Amazon、今年日本で電子書籍ストアを開始海外はどうとらえたか

AmazonはKindle Storeをグローバルに展開しつつある。ドイツ、フランス、スペインなどの国々で2011年末から2012年第1四半期までにサービス開始予定だが、同社は現在、日本でのサービスインを目指し大手出版社と詰めの交渉に入っている。海外からの視点をお届けしよう。

» 2011年10月25日 10時00分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 Amazonは今年電子書籍ストアを多くの国々で開始し、グローバルでの規模を拡大しつつある。ドイツ、フランス、スペインなどの国々で2011年末から2012年第1四半期までにサービス開始予定となっているが、日本経済新聞によると、同社は現在、日本の大手出版社との交渉に入っている。

 2010年12月に「PRS-650」を発売したソニーは、現在日本の電子書籍市場で最も存在感のある企業の1つだ。同社はすべての大手出版社、新聞社、漫画出版社とReader Store経由でコンテンツを販売する契約を交わした。日本市場への参入はソニーにとっては2度目のことで、今回はうまくいった。その理由は部分的には電子書籍が広く受け入れられつつあるということだが、技術に対する人々の認知が高まりつつあるということも挙げられよう。

 Amazonはこのマーケットで競争する2番目の国際的企業になろうとしている。同社は数カ月にわたって日本の出版社および新聞社と交渉しているが、明確な契約には至っていない。出版社が抱える不安要因は、Amazonが競争を排除するために低価格でコンテンツを提供しようとする傾向がある点だ。エージェンシーモデルは日本の商習慣からするとやや異質で、Amazonは、契約を締結してもほとんど利益がないのではないかと懸念する企業と交渉を続けている。日本経済新聞によると、Amazonは契約の最終詳細をほぼ固めつつあり、価格引き下げの範囲などは事前に出版社と議論するものとしている。

 Amazonにとってまず足掛かりとなるのは、デバイスで日本語が読め、ローカライズ可能な機能を提供するためにカスタムファームを搭載した新たな第4世代Kindleを小売市場で販売することだ。日本市場で、Kindleがどのように販売されるか、またその価格がどのようになるかはまだ分かっていないが、Amazonは自社サイトだけでなく、小売市場でKindleを販売しなければならないだろうということを理解している。

 魅力的な電子書籍市場に参入する企業にとって日出ずる国は豊かな市場となっている。電子書籍および電子コミックのファイルフォーマットが複数競合しているため、まだほとんど手つかずの市場だからだ。時事通信は日本の電子書籍市場は8億4600万ドル規模、紙版書籍および雑誌について2兆円規模と算定している。

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