ソニー「PRS-T1」の実機操作レビュー(3/3 ページ)

» 2011年10月17日 13時00分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader
前のページへ 1|2|3       

わたしの考え

 PRS-T1は6インチサイズでこれまでにソニーが提供した電子書籍リーダーの中で最高の製品だ。Daily Edition(PRS-900)やKindle DX、Pocketbook 902といったより大画面のデバイスと比較してPDF文書の閲覧には適していないが、新聞や書籍を読むので十分であれば、これ以上の製品はないかもしれない。

 これはわたしが今年レビューした電子書籍リーダーの中でまさにこの年に向けて開発されたと感じた製品の1つである。タッチスクリーンの電子書籍リーダーはソニー製品としては新しくはないが、非常に洗練され、ユーザーが書籍愛好者なら毎日使うオプションを提供している。Overdrive経由で書籍を借りたり、Reader Storeから直接書籍を購入したりして、それらがWi-Fi経由で自分のデバイスに直接届くというのが、その中でも最たるものだ。

 全体として、デバイスはかなり反応がよく、ユーザーの入力に遅れずについてくる。ページ送りやWebブラウジング、手書きノートのいずれもデバイスの反応は素晴らしい。

 とはいえ、2、3の欠点もある。いずれも購入をためらわせるようなことではないが、触れておきたい。第1に、付属のスタイラスが大きすぎること。PRS-650のスタイラスは小さくて実用的だった。デバイスの小さなスロットにぴったりと収まり、紛失を防ぎつつも小さかった。しかしPRS-T1に付属するスタイラスは2倍以上のサイズで、なぜか小さなフックが付いている。このフックは小さすぎてデバイス上のどこにもフィットせず、シャツや袖に付けるには大きすぎる。デバイス操作にピンポイントの正確さを求めるならスタイラスは必要だろうが、画面が赤外線付きタッチスクリーンなので、日常的な利用ではさほど必要ではない。

 また、本体には無料書籍が数冊付属しているが、工場出荷時の状態にリセットするとそれらは消えてしまうので気をつけなければならない。

 最後の欠点の1つはリフレッシュレートだ。ページ送り時の画面の明滅を6ページごとにまで抑えたKindleの新モデルなどが登場している中、PRS-T1はいまだに毎ページごとに明滅する。

 PRS-T1で衝撃を受けたことの1つは、電池の寿命を最大限にするため、5分ごとにインターネット接続がタイムアウトする初期設定だ。この機能をオフにする機能も用意されているが、インターネット接続を利用しないのであれば電池の寿命を伸ばすのに賢明な方法だと思う。頻繁にインターネット接続を利用するなら、その機能を単にオフにすればよい。

まとめ

 米国外に居住していれば、PRS-T1は費用対効果の高い最高の電子書籍リーダーの1つだ。買ったその日から、フランス、スペイン、ドイツ、オランダといった多くの市場をサポートする。すべてのメニューオプションや辞書は母国語に合わせて設定できる。世界のどこに住んでいてもReader StoreとReader Store経由のGoogle eBooks、Overdriveに対応しているので問題ない。

 米国外で機能する電子書籍リーダーというのは新鮮だ。われわれはカナダに居住しているが、その欠点の1つは、多くのデバイスとそのコンテンツ配布システムから排除されていることだ。われわれがAmazonやAppleのiBooksといったサービスを受けるとき、多くの出版社は米国外をリージョンロックするか、書籍を配布する著作権を所有していない。ソニーは国際的市場にコンテンツを提供するのに素晴らしい仕事をしており、カナダを拠点とするKonoも称賛に値する仕事をしている。

 書籍、新聞、グラフィックノベルを読むのに確かな電子書籍リーダーが必要なら、最高の投資対象の1つとしてこのデバイスを強くお勧めする。ユーザーが必要な機能をすべて備え、電子書籍リーダーに不慣れな人にも非常に使いやすい。あなたが米国外に居住しているなら、われわれの小売パートナーであるwww.shopereaders.com経由ですぐに購入することができる。

評価:9.5/10

編注:PRS-T1は国内でも発売予定ですが、本稿で紹介した機能の一部は国内向けのPRS-T1では提供されない可能性があります。その点ご承知ください。


前のページへ 1|2|3       

Copyright© 2015 Good E-Reader. All rights reserved.

(翻訳責任について)
この記事はGood E-Readerとの合意の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。