることだ。なぜこれを強調するかというと、コンテンツが国際的に入手できるからである。Googleは自社ブックストアの無料書籍を米国および英国外では提供していない。しかし、そのすべての書籍がReader Store内に含まれているので、ユーザーは世界中どこでも無料の電子書籍作品をダウンロードできる。

 さらに、説明を最後まで取っておいたすばらしい機能として、Overdriveをサポートする図書館から電子書籍を直接借りられることが挙げられる。6カ国以上の図書館が対応しており、ユーザーは地域あるいは州を選択し、それから都市と自分が所属する特定の図書館を選択することで、その図書館で貸出可能なすべての書籍を閲覧できる。ある作品が特定の図書館に所蔵されていれば、予約するかWi-Fi経由で自分のReaderにダウンロードできる。これはまさしくわたしがPRS-T1で好きな機能だ。地球上に1つのアプリ内でユーザーに直接デバイス上で本を閲覧させダウンロードさせる純粋な電子書籍リーダーはほかに存在しない。非常にシンプルなプロセスだ。

 シンプル――それがPRS-T1を最高の電子書籍リーダーの1つとしている。電子書籍リーダーを初めて使う場合でも、PCやMacは不要だ。

読書体験のカスタマイズ

 ここまで、ホーム画面とコンテンツの配布機能について紹介したので、次に読書体験について紹介しよう。PRS-T1では読書体験をカスタマイズする幾つかの機能が用意されている。例えば、特定のエリアでピンチしたりズームしたり、フォントサイズをプレビュー付きの8段階で変更したりできる。

 そのほか、文章内の特定の単語をハイライトする以外に幾つかの機能が用意されている。例えば辞書機能。12の辞書が英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、オランダ語など多くの言語で利用でき、単語の意味などを調べることができる。これらの表示は自動的に画面の底に表示されるがほとんど目障りにはならない。単語がハイライトされると、ユーザーはスタイラスを利用して手描きまたはソフトキーボードでノートを付加することもできる。ある単語にノートが割り当てられている場合、その単語上には小さなアイコンが表示され、単語を長押しするとノートが表示される。学生や読書クラブに所属している人には最適な機能だろう。

 ある単語をハイライトして、ノートを取ったり辞書を利用するほかにも、WikipediaやGoogleにその単語を渡して検索することもできる。これらの機能は単語単位だけでなく、センテンス全体、あるいは画面上に表示されているテキスト全体をハイライトすることもできる。

 PRS-T1のWebブラウザは非常に成熟しており、ロードも非常に早い。市場で販売されているほかの電子書籍リーダーにはないカスタマイズ機能も存在する。わたしが気に入ったのは画面上でフォントサイズを調整する機能と、水平モードへの切り替え機能だ。Flashはサポートされておらず、YouTube動画を見ることはできないが、ニュースサイトを確認したり、Goodereader.comのような技術ブログを読むことはできる。ユーザーは慣れ親しんだAndroidやiOSでのエクスペリエンスのようにWebサイト上の特定のエリアでピンチしたりズームしたりできる。

 音声や画像などは専用のプログラムが用意されている。音声はAACかMP3形式のみのサポートだが、音楽やオーディオブックをオンラインで購入して聞くことができる。E Inkで画像を表示すると常に高解像度で高コントラストの紙幣のような見え方となる。

 PRS-T1のソフトキーボードはキーの反応もよく素晴らしい。完全なQWERTYキーボードで、(ABC順のキーボードを採用している)79ドルのKindleを圧倒している。リフレッシュレートは非常に速く、キーが入力機能に遅れを取らないということが分かった。

 最後に、Readerには山ほどのコンテンツオプションがあり、書籍を購入したり、図書館から書籍を借りたりするのはこれまでになく簡単だ。書籍のエクスペリエンスはユーザーのカスタマイズレベルに合わせて変更可能で、ピンチ、ズーム、ジェスチャーのインタフェースで評価を上げている。わたしはオンラインで単語の意味を調べたり、それらにノートを追加する機能が好きだ。欠点の1つは設定メニューが貧弱なこと。Wi-Fiの設定以外ではこの設定メニューをほとんど利用しないかもしれない。ほかに役立ちそうな選択肢としてはパスワードでデバイスを保護する設定だろうか。

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